クリス・マイケル監督『ラ・ジュテ』(1962年)
東京都美術館:ポンピドゥー・センター傑作展で観た。
↓DVD「ラ・ジュテ -HDニューマスター版-」予告編
『ラ・ジュテ』LA JETEE
1962年フランス映画
監督・脚本:クリス・マルケル
編集:ジャン・ラヴェル
朗読:ジャン・ネグロニ
音楽:トレヴァー・ダンカン
美術:ジャン=ピエール・シュドル
製作:アナトール・ドーマン
出演:エレーヌ・シャトラン、ダヴォス・ハニッヒ
1963年ジャン・ヴィゴ賞・受賞
1963年トリエステSF映画祭・金賞受賞
(クリス・マルケルは1921年生まれ
作家、写真家、映画監督、
マルチメディアアーティスト、
ドキュメンタリー作家として活動し
2012年に亡くなりました。)
第3次世界大戦後の廃墟のパリ。
放射能に汚染されたパリの地下で、
戦争を生きのびた勝者側の科学者たちは、
過去と未来に人類の救済を求めるために、
捕虜を使って時間旅行を試みる。
彼らはそこで、ある記憶に取りつかれた男を選び出す。
彼は少年時代、オルリー空港の送迎台で見た断片的なイメージ―
凍った太陽と叫ぶ女―
が心に焼き付いている。
実験台での注射により過去に送り込まれた男は、
送迎台で見た女と再会し夢見心地の時間を過ごす。
続いて、未来へと送り込まれた男は、
世界を救うためのエネルギーを持ち帰る。
そして、彼は自分の記憶の驚くべき真実を知ることになる・・・。
大胆極まりない設定を鮮烈なイメージに
溢れるモノクロ映像に翻案・凝縮編集した、
映像美の結晶とも言うべき傑作短編映画『ラ・ジュテ』。
多くの映画人を虜にし、なかでも、
テリー・ギリアム監督がこの『ラ・ジュテ』を原案に
『12モンキーズ』を作り上げたのはよく知られている。
(YouTube予告編の説明より)
昨日は東京都美術館で開催中の
「ポンピドゥー・センター傑作展」に行きました。
上映されていた『ラ・ジュテ』を観られたのはラッキーでした。
先週は表参道のラット・ホール・ギャラリーで
スティーブ・マックィーン監督の
初期16mmフィルム作品 Cold Breath(1999)
「コールドブレス」を観て、
スティーブ・マックィーン監督のトークを聞きました。
「コールドブレス」は身体性を表現した
モノクロフィルムの動的で実験的な作品でした。
『ラ・ジュテ』は
モノクロ写真を連続して映す
「フォトロマン」という手法で制作されています。
シンプルなナレーションが入ります。
SF映画ですがSF的な美術や装飾を使わず
表現しています。
普通の動画でないのに
動画以上のドラマ性があります。
この作品はゴダール、押井守の作品などに影響を与え
ギリアムの『12モンキーズ』の原案です。
フィルムとデジタルの差は
光の粒子と黒の表現に出ますね。
デジタルの良さももちろんあるけど。
黒の深さがデジタルのモノクロでは
出ない領域があると感じるのです。
スティーブ・マックィーン監督は
ラット・ホール・ギャラリーでの
プロジェクション環境を褒めてました。
観客が映像と対峙する環境も
考えた上での作品です。
国立近代美術館の
藤田嗣治、全所蔵作品展示の時に観た、
藤田嗣治が監督した
戦前の地方の子供たちの
記録映画もとても貴重な作品で
画家らしく構図が素晴らしいのと
子供たちのいきいきとした姿を捉えていました。
外国に日本を紹介する映画シリーズでしたが、
子供たちがみすぼらしいから恥ずかしいと
お蔵入りになってしまったという映画でした。
美術館やギャラリーで映画を観るのも楽しいです。
「ポンピドゥー・センター傑作展」
展覧会の公式サイトの説明
「ポンピドゥー・センターは、
美術や音楽、ダンス、映画など、
さまざまな芸術の拠点として1977年、
パリの中心部に開館。
世界屈指の近現代美術コレクションで知られます。
本展ではピカソやマティス、シャガール、
デュシャン、クリストなどの巨匠の傑作から、
日本ではあまり知られていない画家の
隠れた名品までを一挙公開。
1906年から1977年までのタイムラインにそって、
1年ごとに1作家の1作品を紹介していきます。
絵画、彫刻、写真、映像やデザインなど、
多彩なジャンルの作品との出会いを楽しみながら、
フランス20世紀美術を一望できる絶好の機会です。
展示デザインはパリを拠点に国内外で活躍する
注目の建築家、田根剛氏が担当。
これまでにない魅力的な展示空間で、
珠玉の作品群をご堪能ください。」
確かに1年、1作品を展示する流れで、
20世紀美術を展望するという展覧会は
今までにない試みで
キャプションは丁寧だったし、
作者本人の写真と「一言名言」が
作品と並んでいて
興味深く見ることができました。
ただ、これがこの年を代表する作品か、
その作家の代表作で傑作であるのか
ということについては、
ポンピドゥー・センターが
貸してくれる都合もあるでしょうから、
多少の疑問は置いといて...
鑑賞すべきでしょうね。
額のガラスがかなり
良いもの使っているようで、
反射がなくガラスがないのではというくらいで、
近づいてマチエールを
じっくり見ることができます。
とてもよい体験ができました。
自分の目で日曜美術館のアップを体感みたいな。
ガラスケース展示や
顔をくっつけて観れるまでは近づけない
作品もありますけどね。
今日はカリコレ2016で
『ショート・ターム』の
デスティン・ダニエル・クレットン監督の
長編デビュー作『ヒップスター』
トマス・ヴィンターベア監督の
『光のほうへ』『偽りなき者』等の脚本を書いた
トビアス・リンホルムの脚本・監督作『ある戦争』
その後、東京国立近代美術館で
声ノマ 全身詩人、吉増剛造展
を見ます。
足立正生監督の『断食芸人』でも
吉増さんのすごいパフォーマンスが見れます。
私はブログに書いていない美術展にも
行っています。
娘が美術史専攻なので研究室に届く
招待券がもらえて、
美術館でバイトをしているのでそこでも
他の美術館から届く招待券がもらえ、
私はそのおこぼれにあずかっています。
今もらっているのは...
↑こんな感じで...
無料で見れるのはありがたいけど、
行ききれるのかしら...
ということで、
映画鑑賞は減ると思います。
自分の制作活動も
そろそろ再開させたいので、
映画以外の芸術にもっと触れたいです。
7月も劇場鑑賞30本超えてしまったし(^o^;)
あ、いや、
ナンに見えますか?って
さっぶいギャグ!?ではないつもりで...(^^ゞ
上野駅のカレー屋で食べたナンに
パンダ🐼ちゃんの刻印がありました。
ル・コルビュジエの建築作として
世界遺産登録された
国立西洋美術館。
外観の写真を撮っている人も多いです。
建物の中も見てくださいね。
ただ、今開催中の企画展は
「聖なるもの、俗なるもの
メッケネムとドイツ初期銅版画」
マイナーというかマニアック!?なもの。
私は招待券があるので行きますが。
今週劇場鑑賞した映画
『アナーキスト 愛と革命の時代』
『神様の思し召し』
『マン・アップ!』
『SHARING』
『人生は狂詩曲(ラプソディ)』
『AMY エイミー』
短評をこの記事に書きました。↓
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マット・ロス監督