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シチズンフォー スノーデンの暴露感想告発の一部始終をリアルタイムで記録した傑作ドキュメンタリー

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『シチズンフォー スノーデンの暴露』
原題:Citizenfour
2014年製作 
アメリカ=ドイツ合作映画
シネマジャック&ベティで鑑賞

浜松シネマイーラでは
7月30日(土)~8月12日(金)上映








↓『シチズンフォー スノーデンの暴露』予告動画


監督:ローラ・ポイトラス
製作総指揮:スティーヴン・ソダーバーグ
エグゼクティブプロデューサー:
ジェフ・スコール
ダイアン・ワイアーマン
製作:ダーク・ウィルツキ―
プロデューサー:ローラ・ポイトラス
マティルド・ボヌフォア
撮影:ローラ・ポイトラス
クリステン・ジョンソン
ケイティ・スコッギン
トレヴァー・パグレン
編集:マティルド・ボヌフォア

出演:
エドワード・スノーデン
ローラ・ポイトラス
グレン・グリーンウォルド
ウィリアム・ビニー
ジェイコブ・アッペルバウム
ユーウェン・マカスキル
ジェレミー・スケイヒル
ジュリアン・アサンジ


2013年6月、ひとりの若者の内部告発により
全世界に衝撃が走った。
彼の名はエドワード・スノーデン。
CIAや国家安全保障局(NSA)で訓練を受け、
2009年には横田基地のNSA関連施設で
高度な機密を扱っていたこともある
サイバー・セキュリティのエキスパート。
その告発内容は、国家による違法なプライバシー侵害行為が、
一般国民を対象に、かつてない規模で行われている、
という驚くべきものであった。
 スノーデン事件……それは米国の二大情報機関に属した若者が、
戦慄すべき国家権力濫用の実態を
大量の機密文書とともに暴露した上、
自ら実名で名乗り出るという、
かつて類を見ない大事件だった。  
その一部始終をリアルタイムで記録した、
極めて貴重な“時代の生の証言”が本作である。
スノーデンからの接触、
香港で密かに行われた独占インタビュー、
スクープ記事の公表と反響、そしてスノーデンの脱出まで、
一大センセーションを巻き起こした事件の
すべての真相を観客は目撃することになる。

イラク戦争やグアンタナモ収容所についての
ドキュメンタリー映画で高い評価を得るとともに、
当局からの監視や妨害を受けてきた
気鋭の映画監督ローラ・ポイトラスは、
2013年初め、“シチズンフォー”と名乗る人物から
暗号化されたメールを受け取るようになる。
それは、NSA(国家安全保障局)が米国民の
膨大な通信データを秘密裏に収集している、
という衝撃的な告発だった。
 2013年6月3日、ローラは“シチズンフォー”の求めにより、
旧知のジャーナリスト、
グレン・グリーンウォルドとともに香港へ向かった。
ホテルで二人を待っていたのは
29歳の元CIA職員エドワード・スノーデン。
彼の語る一部始終をローラのカメラが記録する中、
驚くべき真実が明かされてゆく。
NSAや他国の機関がどのような仕組みを使い、
テロや犯罪への関与と無関係にあらゆる国民の電話の会話、
メールの内容からインタネーットで検索した言葉まで、
すべての通信記録を収集・分析しているのか。
政府の監視活動にIT企業がいかに協力し、
情報を提供しているのか。
グレンたちが驚いたことに、
スノーデンは自ら内部告発者として名乗り出ることを望んでいた。
なぜ彼は、自身や恋人の身に
重大な危険が及ぶことが予測されたにもかからず、
この告発に至ったのか……。

当局の追跡がスノーデンに迫る中、
6月5日、グレンは彼が契約していた英国紙ガーディアンに
最初の記事を掲載する。
そのスクープはたちまち大反響を巻き起こした。
さらに6月10日、スノーデン自身が、
自らが告発者であると名乗り出る。
この前代未聞の暴露事件は、
全世界にどんな影響をもたらしたのか……。
(公式サイトより)


この作品は
アメリカの国家機関が
あらゆる国民の通信データを
違法に収集・分析していると告発した
スノーデン事件の一部始終を
リアルタイムに記録した
ドキュメンタリー映画
です。
予告を観ただけではこの映画の凄さは分かりません。
もう、とにかく観て!
です。
私は緊迫した流れを息を詰めて観ました。


昨年2015年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞など
40に及ぶ映画賞を受賞。
スノーデン事件が2013年で、
映画は2014年に公開されて大変評判になりました。
日本公開は随分おくれて
事件から丁度3年後となりました。
もっと早く観たかったなァ。

今月私は8本のドキュメンタリー映画を観ました。
『ビハインド・ザ・コーヴ』
『風の波紋』
『ランバート・アンド・スタンプ』
『FAKE』
『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』
『スティーヴ・マックイーン その男とル・マン』
『台湾新電影時代』
そしてこの
『シチズンフォー スノーデンの暴露』
です。
観た作品はどれも力作で
興味深い内容でしたが、
『シチズンフォー』は特に衝撃的な作品でした。
描かれている事件そのものが衝撃的ですが
その告発事件自体が作品の中で
リアルタイムに進んで行くのです。
ジョン・ル・カレの小説みたいな世界が、
フィクションでなく現実として。
スノーデンも告発に同席した
ポイトラス監督、
2人の記者グリーンウォルド、マカスキルも命懸けです。
特にスノーデンはもう家に帰ることもできず、
亡命するしかないのです。

アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞は、
政治的な意図が伺える場合や、
いかにも無難なチョイスの場合もありますが、
『シチズンフォー』はそういった作品とは違い
歴史に残る作品になることは
間違いないでしょう。
百聞は一見にしかずです、
ぜひ、ご覧下さい!

「あなたの情報が狙われている」
でなく、
「全部ダダ漏れだよ~。(;°皿°)」

アメリカだけの話じゃないことも描かれています。



シチズンフォーと名乗る
暗号化されたメールが監督に届く。

ハンドルネーム 「シチズンフォー」について
ローラ・ポイトラス監督が、
スノーデンにハンドルネームとして
“シチズンフォー”を選んだ理由を聞いたところ、
彼は「私が最初の人間でない。そして、
志願する最後の人間でもない。」と述べている。
出典:「暴露 スノーデンが私に託したファイル」(新潮社)
(公式サイトより)


スノーデンから告発の内容を聞く
イギリス・ガーディアンズ紙の記者
グリーンウォルドとマカスキル。


SDカード差しっ放しは危険だよと
スノーデン。


監視カメラを危惧して
布を被ってPC操作する場面も


告発のTV放映を受け
ホテルを脱出し、
地下に潜るにあたり
変装もします。
普段は度の強いメガネをかけ
ヲタク的風貌の彼ですが、




メガネをはずしコンタクトにして
髭を剃ると...




ちょいジェイミー・ベル似の
好青年になりました。

ジェイミー・ベルラブラブ




恋人のリンジー・ミルズには何も告げず
2人で暮らしていたハワイの家には
彼女が旅行中に「出張する」と置手紙して
香港へ来たスノーデン。
記事が発表されると
名乗り出る前に
告発者がスノーデンと感付いた政府は
すぐに2人の家に来ました。
彼女からの電話に応える緊迫したシーンもあります。
香港の人権派弁護士の助けで
地下に潜り、
ウィキリークスの
ジュリアン・アサンジの援助などで
ロシアに行き保護されたスノーデン。
恋人のリンジーもロシアで一緒に暮らしているのが、
遠くから映されたシーンが上の画像。

『シチズンフォー スノーデンの暴露』
は、ローラ・ポイトラス監督の
9.11後の3部作の完結作になります。

1作目は
2006年の「My Country, My Country」日本未公開
(原題:マイ・カントリー、マイ・カントリー)
アカデミー賞、インディペンデント・スピリット賞、
エミー賞などにノミネートされました。







↓「My Country, My Country」トレーラー


アメリカ軍占領下で暮らすイラク市民を撮影し、
主に6人の子どもの父親である
占領下での選挙に立候補したリヤド医師を追っている。


2作目は
2010年の「The Oath」
(原題:ジ・オース(誓い))
サンダンス映画祭撮影賞、
エディンバラ国際映画祭ドキュメンタリー部門審査員賞、
ゴッサム・インディペンデント映画賞ドキュメンタリー賞などを受賞。







↓「The Oath」トレーラー


オサマ・ビンラディンのボディーガードをしていた
イエメンの首都サヌアのタクシー運転手
Abu Jandalと義理の兄弟の
ビンラディンの運転手をしていた
サリム・ハムダンの2人を追ったドキュメンタリー。
サリム・ハムダンはアフガニスタンで
米軍に捕まりキューバの
グアンタナモ湾収容キャンプに送られ
軍事裁判にかけられた最初の人物でした。

『シチズンフォー』の企画は
2011年から始まっていて、
監視に対する抵抗運動と活動家の行動に
興味があった監督は
NSAの内部告発者について記事を書いていた
グレン・グリーンウォルドや
ウィキリークスのジュリアン・アサンジを
撮影していました。
その素材の編集をしている時に
スノーデンからメールが届き始めました。
最終的に映画が2本存在していると気付き、
途中から始まった
スノーデン中心の映画にすることに決めました。
もう1本のジュリアン・アサンジを追った映画
「Risk」原題:リスク(2016年)は
今年のカンヌ映画祭の監督週間で
プレミア上映されました。

「Risk」のジュリアン・アサンジ



『シチズンフォー スノーデンの暴露』は、
ジャーナリスティックな
ドキュメンタリー映画ですが、
スリリングなサスペンス映画を
観ているような気分になります。
でも、スノーデン事件を全く知らない、
または良く知らないと言う人は、
いきなり映画だけ観ると
何が何やら?かもしれないので、
予備知識は入れておいた方が良いかもしれません。

『シチズンフォー スノーデンの暴露』公式サイト←クリック

「スノーデン事件」とは何か!?
元CIA職員が暴いた米個人情報収集問題の謎!
←クリック

スノーデンが暴いた米英の「特別な関係」、
さらに深まる
←クリック


オリバー・ストーン監督の新作「スノーデン」は
ジョセフ・ゴードン=レヴィットが
スノーデンを演じました。
(ちなみにスノーデンのフルネームは
エドワード・ジョセフ・スノーデン)

恋人のリンジー・ミルズはシェイリーン・ウッドリー
ローラ・ポイトラス監督はメリッサ・レオ
グレン・グリーンウォルド記者はザカリー・クイント
ユーウェン・マカスキル記者はトム・ウィルキンソン
他にスコット・イーストウッド
ティモシー・オリファント
ベン・シュネッツァー
キース・スタンフィールド
ローガン・マーシャル=グリーン
リス・エヴァンス
ニコラス・ケイジ
などが出演。

映画制作にあたり、
オリバー・ストーン監督も、
ジョセフ・ゴードン=レヴィットも
ひそかにロシアへスノーデンを訪ねたそうです。

全米公開は9月16日
日本でも
GAGA配給で2016年中に公開予定です。
アカデミー賞を狙っているようです。
ジョセフ・ゴードン=レヴィットは
『ザ・ウォーク』のフィリップ・プティに続き
主演映画で実在の人物を演じました。

『ザ・ウォーク』感想 
高所恐怖症以外の人には垂直のパースペクティブが凄い
3D鑑賞をおススメの上質エンタメ
←クリック







↓「スノーデン」トレーラー



ジョセフ・ゴードン=レヴィットは、
「スノーデン」の出演料全額を
テクノロジーと民主主義の関係について
「会話を容易にするのを助ける」ための
プロジェクトに寄付すると発表しました。








2015年アカデミー賞授賞式で『シチズンフォー』ローラ・ポイトラス監督
グレン・グリーンウォルド記者、
スノーデンの恋人リンジー・ミルズさん。
スノーデンとリンジーさんは
日本で知り合ったそうです。



う~む、長くなってしまった。(^o^;)
もっとコンパクトに自分の感想だけに
しておけば短時間で書けるのだけど...
それじゃ書いてても面白くないし。(^_^;)




暴露:スノーデンが私に託したファイル/グレン・グリーンウォルド


スノーデンファイル 地球上で最も追われている男の真実/ルーク・ハーディング Luke Harding


スノーデン・ショック――民主主義にひそむ監視の脅威/デイヴィッド・ライアン


インテリジェンスの世界史――第二次世界大戦からスノーデン事件まで (岩波現代全書)/小谷 賢


関連書籍は読んでいませんが、
とりあえずグレン・グリーンウォルド記者の
「暴露:スノーデンが私に託したファイル」は
読みたいです。


今週劇場鑑賞した映画

『エクス・マキナ』
やっと見られて良かった!
アリシア・ヴィキャンデルの
ロボットに萌えたなァ(〃∇〃)
ドーナル・グリーソン
オスカー・アイザック
ソノヤ・ミズノ
もそれぞれ良かったなァ。
男の支配欲はロボットにも及ぶけど...
大作破っての視覚効果賞受賞は頷けました。

『二ツ星の料理人』
豪華キャストで
スリリングに描く
料理人の闘い。
個人的に
ダニエル・ブリュールが
冒頭にサラッと見せる
仕草に胸キュンでしたョ(笑)

『神様メール』
やっぱ神様が意地悪じゃあかんでしょ。
クレームなかったのが
奇跡じゃないかと思える。
でも神様は実はこんな存在かも
って思えて来ちゃう。
ブラックでキュートな作品。

『シチズンフォー スノーデンの暴露』

『マクベス』
シェイクスピア演劇の伝統を踏まえつつ
リアリズムを追求した斬新な解釈や
演出をした所は映画的で素晴らしかった。
役者の演技にも魅了された。
特にファスベンとコティアールは凄い!
美術・衣装も凝っていて見事。
ロングとクローズのショットの使い方、
光の捉え方も個性的だった。

鑑賞した映画の短評は↓

ツィッター eigajikou←クリック

アメーバ映画時光の「なう」←クリック

に鑑賞後随時投稿しています。
ぜひ読んで下さい。

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Captain Fantastic
ヴィゴ・モーテンセン新作「キャプテン・ファンタスティック」
マット・ロス監督







ジョセフ・ゴードン=レヴィットとネコネコ

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