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ナイトクローラー感想道徳的に正しくないアメリカンドリーム体現者のパパラッチをJ・ギレンホール熱演

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『ナイトクローラー』

原題:Nightcrawler
2014年製作 アメリカ映画
チネチッタで鑑賞

浜松シネマイーラでは11月14日(土)~27日(金)に上映










↓『ナイトクローラー』予告動画


↓Nightcrawler 公式トレーラー


原題:Nightcrawler
2014年製作 アメリカ映画

監督・脚本:ダン・ギルロイ

編集:ジョン・ギルロイ
製作総指揮:ゲイリー・マイケル・ウォルターズ
ベッツィー・ダンバリー
製作:ジェニファー・フォックス
トニー・ギルロイ
ジェイク・ギレンホール
デヴィッド・ランカスター
ミシェル・リトヴァク
撮影:ロバート・エルスウィット
美術:ケビン・カバナー
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード

出演:ジェイク・ギレンホール
レネ・ルッソ
リズ・アーメッド
ビル・パクストン

L.A.では人々が眠りにつく間、
傍受した警察無線からけたたましく
音が鳴り響くのをスタート合図に、
猛スピードで車を走らせ、
イチ早く事件・事故現場に駆けつけて
被害者にカメラを向ける者たちがいる。
報道スクープ専門の映像パパラッチ、
通称“ナイトクローラー”だ。
彼らはセレブパパラッチのように執拗に、
死臭を求めるハイエナの如く貪欲に、
生々しく刺激的な映像を求めて夜の街を這いまわる。
そして、手に入れた映像をテレビ局に売りさばき、
カネを得る。
本作は、視聴率のために倫理をも踏み外した
映像を欲しがるテレビ業界の裏側と、
それを非難しながらも求める現代社会の闇に迫る。
(公式HPより)

あらすじは...

主人公ルイス・ブルーム(ジェイク・ギレンホール)は、
銅線やマンホールの蓋を盗んで売っていた。
交通事故現場を通りかかると
パパラッチ(ナイトクローラー)がビデオ撮影していて、
映像をTV局に売るのだという事を聞き出す。
自分には学歴はないが「物覚えがよく向上心がある」と、
プライドは高い。
家族も友人もおらず孤独な彼は
TVとネットで情報収集。
仕事で成功するノウハウの知識は
ネット情報で得て、
それを信じている。
持ち前の要領のよさでパパラッチを始める。
助手は「インターン」として低い給料で酷使する。
より刺激の高い映像を手に入れるために、
事件、事故現場に早く到着することだけでなく、
「事件を仕組む」一線を越えていくルイス...


端的に言うと、
道徳的に正しくないアメリカンドリーム体現者の話
です。
金のためなら
人を押しのけ利用し尽すことも何とも思わない。
『ソーシャル・ネットワーク』( デヴィッド・フィンチャー監督)
のマーク・ザッカーバーグには、
自分は富裕層の出自でないという僻みがあったけど、
彼にはハーバードに入る頭脳もハッキングの才能もあった。
仲間もいた。
しかし、ルイスには何もない。
でもプライドは高く、要領のよい小悪党。
そしてイヤなヤツ。
でも、このルイスの行動にひきつけられる。
11kgも減量して痩せたジェイク・ギレンホールの
ぎょろぎょろした目が
どんどんイっちゃった目になっていくのがスゴイ。
プロデューサーも務め
入念に役作りをして撮影に挑んだ
ジェイク・ギレンホール入魂の演技です。

監督のダン・ギルロイは、
兄のトニー・ギルロイが脚本・監督を務めた
『ボーン・レガシー』の共同脚本などを手掛けた
脚本家で、
本作が監督デビュー。
トニー・ギルロイがプロデューサーの1人、
双子の兄で映画編集者のジョン・ギルロイが編集、
妻のレネ・ルッソがTVディレクターのニーナ役。
家族制作的で低予算なインディー映画ですが
そんなことを感じさせない見応えのある作品です。

ポール・トーマス・アンダーソン監督作品を
初期から手掛け、
『ボーン・レガシー』
『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』
『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』
などの大作も手掛けている
撮影監督のロバート・エルスウィットの仕事にも注目。
夜の場面が多いのですが、
街の光の捉え方、
ルイスのカメラのライト光の捉え方が
美しく、緊張感があり、
印象深いルックを作り上げています。

カーアクションも見所です。
俳優にお金をかけていない分!?
カーアクションにはお金をかけたのではないかな。
ルイスがお金を稼ぐようになって手に入れた
赤のダッジ・チャレンジャーでのカーチェイスは
見所です。

ネット時代でTV離れが激しいアメリカの
TV視聴率競争の裏側についてや、
刺激のある映像を追い求める姿勢は
そんなに新鮮味のある展開ではないと思いますが、
非人間的な子悪党ルイスの
「道徳的に正しくないサクセスストーリー」は、
アメリカ的資本主義の現在を
写す鏡になっているのではないでしょうか。

アカデミー賞では脚本賞でノミネートされましたが、
ジェイク・ギレンホールの演技も出色です。
現代の『タクシー・ドライバー』とも言われる本作ですが、
ジェイクにはロバート・デ・ニーロや、
アル・パチーノ級の役者になって欲しいです。

アカデミー賞主演男優賞(ヒース・レジャー)、
助演男優賞ジェイクがノミネートされた
『ブロークバック・マウンテン』(2005年アン・リー監督)
から早10年。
天国のヒースもジェイクの活躍を願っていることでしょう。
(ジェイクはヒースとミシェル・ウィリアムズの娘
マチルダちゃんの後見人)
ブロークバック・マウンテン [Blu-ray]/
ヒース・レジャー,ジェイク・ギレンホール,
アン・ハサウェイ,ミシェル・ウィリアムズ



戦慄のハッピーエンドとチラシには書かれていますが、
私が想起したのは『トレイン・スポッティング』の
ラストでした。

『タクシー・ドライバー』のように後世に残る
名作かどうかはちょっと疑問ですが、
観た後何も残らないエンタメ映画ではなく、
入念にリサーチして書かれた脚本のリアリズムが、
映像の隅々にこだわって表現されていて
見応えがあり印象に残る作品です。













ジェイクの目の演技に注目です。





助手リック役のリズ・アーメットは、
オーディションで選ばれました。
使えない男を好演です。


赤のダッジ・チャレンジャーが夜のLAを疾走します。




ダン・ギルロイがアテ書きしたという
ニーナ役のレネ・ルッソが良いです。
視聴率競争に長年もまれてきた
女性ディレクターの悲しい性にリアリティーがある。


リズ・アーメット、レネ・ルッソ、
ジェイク・ギレンホール


ダン・ギルロイ、レネ・ルッソ夫妻


ジョン(映画編集者)ダン(脚本家・監督)の双子の兄弟と
兄のトニー(脚本家・監督・本作のプロデューサー)




13歳のパパラッチを追った
ドキュメンタリー映画
『ティーンエイジ・パパラッチ』
(2010年エイドリアン・グレニアー監督)
面白かったです。
ティーンエイジ・パパラッチ レンズの向こうに見える、僕の未来 [DVD]/
エイドリアン・グレニアー,
オースティン・ヴィスケデイク,パリス・ヒルトン






少し長くなりますが、
しばらくやっていなかった新作紹介をします。
ジェイク・ギレンホール出演の新作です。
先ずは日本公開が11月6日(金)の
『エベレスト3D』





↓『エベレスト3D』予告動画


↓「Everest」公式トレーラー


原題:Everest
監督:バルタザール・コルマウクル
出演:ジェイソン・クラーク
ジョシュ・ブローリン
ジョン・ホークス
ロビン・ライト
エミリー・ワトソン
キーラ・ナイトレイ
サム・ワーシントン
ジェイク・ギレンホール

サービスシーン!?
このシーンのすごい写真を見つけて
ちょっと気になるのですけどね(笑)
興味のある人は検索してみて(;^ω^A


エベレスト登山家の実話ベースもの。
これは観るか分からないなァ(^o^;)


現在日本以外では世界各地で公開中の
「Southpaw」





↓公式トレーラー


監督:アントン・フークア
出演:ジェイク·ギレンホール
レイチェル・マクアダムス
フォレスト・ウィテカー
50セント
ナオミ・ハリス

自分の浅はかな行動から
妻を死なせてしまい、
娘からも引き離された
左利きボクサーのビリーが、
再起をかけて闘う。

『ナイトクローラー』で約11kg減量したジェイクが、
6.8kgのビルドアップして臨んだボクシング映画。
これは公開されたら観たいな。

同じくアントン・フークア監督の作品で、
実話もの「The Man Who Made It Snow」
ジェイクが主演で制作。

ジェイクとフークア監督




「Demolition」



『ダラス・バイヤーズクラブ』
28日公開の『わたしに会うまでの1600キロ』の
ジャン=マルク・ヴァレ監督の新作。

出演:ジェイク·ギレンホール
ナオミ・ワッツ
クリス・クーパー

投資銀行員のデイビスが
交通事故で妻を失った後にもがくコメディー。

今年9月のトロント国際映画祭に出品され、
来年4月にアメリカで公開予定。
日本公開は来年か再来年?
でも、きっと公開されるでしょうから観たいです。


「Nocturnal Animals」

ジェイク、トム・フォード、
エイミー・アダムス


トム・フォードの映画監督デビュー作
『シングルマン』(2009年)以来の新作。
「ノクターナル・アニマルズ(原題) Nocturnal Animals」
(Nocturnal Animalsは夜行性動物の意)

出演:ジェイク·ギレンホール
エイミー・アダムス
アーミー·ハマー
アーロン・テイラー=ジョンソン
キム·ベイシンガー
マイケル·シャノン

原作はオースティン・ライトの小説
「ミステリ原稿」(原題「Tony and Susan」)
ミステリ原稿 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1647)/
オースティン・ライト


平凡な主婦スーザンのもとに、
別れた夫から届けられた謎の原稿。
それはある大学教授の人生が、
暴漢に妻子を殺されて一変し、
悲劇的な結末を迎えるというものだった。
前夫の真意を計りかねながらも
スーザンは読み進み、
しだいに不安感にとらわれていく……
二重、三重の構造が謎と恐怖を増幅する、
知的企みに満ちた野心作。
(早川書房公式HPより)

ということで、原作は未読ですが
話の内容が面白そうだし、
これがトム・フォードの美学で
どんな華麗な作品になるのか、
キャストも素晴らしいし
すごく楽しみです!
2016年公開予定。
日本公開は17年かな?
この作品がジェイク・ギレンホールの待機作の中で、
一番楽しみです。

ジェイクは
レイチェル・マクアダムス、
ナオミ・ワッツ、
エイミー・アダムスと
素敵な女優との共演が続きますね。
(みんな金髪美女だ)



もう1作デヴィッド・O・ラッセル監督が
別名義ステファン・グリーンで監督した
エロティック・コメディー「Accidental Love」
今年公開済みですが
これは散々な評価でした(゚ー゚;

出演:ジェシカ・ビール
ジェームズ・マースデン
ジェイク·ギレンホール
キャサリン・キーナー
ジェームズ・ブローリン



↓「Accidental Love」公式トレーラー



日曜日に蒲郡から川崎へ戻りました。
23日はチネチッタがサービスデーなので
帰りに観ました。
今週は『ナイトクローラー』祭かなと思い、
これでも早めに書いたつもりσ(^_^;)
GAGA配給だけど意外と公開館数は少ないですね。
ご覧になる方は多いと思うので、
差別化(笑)で新作情報を入れました。








ジェイク・ギレンホールとワンコU。・ェ・。U


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