2013年年度第66回カンヌ映画祭オフィシャル セレクションの
コンペティション部門に選出された20作品を
あらすじ、解説、動画付でご紹介します。
今回はその2。11作品と、
ある視点部門(「独自で特異な」作品がノミネートされる)
の作品のご紹介
カンヌ入り三池崇史監督、大沢たかお、松嶋菜々子の
3人だけって寂しくない!?ワーナー・ブラザーズやる気なさげ(x_x;)
3人だけって寂しくない!?ワーナー・ブラザーズやる気なさげ(x_x;)
WARA NO TATE 『藁の盾』
英題:Straw Shield / Shield of Straw
監督:三池崇史 Takashi Miike
出演:大沢たかお、松嶋菜々子、
藤原竜也、山崎努、
岸谷五朗、伊武雅刀、
永山絢斗、余貴美子、
本田博太郎
製作国:日本
ストーリー:
孫娘を惨殺された政財界の大物・蜷川隆興が、
犯人の首に10億円の懸賞金を懸けた。
警視庁警護課SPの銘苅と白岩は、
福岡で自首した容疑者・清丸国秀を
警視庁まで護送する任務を命じられる。
人気漫画「BE-BOP-HIGHSCHOOL」の木内一裕が
手掛けた同名小説を映画化したサスペンスアクション。
重厚なテーマを内包しつつも三池崇史監督が
エンターテインメント作品として仕上げ、
10億円の懸賞金が懸かった凶悪犯を
護送することになったSPたちの過酷な戦いを描き出す。
本映画祭コンペ部門は過去に『一命』出品の経験もある三池監督、
自身の得意なジャンルの作品を出品したことで
栄光を勝ち取れる可能性も大きい。(←大いにギモンby私)
動画↓
The Life of Adele ザ・ライフ・オブ・アデル
別英題:Blue Is the Warmest Color ブルー・イズ・ザ・ウォーメスト・カラー
原題:La Vie d'Adèle - CHAPITRE 1 & 2 (Le bleu est une couleur chaude)
監督:アブドゥラティフ・ケシシュ Abdellatif Kechiche
出演:レア・セドゥ、アデル・エグザルチョプーロス
製作国:フランス
ストーリー:
愛する人と出会うことを夢見る15歳の少女アデルは、
ボーイフレンドとのデート中に青い髪の女を見掛け、
それが運命の出会いだと感じる。
そしてアデルは青い髪の女、エマと愛し合うことで女となり、
大人になっていく。
長編3作目の
『ラ・グレーヌ・エ・ル・ミュレ(原題) / La graine et le mullet』で
ベネチア国際映画祭審査員特別賞、
セザール賞監督賞を受賞したチュニジア系フランス人の
アブデラティフ・ケシッシュ監督。
長編5作目の本作でカンヌ国際映画祭初参加となる。
繊細で刺激的な作風のケシッシュ監督が取り上げるのは、
フランスのコミックを原作にした同性愛に目覚める少女の物語。
少女にとっての運命の女を
『マリー・アントワネットに別れをつげて』(←クリックで私のレア・セドゥ主演の
ウェス・アンダーソン&ローマン・コッポラが監督した動画有りの記事読めます。)
のレア・セドゥが演じる。
動画↓
The Past ザ・パスト
原題:Le Passé
監督:アスガー・ファルハディ Asghar Farhadi
出演:ベレニス・ベジョ、タハール・ラヒム、
ババク・カリミ、 アリ・モサファ、
ポリーヌ・ビュルレ
製作国:フランス
ストーリー:
フランス人の妻マリーと別れて4年、
テヘランに住むアフマドは正式な離婚手続きを取るために
パリへと戻ってくる。
マリーと娘ルーシーの不和に気付いたアフマドは
仲を取り持とうとするものの、
思いがけず過去の秘密が暴かれてしまう。
前作『別離』(2011)でベルリン国際映画祭金熊賞や
アカデミー賞外国語映画賞など、
世界中の映画賞を席巻したイランのアスガー・ファルハディ監督。
新作は国籍の異なる家族が登場する複雑な心理ドラマで、
夫婦をメインにイラン社会の縮図を描いた『別離』を思わせる内容。
国際的地位を高めたファルハディ監督がフランスでメガホンを取り、
『アーティスト』のベレニス・ベジョや
『預言者』のタハール・ラヒムが出演していることにも注目だ。
動画↓
Nebraska ネブラスカ
監督:アレクサンダー・ペイン Alexander Payne
出演:ブルース・ダーン、ウィル・フォーテ、
ステイシー・キーチ、ボブ・オデンカーク、
デヴィン・ラトレイ、ランス・ハワード
製作国:アメリカ
ストーリー:
酒ばかり飲んでいる初老のウッディだったが、
雑誌の宝くじで100万ドルが当選。
当選金を受け取るためにモンタナからネブラスカへ行くウッディに、
疎遠になっていた息子のデイヴィッドがしぶしぶ付き添うことになる。
『サイドウェイ』『ファミリー・ツリー』で
アカデミー賞脚色賞に輝いたアレクサンダー・ペイン監督の新作は、
アルコール中毒の頑固おやじと息子の旅を
モノクロ映像でつづるロードムービー。
ペイン監督がカンヌ国際映画祭のコンペ部門に登場するのは、
2002年の『アバウト・シュミット』以来2度目。
クセのある父親を演じる『ジャンゴ 繋がれざる者』
などのブルース・ダーンの演技も見どころとなりそう。
動画↓
Only God Forgives オンリー・ゴッド・フォーギヴズ
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン Nicolas Winding Refn
出演:ライアン・ゴズリング、クリスティン・スコット・トーマス
ヤーヤーイン、ゴードン・ブラウン
製作国:フランス / デンマーク
ストーリー:
アメリカからバンコクに逃亡中のジュリアンは
ボクシングジムを運営しながらドラッグの売買をしている。
ある日、弟のビリーが殺され、
犯罪組織のボスである母親のクリスタルが激怒。
ジュリアンは復讐(ふくしゅう)するように命じられる。
『ドライヴ』のニコラス・ウィンディング・レフン監督と、
主演のライアン・ゴズリングが再びタッグを組んだクライムスリラー。
ゴズリングのほか、
『サラの鍵』『べラミ 愛を弄ぶ男』
の演技派女優クリスティン・スコット・トーマスが出演。
カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した『ドライヴ』で
批評家に絶賛されたレフン監督だが、
新作もそのクールな映像センスが生きる犯罪映画とあって
期待値もかなり高い。
この作品は私の記事で既に紹介しました↓画像もあるのでリンクはりました。
クリックでどうぞ↓
『L.A.ギャングストーリー 』ネタバレ!?感想/
R・ゴズリング Only God Forgives
動画↓
Only Lovers Left Alive オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ
監督:ジム・ジャームッシュ Jim Jarmusch
出演:トム・ヒドルストン、ティルダ・スウィントン、
ミア・ワシコウスカ、ジョン・ハート、
アントン・イェルチン、ウェイン・ブリンストン
製作国:アメリカ
ストーリー:
アンダーグラウンドのミュージシャンでバンパイアの
アダムは人間たちの行動を憂えていた。
そんなとき、生気あふれる恋人イヴが再び現れる。
二人は何世紀にもわたって愛し合ってきたが、
二人の関係は堕落し切っていた。
そして、イヴの狂気じみた妹アヴァが登場したことで、
二人の愛は崩壊へと向かう。
1984年の『ストレンジャー・ザン・パラダイス』
でカメラドールを受賞、
2005年の『ブロークン・フラワーズ』で
審査員特別グランプリに輝くなど、
カンヌ国際映画祭の常連ともいえるジム・ジャームッシュ監督。
はやりのバンパイア映画も
インディーズ映画の名匠ジャームッシュが撮るとなると
一筋縄ではいかない。
音楽、さらにはアメリカのデトロイトや
モロッコのタンジールなど、
世界各国でロケを行ったというビジュアルも気になるところだ。
これも既に紹介しました。
ジム・ジャームッシュのアングラ・ロック・ヴァンパイア映画(なんだそりゃ)って、
私的にはソートー楽しみ
動画↓
A Touch of Sin ア・タッチ・オブ・シン
原題:Tian Zhu Ding / 天注定
監督:ジャ・ジャンクー(賈樟柯) JIA Zhangke(Jia Zhang Ke)
キャスト:チアン・ウー、チャオ・タオ
製作国:中国 / 日本
製作会社:オフィス北野
ジャ・ジャンクー監督の
プラットホーム (站台、2000年)
青の稲妻 (任逍遥、2002年)
世界 (世界、2004年)
長江哀歌 (三峽好人、2006年)
四川のうた (二十四城記、2008年)は、オフィス北野が製作している。
ストーリー:
四つの町を舞台に主人公も4名というスタイルで、
各自が何かしらの問題に直面し、
解決を試みるという四つのストーリーが展開される。
本映画祭の出品歴に『青の稲妻』『四川のうた』がある
中国のジャ・ジャンクー監督が、野心作で勝負に出る。
「言葉では言い表せないストーリー」だと公言し、
これまでのイメージを一新して
武侠(ぶきょう)映画へのオマージュとして、
初のアクションシーンにも臨んだという。
なお監督作の常連で、
本国では御用達女優と表現されるチャオ・タオと昨年、結婚。
公私共にパートナーとなり気合も十分に、改めて大舞台に臨む。
動画↓
A Castle In Italy ア・キャッスル・イン・イタリー
原題:Un château en Italie
監督:ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ Valeria Bruni Tedeschi
出演:ルイ・ガレル、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、
グザヴィエ・ボーヴォワ、フィリッポ・ティーミ、
アンドレ・ウィルムス、マリー・リヴィエール
製作国:フランス
ストーリー:
ある男女の出会いと夢、そして兄弟、病気、彼らの母親の物語。
イタリアのブルジョワジー階級の実業家一家の運命について、
家族の崩壊と上流階級の没落、愛の始まりが描かれる。
『華麗なるアリバイ』などに出演する女優で、
フランス元大統領夫人のカーラ・ブルーニの実姉でもある
ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ監督。
長編監督作3作目となる本作は、
イタリアのブルジョワジー出身である彼女の家族を描いた作品で、
自ら主演を務める。
前作『アクトリス(原題) / Actrices』で
カンヌ国際映画祭ある視点部門審査員特別賞を受賞。
初のコンペ参戦であり、
コンペ中唯一の女性監督としての注目度も高い。
動画↓
Michael Kohlhaas ミヒャエル・コールハース
監督:アルノー・デ・パリエール Arnaud des Pallières
出演:マッツ・ミケルセン、ブルーノ・ガンツ、
ポール・バーテル、メリュジーヌ・マヤンス、
ダーヴィット・ベネント、デヴィッド・クロス、
ドニ・ラヴァン、セルジ・ロペス
製作国:フランス / ドイツ
ストーリー:
16世紀のフランス。
実直な馬商人のミヒャエル・コールハースは
家族と幸せに暮らしていた。
ある日、領主に2頭の馬を抵当に取られた上に
不当な目に遭わされたことから、
正義を訴えるために立ち上がる。
18世紀ドイツの劇作家クライストの
「ミヒャエル・コールハースの運命」を基にした歴史ドラマ。
『偽りなき者』でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞したマッツ・ミケルセンに、
『ホーリー・モーターズ』のドニ・ラヴァンや
『ブリキの太鼓』のダーヴィット・ベネントなど
多彩なキャストが集結。
監督のアルノー・デ・パリエールは
『パーク(原題) / Parc』がストックホルム国際映画祭コンペ部門に
ノミネートされた経験もあり、本作で4作目となる俊英だ。
これは、マッツ・ミケルセンがカッコイイ
動画↓
The Immigrant ジ・イミグラント
旧英題:Lowlife
監督:ジェームズ・グレイ James Gray
出演:ジェレミー・レナー、マリオン・コティヤール、
ホアキン・フェニックス、ダグマーラ・ドミンスク、
アンジェラ・サラフィアン、アントニー・コローネ
製作国:アメリカ
ストーリー:
アメリカ、ニューヨーク。
ポーランド移民のエバはバーレスクだけでは
妹の薬代を稼ぎだせず、体を売る決意をする。
そんな彼女の前に、売春あっせん人のいとこだというマジシャンが現れ、
姉妹に救いの手を差し伸べるが……。
今回は移民女性の苦難を脚本にしたという
ジェームズ・グレイ監督が、
ポーランドからアメリカンドリームを夢見て
米国に渡った移民女性と、彼女に関わる2人の男性を描く。
本作で4度目のコラボレーションとなる
ホアキン・フェニックスを起用、
ヒロインを苦しめる売春あっせん人を演じている。
豪華キャストによる社会派ドラマとしても注目されること必至。
この映画も私は昨年秋よりご紹介しています。
この作品のトレーラーが見つからなかったので、
投稿されたらUPします。
とりあえず、ジェームズ・グレイ監督、ユアン・マクレガー主演の
シトロエンのCM動画をどうぞ。ユアンがおちゃめデス
ジェレミー・レナーのサタデー・ナイト・ライブ(SNL)での、
芸達者ぶりをどうぞ。彼はミュージシャンとしても活動しているので、
歌も楽器も上手いですよ
Venus in Fur ヴィーナス・イン・ファー
原題:La Vénus à la fourrure
監督:ロマン・ポランスキー Roman Polanski
出演:マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエ
ストーリー:
オーディションでお粗末な演技ばかりを見せられた
演出家のトーマスの前にヴァンダという女優が現れる。
ガツガツしていて下品なヴァンダは、
まさにトーマスの嫌悪するタイプ。
ところがチャンスを与えてみたところ、
ヴァンダの変身ぶりにトーマスは驚がくする。
ロマン・ポランスキーの新作は、
マチュー・アマルリックと
自身の妻エマニュエル・セニエ出演のエロティックコメディー。
『おとなのけんか』と同じく舞台の映画化で、
原案はマゾヒズムの語源となった
マゾッホの小説にインスパイアされた二人芝居
「ヴィーナス・イン・ファー」。
2002年の『戦場のピアニスト』で
パルムドールを獲得したポランスキー監督だが、
ライバルも強力なだけに混戦必至。
この作品も、トレーラーが見つからなかったので、
今後投稿されたらUPします。
ある視点部門の審査委員長は
『光のほうへ』←大好きな作品。
『偽りなき者』←昨年マッツ・ミケルセンが、
カンヌ国際映画祭主演男優賞を受賞。
などのトマス・ヴィンターベア監督です。
オープニング作品を含め18作品が出品されています。
ある視点部門のオープニング作品は、
The Bling Ring ザ・ブリング・リング
監督:ソフィア・コッポラ Sofia Coppola
エマ・ワトソン主演
動画↓
Fruitvale Station フルーツヴェイル・ステーション
旧英題:Fruitvale
監督:ライアン・クーグラー Ryan Coogler
出演:マイケル・B・ジョーダン、オクタヴィア・スペンサー、
メロニー・ディアス、他
製作国:アメリカ
2013年(第29回)サンダンス映画祭グランプリ(USドラマ部門)
・観客賞(USドラマ部門)の2賞を受賞している作品です。
長編映画の初監督作でカメラ・ドール対象作品です。
動画↓
As I Lay Dying アズ・アイ・レイ・ダイイング
監督:ジェームズ・フランコ James Franco
出演:ジェームズ・フランコ、ローガン・マーシャル=グリーン、ダニー・マクブライド
製作国:アメリカ
脚本:ジェームズ・フランコ
原作:ウィリアム・フォークナー William Faulkner
「死の床に横たわりて」(As I Lay Dying)
母のなきがらを終の棲家まで運ぶ悩みに満ちた家族の旅。
動画↓
あと15作品ありますが、
興味がある方は公式HPなど見て下さいね。
前回の簡単過ぎる!?クイズの答えはこの方でした↓
↑ソフィア・ローレン、アラン・ドロン、ロミー・シュナイダー
1962年のカンヌ映画祭
1962年のカンヌ映画祭
ふ~なんとかやり遂げました~(^_^)v
20日に発行された「Screen's dailies」に載っている
星取り表では、(4点満点)
・ジミー・ピー:サイコセラピー・オブ・ア・プレーンズ・インディアン
監督:アルノー・デプレシャン
2
・エリ
監督:アマト・エスカランテ
1.6
・ザ・パスト
監督:アスガー・ファルハディ
2.8
・ア・タッチ・オブ・シン
監督:ジャ・ジャンクー
3
・そして父になる
監督:是枝裕和
2.5
・ボーグマン
監督:アレックス・ファン・ヴァーメルダム
2.1
・インサイド・ルウェイン・デイヴィス
監督:ジョエル&イーサン・コーエン
3.3
これは、各国の雑誌記者が投票しているので、
審査員がどう評価するかはまた別ですが、
評価が激しく違ってくることはないのでは?
今年のコンペティション部門は、
常連さんいらっしゃいなラインナップ。
そして、スピルバーグが審査委員長。
予想オッズでは、『そして父になる』
上位にきていますのでパルムドールあるかもしれませんョ。
記事を書くのに各作品の解説はシネマトゥデイより、
作品データはカンヌ映画祭公式HPを参照しました。
そして父になる 福山雅治主演カンヌ映画祭で好評!
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