『また逢う日まで』
1950年製作 東宝
日本映画
監督 今井正
脚本 水木洋子 、 八住利雄
製作 坂上静翁
撮影 中尾駿一郎
美術 河東安英
音楽 大木正夫
録音 下永尚
照明 平田光治
編集 長沢嘉樹、加藤八重子
出演:
田島三郎 岡田英次
小野螢子 久我美子
田島英作 滝沢修
田島二郎 河野秋武
田島正子 風見章子
小野すが 杉村春子
学生 林孝一
学生 大泉滉
ピアノを弾く学生 芥川也寸志
近所の奥さん 南美江
学生 芥川比呂志
学生 近藤宏
田中栄三
大町文夫
河崎竪男
高野二郎
石島房太郎
榊田敬二
望月伸光
軍医 勝本圭一郎
千葉一郎
渋谷英雄
今泉廉
すがの友人 戸田春子
一萬慈多鶴恵
ロマン・ロランの反戦小説『ピエールとリュース』を
水木洋子と八住利雄が翻案・脚色し、
今井正画監督した恋愛映画である。
戦時下における若者たちの悲劇を描き、
戦争の残酷さを訴えている。
主演の岡田英次と久我美子によるガラス越しのキスシーンは、
日本映画史における名シーンとして有名である。
(ウィキより)
超簡単なあらすじはこんな感じです。
(注意!ネタバレしてます。)
(防空壕と私は思ったのですが、
あれは地下鉄のホームだったのですか?)
で、知り会ったぼんぼんの厭戦学生三郎(滅多にいそうにない二枚目)と
貧乏な画家の螢子(滅多にいそうにない美女)が恋に落ちます。
螢子は三郎と待ち合わせていた駅への空襲で、
三郎は学徒出陣で、
それぞれ命を落とします。
あまりに有名な作品なので、
ご覧になってみえる方も多いでしょうね。
私は今回初めて観ました。
いや~これ、
想像以上に甘いメロドラマで驚きました(+_+)
1950年度のキネマ旬報ベストテン第1位、
毎日映画コンクール日本映画大賞、
ブルーリボン賞作品賞などを受賞
と、大変評価の高い(高かった)作品です。
で、どんなに凄い作品かと期待して観たのですが...
私が王道のメロドラマにあまり興味がないからか?
う~ん...
メロドラマで反戦を訴えたのが評価されたのでしょうか?
でも、私はなんだか冷めて観ていました。
会ったことのない私の祖父も
若くして出征し、亡くなっているのですが。
伝説の「ガラス越しのキス」のことは知っていましたが、
作品を観たのは今回が初めてでした。
で、問題のキスシーンですが、
「ガラス越しのキス」以外にも、
普通のキスシーンがやたらと多かったです(笑)
こんなにキスシーンが大安売りとは思っていませんでしたョf^_^;
三郎のぼやき心理的な独白が、
多用されているのですが、
これがちょっとうるさすぎに感じました。
誰にでも分かりやすいようにという狙いなのかなァ。
まあ、私に観る目がないのでしょうけれども、
この作品が時代を越えて人の心を揺さぶる
傑作であるとは思えませんでした。
(うわ~アブナイ発言((>д<)))
ちなみに良いなあと思ったところもありました。
空襲の描写は結構リアルでしたし、
カメラも良いなあと(←エラそうf^_^;)
三郎は法務官(裁判官)の息子なのですが、
この父親が滝沢修さんで
佇まいだけでも威厳がありまして、
息子(次男の二郎)の死に目に会う事より、
職務の遂行を選ぶ冷徹さを完璧に演じています。
『原爆の子』←クリックで私の記事
の、孫と暮らすことだけを夢見て生きがいにしている、
岩吉爺さんとは真逆な役。
これを見たばかりだったので、
う~ん、滝沢先生の演技はやはり素晴らしいなあ(←当たり前すぎ)
と感動しました。
それから、螢子(久我美子)の母親すが役の、
杉村春子先生の凛としていながら慈愛のある演技、
これも流石で素晴らしく、(←当たり前すぎ)
感動しました。
↑これは翌年1951年の成瀬巳喜男監督『めし』の杉村さん
学生の大泉滉さんもユーモアのある役で楽しかったです。
学生たちが駄弁ってる所で、
ピアノを弾いている学生の運指が「これ、プロ!」と思ったら、
芥川也寸志さんでしたから、当たり前ですね。
芥川比呂志さんと兄弟で出演でした。
これ、娘(大学1年18歳)と観に行きました。
芥川龍之介の小説が好きだったりするし、
大学生になってからは私より名画座通いして、
古い映画たくさん観ています。
感覚が今の若い皆さんとズレてるのでは?
と思う節がありますが、観終えて、
「なにこれ!?キスシーン多過ぎ。
キスシーンたくさん入れろと
GHQに指導されたんじゃないの?
岡田さんの独白の台詞もうるさいし。
滝沢さんと杉村さんは良かったなあ。
(親子で同じ感想かい!)
私は『カルメン故郷に帰る』の方がいいな。
サービスシーンも結構あるけど、内容も良くて面白いもん。」
って、なんでそこでカルメンか、
という気もしますが。
木下惠介監督もGHQからの指導を
度々受けていますが、
それを上手く利用していたりします。
『新釈四谷怪談』(1949年)は、
なぜ「新釈」が付いているか。
GHQから「幽霊」は非合理的だからダメといわれ、
お岩の「幽霊」を、
伊右衛門の良心の呵責からの「妄想の幻影」として
描いたからです。
『また逢う日まで』は、
メロドラマ好きの方には、
今でもグッと来るのでしょうか。
私が非ロマンチストなうえに、
鈍感なのかなァ。
『また逢う日まで』は『私は貝になりたい』1959年映画版と
2本立てでした。
一緒に書こうと思っていましたが、
また長くなるので、次にします。
映画は観ていてブログを書くネタはあるのですが、
書く気力が夏バテ~。(´д`lll)
更新が減っています(><;)
しっかり更新してみえるみなさんを見倣わないと。
また逢う日まで [DVD]/
岡田英次,久我美子,滝沢修
木下惠介生誕100年 「カルメン故郷に帰る」 [DVD]/
高峰秀子,小林トシ子,井川邦子
木下惠介生誕100年 「新釈 四谷怪談(前・後篇)」<2枚組> [DVD]/
上原謙,田中絹代,滝沢修