『聖獣学園』
1974年 製作 日本映画(東映)
Convent of the Sacred Beast
School of the Holy Beast
↓予告動画
監督 鈴木則文
脚本 掛札昌裕 、 鈴木則文
原作 鈴木則文 、 沢田竜治
企画 高村賢治
撮影 清水政郎
美術 中村修一郎
音楽 八木正生
録音 長井修堂
照明 桑名史郎
編集 田中修
助監督 岡本明久
スチール 加藤光男
出演:
多岐川魔矢 多岐川裕美
石田松子 山内えみ子
北野久子 渡辺やよい
中上ミカ 大谷アヤ
渡辺洋子 城恵美
丘珠枝 田島晴美
ジャネット マリー・アントワネット
小野塚薫 織部ゆう子
中川道代 石田なおみ
玉木季子 美和じゅん子
水城良子 大堀早苗
村越清江 村松美枝子
冬木めぐみ 謝秀客
天野君子 木挽輝香
太田淳子 鈴木サチ
小島紀久 竹村清女
高波美恵 早乙女りえ
上坂冬江 谷本小代子
松村定子 三原葉子
小笠原綾 森秋子
菅野さち 山本緑
ナタリー 衣麻遼子
柿沼信之 渡辺文雄
篠原美智子 根岸京子
北野恵子 木村弓美
村川神父 木村修
田中 田中小実昌
政美 小林千枝
みどり 章文栄
亀田辰平 太古八郎
青木健太 谷隼人
修道尼だった母親の死因を探るために、
母がいたセントクルス修道院の
肋修女となった多岐川魔矢(多岐川裕美)。
この修道院は厳しい戒律を謳い、
肋修女には厳しい作業や修行をさせているが、
影には色欲、出世欲、金にまみれた
背徳と陰謀渦巻く世界があった。
リンチや魔女狩りのドギツイ描写もある、
ヴァイオレンス復讐劇。
原作は、鈴木則文・作、沢田竜治・画の劇画。
則文監督がこの作品のヒロインを探して
自らスカウトした多岐川裕美のデビュー作。
多岐川さん、
谷隼人との濡れ場や、
茨で縛られるリンチシーンなどで
ガッツリヌードになっています。
まだあどけない少女の面影もあって、
カッコイイというより可愛いです。
2本立てだった『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』の
池玲子さんは超カッコ良くて色気がありますが、
多岐川さんは可愛らしく生意気で芯が強い少女のイメージ。
今だったら、二階堂ふみちゃんがちゃんと脱ぐ感じかな?
この作品、鈴木則文追悼上映のチラシに、
「ヨーロッパでは即上映中止になった。」
と書いてあります。
キリスト教の神に挑戦してるのです。
渡辺文雄さん演じる柿沼司祭は、
立場を利用して金にも女にも汚い悪徳司祭です。
愛など幻想だと言う。
彼は長崎の原爆で被爆し
背中に大きなケロイドがあります。
原爆被爆の地獄の中でも、
アウシュビッツでも、
人々は現れることのない神を待ち続けた。
神の救いを待った人々の前に
神は現れなかった。
人を救うために神が現れたことが、
人間の歴史に一度でもあったか?
自分はその神を待ち続けていると言います。
長崎原爆投下時の悲惨な画像も流れます。
柿沼司祭は、神に背く行為をしながら
復讐するように神をひたすら待っている。
これは神への信仰に対する挑戦的表現です。
多岐川魔矢は、自分の父が
柿沼司祭だと知ることになります。
そして、母のために復讐します。
『オールド・ボーイ』『私の男』の
近親相姦も越えた表現だと思います。
ペドロ・アルモドバル監督の
『バチ当たり修道院の最期』
『バッド・エデュケーション』も
ビックリな修道院表現ですよ。
同じ時期に撮られている、
ホドロフスキー監督の
『エル・トポ』『ホーリー・マウンテン』と
シンクロするのが面白いです。
エロ、グロ、金(お金)、
デザイン、色彩へのこだわり
そして「うんこ」まで...
鈴木則文監督は東映のプログラムピクチャーの中で、
作っていたのがやはり凄いですね。
ホドロフスキー監督は結局、
準備に膨大な予算と時間を使った『DUNE』を、
結局自分の手で撮ることができませんでした。
(そして彼は現在もコミックの原作を書き続けています)
則文監督は原作劇画『聖獣学園』を書き(沢田竜治・画)
映画化もしました。
(エロ・グロ、うんこにこだわる
パワフル監督、ポール・バーホーベンもいた)
可愛らしいルックスです。
でも、魔矢の性格はクールで芯があります。
茨で縛られちゃう過激なシーンも!
サービス満点(〃∇〃)
『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』←クリック
に、『聖獣学園』ライクな尼僧の殺し屋チームが出てきて、
2本続けて観たのでありゃ~っこっちにも!
っておかしかったです( ´艸`)
また、『聖獣学園』は相当どろどろした世界も描いていますが、
太古(たこ)八郎さんと谷隼人さんは笑える役で面白い。
終盤はかなり壮絶な展開ですが、
ラストは清々しいんです。
『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』と
『聖獣学園』2本立て、
テイストは違うけど、
則文監督のエンタメ性を満喫しました。
こんな濃い映画を観た後だったので、
昨日観た、
ウルリヒ・ザイドル監督の「パラダイス3部作」
『パラダイス:愛』『パラダイス:神』『パラダイス:希望』
は、サクッと軽く観ました。
『パラダイス:神』も、
ふーむ、倒錯したキリストへの愛も、
これくらいなら上映中止にはならないのだナ。
と、妙な!?納得をしてしまったf^_^;
渡部亮平監督応援しています
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