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アメリカンレガシー 感想 リバー・フェニックスの完成した遺作。鬼気迫る演技。サム・シェパード監督

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『アメリカンレガシー』
Silent Tongue
1993年製作 アメリカ映画
ユーロスペースで鑑賞


リバーとサム・シェパード





カメラを覗くサム・シェパード


↓トレーラー




監督:サム・シェパード
製作:キャロリン・ファイファー
   ルディ・ボーケン
脚本:サム・シェパード
撮影:ジャック・コンロイ
美術:ケイリー・ホワイト
編集:ビル・ヤーラウス
音楽:パトリック・オーハーン

キャスト:

リチャード・ハリス
アラン・ベイツ
ダーモット・マローニー
リバー・フェニックス

馬商人のプレスコット・ロー(リチャード・ハリス)は
旅回りのサーカスの団長(アラン・ベイツ)と
インディアンの女性サイレント・タン
(嘘をついたとチーフに舌を切られた後呼ばれた名。
これが原題のSilent Tongue)
の混血の娘アウボニーを馬三頭と交換で買いました。
彼女はプレスコットの息子タルボット(リバー・フェニックス)
と結婚し、お産の時に亡くなりました。
タルボットは妻の遺体を木に括り付け、
側でたき火をして飲食もせずに見守っています。
妻の魂はゴーストとなって現れ、
早く自由にしてくれと、
何度となく彼を襲います。
彼は狂気の域に入っていて、
遺体を離しません。
このままでは息子が死んでしまうと、
プレスコットは団長のもう一人の娘ベラダを譲ってくれと交渉に来ます。
団長は好条件を切り出され承知しますが、
ベラダの異母兄(ダーモット・マローニー)に反対され、
プレスコットは仕方なくベラダを誘拐します...


さあ、昨日はユーロスペースに初日の『アメリカンレガシー』
観に行ってきました。

この作品は日本では1993年の東京国際映画祭で上映されただけで、
劇場公開されずにビデオ発売されました。

私は永遠のリバーファンですが、
生きている俳優ではサム・シェパードが一番好き。
作家、アーティストとしても尊敬しています。
彼は戯曲「埋められた子供」でピューリツァー賞も受賞しているし、
戯曲をたくさん書いています。
映画の脚本(『パリ、テキサス』『フール・フォア・ラブ』
『アメリカ、家族のいる風景』など)
作家でもミュージシャンでもあります。
映画監督としては2本撮っています。
若い頃にパティ・スミスとも付き合っていたし、


女優のオーラン・ジョーンズと離婚後は、
ジェシカ・ラングと長く暮らしていたけど(1982年~2009年)
別れました。


根が風来坊な人で、
私が惹かれるタイプですが、
こういう人と暮らすのはキツイと思います。
私は自分が根が風来坊タイプなので分かります(笑)

あ、『アメリカンレガシー』に話戻します。

冒頭で、
リバーが妻の亡骸を木に括り付け、
ライフルを抱えて焚火をし、
飛んできた鳥を撃ってその羽をもぎ、
妻の遺体の上に載せ、彼女の腐りかけた顔にキスします。
この時の彼の狂気が入った行動、表情、悲しい目が、
なんとも衝撃的で切ないです。セリフはありません。

私はこの作品のセルビデオを持っています。
ビデオのパッケージ写真↓



この↑写真のリバーはプラチナブロンドに髪を染めていますが、
この容姿では映画に出てきません。
(なんでこの写真が使われたのかは分かりません。
カッコイイから!?)
この髪はガス・ヴァン・サント監督の
アンディー・ウォーホルの伝記映画のウォーホル役のためにしていたもの。
この企画は実現しませんでした。
『アメリカンレガシー』でのリバーは汚いです(・・;)
日焼け&土埃で肌はガビガビで超汚く、
衣服もぼろぼろです。
狂気の世界に入ってしまったタルボットを、
鬼気迫る演技で見せてくれます。
『ダーク・ブラッド』でのリバーは見た目普通だけど、
内面は狂気を孕んだ危うさを演じているので、
これは『アメリカンレガシー』で、
タルボットを演じた経験が活かされているでしょう。
このリバーのタルボットの演技は
近年のレオナルド・ディカプリオの演技に
通ずるものを感じます。
レオはリバーの影響を消したと言われてるけど、
そうでもないなあと改めて思ってしまいましたョ。
レオのファンには申し訳ないですけど。







上にあるトレーラーは結構BGMが騒がしくて、
ドラマティックに作ってありますが、
映画本編はもっと静かでアート系です。
リチャード・ハリスとアラン・ベイツなんて渋い実力派ですしね。
サイレント・タンの過酷な人生が底辺に流れているし、
アウボニーの亡霊は自由を求めて
プレスコット父子や、妹の前に現れ、襲いかかりもします。
ちょっとコワイですよ。
インディアンの魂への尊厳と畏怖を込めた
アプローチの仕方は独特です。
西部劇ではありますが、
とても風変わりで作家性の強い作品です。
レビューを検索していたら、
なんとローリング・ストーン紙のピーター・トラバース氏の
レビューがありまして。
ピーター・トラバースさんご存知ない方はここ←クリック
このレビュー読んだらもう自分が書こうという気力失せます(゚_゚i)
興味のある方はここ←クリック


リチャード・ハリスとリバー



ダーモット・マローニーとリバーはこの作品と同じく
1993年公開の『愛と呼ばれるもの』でも共演してます。


後列ダーモット、サンドラ・ブロック、リバー
前はリバーの最後の彼女で、
この共演でサンドラと親友になったサマンサ・マシス


『アメリカンレガシー』は、
作品としては映画を見慣れた人向け。
(作家としてのサム・シェパードファンにも)
分かりやすい作品ではないです。
主演はリチャード・ハリスで、
リバーではありませんが、
リバーファンにとっては必見の演技です。
(言わなくても観るし、観てるよねf^_^;)
『ダーク・ブラッド』を観た
リバーファン以外の方にもおススメです。


主演のリバーの素晴らしい演技が堪能できる、
ガス・ヴァン・サント監督の
『マイ・プライベート・アイダホ』
私のブログトップの写真はいつもこの映画からです。
これも内容的にはショッキングと言えばショッキングですが、
ご覧になっていない方はぜひどうぞ。
私もこの作品をまたスクリーンで観られるとは、
なんたる幸せ~で、超楽しみですо(ж>▽<)y ☆
17日から同じユーロスペースで公開。
前売り千円で会員料金よりお得です。


昨日は同じくユーロスペースで初日の
『シンプル・シモン』も観てきました。
とっても面白い映画でした。次はこれ書きます。


『かしこい狗は、吠えずに笑う』

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