時光バックナンバー2005年シネマ★アジア15号
『わが家の犬は世界一』
『わが家の犬は世界一』
中国映画 2002年製作
2005年日本公開
監督・脚本:ルー・シュエチャン(路学長)
出演:グォ・ヨウ
ディン・ジャーリー
1994年、北京市は犬の飼育の厳重制限を決定。
翌1995年5月1日より一斉取締りが始まった。
無登録だった愛犬カーラを警察に取り上げられた
冴えない中年労働者の主人公ラオ(グォ・ヨウ)は
登録料5000元(当時で約7万円)が払えないため
なんとか家に連れ戻そうと四苦八苦。
1994年にチャン・イーモウ監督の『活きる』で
主人公福貴(コン・リーの夫役)を演じ、
カンヌ国際映画祭で男優賞受賞したグォ・ヨウ↓
若い頃から老年期まで演じた
コン・リーとグォ・ヨウ
活きる 特別版 [DVD] 3,024円 Amazon |
↑写真はコン・リーがフィーチャーされていますが、
主人公はグォ・ヨウです。
1994年第47回カンヌ映画祭
(クリント・イーストウッド審査員長)
ではグランプリと男優賞(グォ・ヨウ)受賞。
オススメ作品です。
(パルムドールは『パルプ・フィクション』でした)
『わが家の犬は世界一』ではグォ・ヨウは
ダメな父さんをペーソスたっぷりに見せてくれました。
いわゆる「犬映画」ではないです。
「犬の登録」と「取り締まり」という新しい制度を巡って
北京の庶民のリアルな暮らしを面白く描いています。
ルー・シュエチャン監督とグォ・ヨウ
ルー・シュエチャン監督は
中国第6世代(ロウ・イエ、チャン・ユアン、
ジャ・ジャンクー、ワン・シャオシュアイなど)
を代表する監督の1人でしたが
残念なことに2014年49歳で病気により急逝しました。
葬儀にはロウ・イエ、ワン・シャオシュアイ、
田壮壮、グォ・ヨウらが参列したそうです。
『ヒトラー 〜最期の12日間〜』
2004年製作 ドイツ映画
2005年日本公開
監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
出演:ブルーノ・ガンツ
アレクサンドラ・マリア・ララ
トーマス・クレッチマン
ヒトラーを人間として描くことは
長い間タブーでした。
本作も製作当時は
「ヒトラーが人間的に描かれている」と
物議を醸しました。
ブルーノ・ガンツはヒトラーとは似ていないけど
この作品ではルックスも似せていました。
非人間的なステレオタイプでない
深みのある人物造形でした。
私はゲッベルスと夫人が子どもたちに
毒を飲ませるシーン、
少年・少女兵たちの最期、
ヒトラーの側にいた者たちの投げやりな堕落など
今でも強く印象に残っています。
私の好きなアレクサンドラ・マリア・ララが
本作の元になった証言と回想録
(「私はヒトラーの秘書だった」)
私はヒトラーの秘書だった Amazon |
を書いたヒトラーの個人秘書官トラウデル・ユンゲを演じています。
『ヒトラー 〜最期の12日間〜』
『日本のいちばん長い日』(岡本喜八版)と
見比べるのも一興かも。
日本のいちばん長い日 [東宝DVD名作セレクション] 2,700円 Amazon |
オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督は
2015年に『ヒトラー暗殺、13分の誤算』を発表。
日本では昨年公開されました。
(劇場鑑賞しました)
オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督はドイツで撮った映画
『es[エス]』
『ヒトラー 最期の12日間』
『ヒトラー暗殺、13分の誤算』
は、見応えある力作です。
es[エス] [DVD] 4,104円 Amazon |
ヒトラー 最期の12日間 [DVD] 1,234円 Amazon |
ヒトラー暗殺、13分の誤算 [Blu-ray] 5,184円 Amazon |
『インベージョン』『ダイアナ』と
ハリウッド、イギリスで撮った映画もありますが…
それでだけで判断しないで(苦笑)
上記の3作をご覧になっていなければ
観てみてくださいね。
ちなみに『ヒトラー 〜最期の12日間〜』は
シネマ★アジアの上映作品ではありませんが、
↑に載せた会報の「映画時光」コーナーで
取り上げたので載せました。
『大統領の理髪師』の紹介は
前回記事をみて下さいね。
今週劇場鑑賞した映画
『ラビング 愛という名前のふたり』
『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』
『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』
『雪女』
『皆さま、ごきげんよう』
『海は燃えている
イタリア最南端の小さな島』
『人類遺産』
『ウィナー 懲りない男の選挙ウォーズ』