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ガレキとラジオ 感想/東日本大震災を忘れないために多くの方に観て戴きたい心温まるドキュメンタリー

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『ガレキとラジオ』
浜松シネマイーラで鑑賞
7月26日(金)まで
毎日11:40~12:50の上映


ベル1週間の限定上映ですビックリマーク

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↓予告動画はこちら



監督:梅村太郎
   塚原一成

音楽監督:内山雄介(浜松出身)
ナレーション:役所広司

東日本大震災で60%以上の世帯が被災し、
8000人以上が避難生活を送ることになった宮城県の南三陸町で、
地元民たちが立ち上げたラジオ局「FMみなさん」の1年間を追ったドキュメンタリー。
避難所の体育館の隅で、元サラリーマンでリーダーの工藤さん、
元ダンプカー運転手の和泉さんら9人がラジオ放送を始める。
全員がラジオ放送の経験などないなか、
悪戦苦闘しながらも、町の人々に笑顔と娯楽を届けようとオンエアを続けていく。
ナレーションは役所広司。
メンバーが宮城県仙台市に暮らす人気バンドの
「MONKEY MAJIK」が主題歌を担当。
(映画.comより)

7月20日(土)に、梅村太郎監督と内山雄介音楽監督の舞台挨拶がありました。

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左から梅村さん、内山さん、イーラ館主榎本さん


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梅村太郎監督


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浜松出身の内山雄介音楽監督


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梅村監督の本業は博報堂のクリエイティブディレクターで、
CMや映像の制作をしてみえます。
今回この映画を作ったのは、
ご自身が神戸出身で阪神淡路大震災での被災経験があり、
東日本大震災が起きた時、自分も何か出来ることをしたいと、
現地でカメラを回し始めたことが始まりだったそうです。
震災を経験していない人たちに忘れて欲しくないという、
強い思いがありました。
日本人は忘れるのが早く、
あの時あれだけ「絆」の大合唱だったのに、
もう、被災地の事を忘れている。
震災から2年が経っても、
まだ被災者の人たちは辛い現実に向かい合い続けている。
震災を経験していない人たちにもその現実を忘れて欲しくないから、
作品として残し、1人でも多くの人に観てもらいたい。
この強い思いで、この映画を制作したのです。

内山さんは、映像を見て、涙をこぼしながら音楽をつけられたそうです。
何度も繰り返し見て作業をしたけれど、
完成した作品を見ると、また泣けてくるそうです。

この作品が素敵なのは、
自らも被災者(家族や家を失ってみえます。)
である個性豊かな9名のスタッフが、
同じ被災者の南三陸町の人たちの力になりたいと、
試行錯誤しながら、
ラジオ放送をしていく姿を「爽やか」に描いている事です。
見ている方も力が湧いてくる作品です。
スタッフはみなさん、ラジオ制作とは無関係な仕事、生活をしていた、
ごく普通の方たちです。
だから、現地の様子を体感したことがない人でも、
観ていて自然と共感できるのです。
役所広司さんのあの味わい深い声でのナレーション、
内山さんによる素敵でポップな音楽が、
この映画をさらに親しみやすいものにしています。

私が一番グッときたのは、
シングル・ファーザーで3人の子どもを育てている、
元・トラック運転手で、記者担当の和泉さんと、
彼の子どもさんとの関係性が描かれた場面です。
彼はしっかり子育てしたいという気持ちから、
子どもたちにうるさく言ってしまい、却って反発され、
思いが空回りしていることを自覚しています。
日常の生活の中ではなかなか上手くいかない。
でも、反発してしまう息子さんも、
お父さんの仕事する様子が気になり、見に行きます。
「本来人と接する仕事は苦手なはずのオヤジがあんなに頑張っているとは」
と、お父さんが慣れない仕事に奮闘している姿を見て、
心が少しほぐれます。

「FMみなさん」のミキサー&ディレクターの2人は、
高校を卒業したばかりの18歳の女の子。
ユニークなスタッフの皆さんが、子どもたちと交流したり、
結婚する人たちの合同の結婚式のイベントをしたりします。
そして、娘さんとお孫さんを亡くし一人ぼっちになられた、
72歳の星幸子さんが辛い日々の中で、
ラジオを聞いている姿も映されます。
子ども、若者から年配の方まで、どの年代の方にも
共感を呼ぶ内容になっているのが、素晴らしいと思います合格

「FMみなさん」は町の財政の問題もあり、10ヶ月間の限定放送でした。
その限られた期間の中での奮闘ぶり、疾走感も作品から伝わってきます。
ドキュメンタリー映画としての完成度うんぬんなど抜きで、
この作り手の思いがこもった、
ライブ感と人間味が溢れる温かい作品を、
ぜひ一人でも多くの方に見て戴きたいと思います目

この映画の収益は被災地の支援に寄付されます。
映画は自主上映もできます。詳しくは公式ホームページで。リンクあり↓

ガレキとラジオ公式HP http://www.311movie.com/index.html

舞台挨拶時のゲストの写真は許可を得て私が撮影しました。


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