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カルテット!人生のオペラハウス 感想/ダスティン・ホフマン監督 マギー・スミス、トム・コートネイ

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『カルテット!人生のオペラハウス』
Quartet
イギリス映画
浜松シネマイーラで鑑賞

7月19日(金)まで

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予告はこちら↓



出演:マギー・スミス
   トム・コートネイ
   ビリー・コノリー
   ポーリーン・コリンズ
   マイケル・ガンボン
   ギネス・ジョーンズ
   シェリダン・スミス
   アンドリュー・サックス

名優ダスティン・ホフマンが初めてメガホンをとった監督作。
引退した音楽家たちが暮らす「ビーチャム・ハウス」で
穏やかに余生を送るレジー、シシー、ウィルフのもとに、
昔のカルテットメンバーでありながら、
野心とエゴで皆を傷つけ去っていったジーンがやってくる。
近く開かれるコンサートが成功しなければハウス閉鎖という危機を迎え、
誰もが伝説のカルテット復活に期待を寄せるが……。
「戦場のピアニスト」「潜水服は蝶の夢を見る」
などで知られる脚本家のロナルド・ハーウッドによる戯曲を映画化した。
(映画.comより)

気が付けば、この作品、
シネマイーラでの公開も19日まで。
まだ、感想記事が書いていなかった。
そんなのばかりですが...σ(^_^;)

この所、ジュディ・デンチ、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、マギー・スミス...
を良く見るなあ。
最近多いシニア・ライフを描いた映画は、
もう、一つのジャンル映画になってる!?
食傷気味という方もいらっしゃるでしょうけど...
先進国はどこも高齢化社会、
生涯現役で仕事をする人は多いし、
観客もシニア層が厚くなっている。
安定した仕事ぶりを見せてくれる人たちの作品が、
ジャンルとして成立するのは良いのではと私は思います。
老いの問題は誰もが避けて通れないこと。
今後も色々な作品が生まれて来て欲しいです。
ダスティン・ホフマンの75歳にして初めての監督作品は、
イギリスでの、名優、名音楽家たちとの仕事です。
この作品には彼の誠実さ真面目さがよく表れています。

『カルテット!』を、私は『華麗なるギャツビー』と同時期に観ました。
(ギャツビーの感想記事もまだ書いてないや...(-"-;A)
ギャツビーはデイジーとの過去をやり直せると思い込み、
破滅に向かうワケですが、
やはり「若さ」のエネルギーが強すぎた。
それがギャツビーの世界なので、
それはそれでよいのですよ。

『カルテット!』では、
若さゆえに傷つけあった2人も、
何十年という充分な時間が過ぎれば、
許すこともできる、
若い時と違った愛の形がある。
という事が描かれていて、なんだかホッとするのです。
これは若いときに別れてしまった2人にも、
別れることなくだらだら続いてしまった夫婦関係にも?
当てはまることなんじゃないかと思うのですよ。
(ずっと始めのうちの関係性を保てるカップルって
あまりないですよね?違います!?)

これが私的には見所でした。
ベテラン俳優たちが素晴らしい演技力で見せてくれるわけですから、
説得力がありました。
こんな映画を観ると、
自分もまだまだ人生経験足りないから、
これからどんなことがあるのか、
自分がどう変わっていくのか楽しみになりますね。

若い学生たちと音楽を通じて理解し合うシーンもありました。
海外では、あらゆる年代が見るべき作品という評価もされているように、
これは、シニアだけをターゲットにした作品ではないです。

主演のマギー・スミスは勿論のこと、
出演者の演技が味わい深く、素晴らしかったです合格
もちろん音楽も素敵です音譜
この道何十年の本物の音楽家たちが聴かせてくれる、
名演奏の数々です。
オペラ歌手や舞台俳優の方たちの演技は勿論すばらしいのですが、
楽器の演奏家の人たちの演技も上手くて驚きでした。
ダスティン・ホフマンは本物のベテラン演奏家に出演して欲しくて、
演技については演出する自信があったそうです。
私は特にピアノ伴奏をする品格のある女性を演じた
パトリシア・ラブランドさんが、素晴らしいと思いました。
てっきり、女優さんかと思って見ていましたが、
本物の大ベテラン・ピアニストでした。

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ここから先は結末に触れますので
これからご覧になる方は後でお読みください。


終わり方について、
盛り上がりに欠ける。
クライマックスで歌うシーンなしで終わるとは??
クチパクでいいから歌わせるべきでは!?
という感想も聞いたり、
目にしましたので、
一体どんなエンディング!?
と、かなり気になっていました。
私はあの実際に歌うシーンがないエンディングは、
余韻を残して良かったと思います。
ホフマンは俳優たちにドラマをしっかり演じて欲しかったのだし、
演奏は本物を使いたかった。
最後に流れる、
ジョーン・サザーランド、ルチアーノ・パヴァロッティらによる
『リゴレット』の「美しい恋の乙女よ」を。
あそこで歌ってしまって盛り上げては、
平凡な感動を煽るエンディングになってしまいます。
年輪を重ねた人たちそれぞれの時間と歴史を感じさせる
出演者の若い時と現在の写真を並べて見せてくれたのは、
シャレていて、充分感動的でしたしね。

最後にちゃんと歌って盛り上がって終わって欲しいのを
ご希望の方には、
それはそれで素敵ではある、『アンコール!!』をおススメします。

それから、シネマイーラで『カルテット!』のとき、
予告を流していた
『25年目の弦楽四重奏』
←クリックで紹介記事へビックリマーク
9月14日(土)~27日(金)
これは、シニアライフだけを描いた作品ではないですが、
音楽を媒介にして重厚な人間ドラマが描かれている作品で、
とても楽しみにしていますビックリマーク

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