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チャーリー Charlie 感想南インドケーララ州公用語マラヤーラム語映画初の一般公開作になごむ

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『チャーリー Charlie』
2015年製作 インド映画
(マラヤーラム語映画)
原題:Charlie











『チャーリー Charlie』予告動画


監督:マーティン・プラーカット
脚本:ウンニ・R.
マーティン・プラーカット
製作:マーティン・プラーカット
ジョジュ・ジョージ
シェビン・ベッケル
音楽:ゴーピー・スンデル
衣装:サミーラ・サニーシュ
撮影:ジョモン・T・ジョン
編集:マヘーシュ・ナラヤナン

出演:
チャーリー   ドゥルカル・サルマーン
テッサ   パールワティ
カーニ   アパルナ・ゴーピナート
クンジャパン   ネドゥムディ・ヴェーヌ
コソ泥スニ/Dソウザ   ソウビン・シャヒール
デイビッド   ラーダクリシュナン・チャクヤット
ラヘルおばあちゃん   ラリタ
テッサの母   スィータ
マターイ/パトローゼ  チェンバン・ビノード
クイーン・マリア   カルパナ
ジョージ   トヴィノ・トーマス
ウスマン   バラチャンドラン
ドクター   レンジー・パニッケル

あらすじ

南インドの大都市バンガロールで
グラフィック系の仕事をしながら
自由を謳歌しているように見えるテッサ(Parvathy)は、
日常にどこか物足りなさを感じていた。
親同士が勝手に決めた縁談に反発して家を飛び出し、
ヒッチハイクしながら辿り着いた
港町コーチンの古いアパート。
そこは前の住人チャーリー(Dulquer Salmaan)の持ち物、
写真や絵画、奇妙なオブジェが溢れかえった、
とんだボロ部屋だった。
貸主に怒りをぶつけるも、
そこで見つけたチャーリーの写真と、
彼が描いたらしき漫画に興味をもつ。
ボロ部屋を舞台に始まるその漫画は、
肝心のシーンから先が途切れていた。
物語の続きを知るために、
わずかな手がかりからチャーリーを知る人を訪ね歩くテッサは、
彼にまつわるさまざまな話を聞くにつれ、
まだ見ぬチャーリーに惹かれていく。
ようやくつかんだ情報をもとに、
山あいの村に辿り着いたテッサが見つけたものとは...?
(公式サイトより)

チャーリー Charlie公式サイト←クリック

監督が「あらすじはたった2行で終わるような話」
と言っているので(笑)
上記のあらすじよりさらに短くすると...
テッサは日本にもいそうな都会で働く二十代女子。
チャーリーは旅するマジシャンで
人を幸せにするのが好きなお節介青年。
この2人が出会うまでのすれ違いの道行きに
様々な登場人物が絡んでくるロマコメ。

このあらすじだとどこにでもあるような映画じゃん。
と、思われるかもしれません。
でもその、
見たこと聞いたことがあるような物語を
どう見せてくれるかが問題。
登場人物の魅力も重要。
この映画はその期待に十分応えてくれました。
空気の良い所に行って
のんびりした時のような
ほんわか楽しい気分になれました。

この映画をぜひ見てもらいたいと
インド映画の普及活動をしている
MASARA RRESS←クリック
が、配給もした本作は
マラヤーラム語の映画としては
日本初のロードショーです。
キネカ大森で上映していました。
もっと早く書くつもりが遅れてしまいました(TωT)
次は兵庫県尼崎市の
塚口サンサン劇場←クリック
で10月29日(土)から上映です。








マラヤーラム語はインド南部のケーララ州の公用語。
話者は約3,570万人。
マラヤラム語を話す人々は「マラヤーリMalayali」
(まれに「ケラリートKeralite」)と呼ばれる。(wikiより)
ちなみに人口が13億人近い
インドの話者数順位↓(wikiより。出典:エスノローグ 第17版)
1.ヒンディー語: 2億5,800万人
2.ベンガル語: 8,250万人
3.テルグ語: 7,380万人 (ドラヴィダ語族)
4.マラーティー語: 7,170万人
5.タミル語: 6,070万人 (ドラヴィダ語族)
6.ウルドゥー語: 5,150万人
7.グジャラート語: 4,570万人
8.パンジャーブ語: 3,780万人
9.ボージュプリー語: 3,780万人
10.カンナダ語: 3,770万人 (ドラヴィダ語族)
11.マラヤーラム語: 3,300万人 (ドラヴィダ語族)
12.オリヤー語: 3,210万人
13.マイティリー語: 3,000万人
14.マガヒー語: 1,400万人
15.チャッティースガリー語: 1,330万人
16.アッサム語: 1,280万人
17.ダッキニー語: 1,280万人
18.カナウジ語: 950万人
19.ハリヤーンウィー語: 800万人
20.ヴァルハディ=ナーグプリ語: 697万人
21.サンタル語: 594万人 (オーストロアジア語族)
22.マールワーリー語: 560万人
23.マールヴィー語: 556万人
24.カシミール語: 536万人
25.メワール語: 510万人
26.ランプリ語: 500万人

日本在住のインド人は2016年現在で約3万。
そのうちケーララ人は700人前後だそうです。
(『チャーリー』パンフより)
最大マーケットのヒンディー語映画「ボリウッド」
にあやかった
タミル語映画は「コリウッド」
テルグ語映画は「トリウッド」
カンナダ語映画は「サンダルウッド」
と、インド各地の言語の映画界の呼び名があるそうです。
そして『チャーリー』のマラヤーラム語映画は
「モリウッド」です。
「ボリウッド」「コリウッド」と比べると
制作費が一けた二けた低いので
インド映画の定番、
アクションシーンとミュージカルシーンで
お金をかけた派手なことはできない分
ケーララ州はインド1の教育水準を誇っているため
知恵を絞っているそうです。
伝統的に文芸作品が多く
脚本に定評があり
他の言語の映画界でリメイクされるとのこと。

『チャーリー』の主演2人ドゥルカル・サルマーンと
パールワティ
が2014に共演した
「Bangalore Days」(原題:バンガロール・デイズ)は
マラヤーラム語映画興行収益が最高だった1本。
(ボリウッドスターのアディティアロイ・カプールは
この作品でドゥルカル・サルマーンのファンになったそう)
「Bangalore Naatkal」(Naatkalはタミル語のDays)
タミル語映画で2016年にリメイクされています。
パールワティはタミル語、カンナダ語映画にも出ていて
このリメイク版にも同じ役で出演しています。

「バンガロール・デイズ」の
ドゥルカル・サルマーンとパールワティ


「バンガロール・デイズ」トレーラー


タミル語リメイク版での
パールワティ


チャーリー役のドゥルカル・サルマーン(1986年生まれ)は
モリウッド映画の大スター・マンムーティの息子。
アメリカのパデュー大学で経営管理を勉強して卒業し
アメリカ、ドバイでIT企業で働いてから
俳優になることを決心してムンバイの演劇学校で学びました。
『チャーリー』でケーララ州映画賞・最優秀賞男優賞受賞。
父親譲り?なスター性が開花した作品となったようです。
ボリウッド入りも囁かれているそうですから、
今後の活躍が楽しみです。





髭でイケメンが隠れちゃうなんて
私はつい考えてしまいますが、
立派な髭は南インドの男性のシンボルです。

インド映画の劇中で歌うシーンは
プレイバックシンガーと呼ばれる歌手が
事前に録音したサウンドトラックに合わせて
俳優が口パクで演じます。
(例外で自分で歌う場合もあるが珍しい)
ドゥルカル・サルマーンは
『チャーリー』のエンディング・テーマ曲
「chundari penne」を自分で歌っています。
上手いですよ。↓
Charlie「chundari penne」オフィシャル動画
歌:ドゥルカル・サルマーン


マンムーティとドゥルカル・サルマーン親子


ドゥルカル・サルマーンと建築家のアマル・ソフィアさんの結婚式で
左が彼の両親



マーティン・プラーカット監督は
マンムーティ主演の
「Best Actor」(ベスト・アクター)(2010)
(学校の教師が長年の映画スターになる
夢をかなえようとする)
で、監督デビュー。
大俳優が主演だから撮り直しなど恐れ多くて
なかなかできなかったそう。



「Best Actor」トレーラー


2作目はマンムーティ息子の
ドゥルカル・サルマーン主演
「ABCD: American-Born Confused Desi」(2013)
アメリカで生まれ育った
若いマラヤーリ(マラヤーラム語を話す人)2人が
祖国インドを訪ねる旅を描いた。

右のアパルナ・ゴーピナートは
『チャーリー』にも女医カーニ役で出演


「ABCD: American-Born Confused Desi」トレーラー


そして、
『チャーリー』で
ケーララ州映画賞
最優秀監督賞と
最優秀脚本賞を受賞。

俳優のShani Shaki(左)と中央ドゥルカル・サルマーンとマーティン・プラーカット監督




ケーララ州の特徴が
パンフに紹介されていたので短くご紹介

・温暖な気候。稲作が盛んで
緑豊かで海岸線の多い南国ムードと
古くからヨーロッパと交易で繋がっていため
異国情緒に満ちた街。

・ヒンドゥー教が8割を占めるインドにおいて
ケーララではキリスト教、
イスラム教の割合が高く
ヒンドゥー、カトリック、
イスラムが穏やかに共存している。

・共産党勢力が強く
赤旗やチェ・ゲバラの肖像画を
見かけることが多い
(映画にもゲバラの肖像画が
出てきた気がする)

・サウジアラビアなど
湾岸アラブ諸国へ出稼ぎに行く人が多く
経済的に余裕があるため
生活インフラや景観が整っている

・インドの総合的な伝統医学
アーユルヴェーダ発祥の地とされ
医療機関に治療に来る外国人も多い。

・経済的な余裕、
外国に開かれた文化的背景から
教育熱心で女性の大学進学率もとても高い。

『チャーリー』には
このようなケーララの特徴が
上手く織り込まれていたり
背景になっていたなぁと納得。











チャーミングなおじいちゃん、
おばあちゃんたちも活躍。
シスターたちも重要な役割で登場。




テッサ役パールワティ


カーニ役アパルナ・ゴーピナート


メガネっ子好きが萌えちゃいそうな
魅力的なメガネっ子がヒロイン、
準ヒロインです。
女優に知的で健康的な美しさを感じました。

なんともいいなと思ったのが
テッサ役パールワティの
健康的な元気でむっちりした肉体です。
彼女は知的な美人さんだけど
二の腕が太いところに共感しちゃったなあ(笑)
米ドラ初の主演インド人女優にもなった
ボリウッドの
プリヤンカー・チョープラーや、
カトリーナ・カイフのような
美貌もスタイルも抜群な
女性スターも素敵だけど、
パールワティの自然体な魅力も
日本人ウケするんじゃないかな。
MASARA RRESSさんによると
彼女の二の腕の魅力に注目したという感想が
結構多かったそうですよ(°∀°)b
彼女の演技も自然で親しみを感じました。

ケーララ州の風景は
コロニアル調の街の景観も
素敵だったけど、
稲作田、お茶畑の田園風景や
山間部、海岸部の豊かな自然の様子が
見ていて気持ちよかったです。
人々も温厚そうで行ってみたくなりました。



チャーリー役のドゥルカル・サルマーンも
アクションシーンやダンスシーンでは
(ボリウッド映画ほど長くなく控えめな演出)
きっちりカッコよく見せますが
恋から逃げてしまう実はシャイな青年の
等身大な可愛らしさが良かったなあ。
ボリウッドスターのように
作り込み過ぎてない自然な感じの肉体も
魅力ではないでしょうか。

まあ、作り込んだボリウッドスターの肉体も
魅力的なんですが。(笑)
日本でも人気の三大カーンとか
やり過ぎ感ありのリティック・ローシャンとか
鍛えてますよネ。

リティックの
凄すぎるマッスル


シャー・ルク・カーン


サルマン・カーン


アーミル・カーンの
『PK』は試写会で観てとても面白かったです。
今年のエンタメ映画マイベスト1。
公開前に早く記事UPしなきゃ(;´▽`A``


三大カーンは全員1965年生まれで
私と同年です。
お腹周りが気になるお年頃(苦笑)
同年輩のお父さん方も焦りませんか(^o^;)
50代でも鍛えたら
こんなになれるんですかネ(ノ゚ο゚)ノ

南インドでは
バラエティー豊かな男性の腰布が
立派な髭とセットで男らしさの象徴とのこと。
悪役と闘うときはこの腰布を
「ふんどしを締め直すように」
グッと引き上げてのし歩くのが
定番の様式美だとパンフに紹介がありました。
それで実はこの記事を書く前の準備段階で
マンムーティの映画やトレーラーに
ハマってしまいました。(笑)
インド映画はネットで鑑賞できるものが
結構多いのでよくやってしまうのですが
面白くて戻れなくなります。(^o^;)







マンムーティ(1953年生まれ)
の腰布グッとたくし上げ系映画の画像。
彼は80年代からずっと活躍していて
今も年間5本は主演の新作があるというすごさ。





はい、何だか初めての
マラヤーラム語映画体験が楽しかったので
色々調べたり寄り道したりで
この記事書く準備に
ずいぶん時間がかかってしまいました。
『チャーリー』
チャーリーとテッサが出会うまでのすれ違いを
ケーララ州の魅力的な
土地柄、文化、風習を溶け込ませた舞台で描いています。
ちょっぴりホラーテイストなシーンがあったり、
ファンタジー的な展開もあったりします。
クライマックスはど~ん!と盛り上がります。
お祭りのシーンが圧巻。
空撮も含めてCGでは伝わらない大迫力で
その場の熱気まで伝わってきました。
思わずお~!っと声が出そうになりました。
スクリーン鑑賞できたことの幸せ。
オチも上手くてニヤッと。(o^-')b
気持ちの良い環境でゆったりした時を過ごした後のような
爽やかさを味わうことができました。
尺も129分とインド映画としては短めなのも良かったです。
もっと上映館が増えたらいいのにな。

インド映画は
ヒンディー語映画、タミル語映画、
テルグ語映画は観ていますが、
マラヤーラム語映画『チャーリー』が
また世界の新しい映画の扉を開いてくれました。
この作品を配給・上映してくれた
MASARA RRESS(マサラ・プレス)の
アンジャリさんとタマ子さん
そしてキネカ大森に感謝です。
パンフはコンパクトながら
参考になる情報がいっぱいで
そこから色々と調べました。
画像もまだ用意してあり
もっと書きたいところだけど
ここまででも長くなってしまったので、
おしまいにします。


今週はジャック&ベティで
『歌声にのった少年』をやっと観て。
ハニ・アブ・アサド監督の
『パラダイス・ナウ』
『オマールの壁』
パレスチナの厳しい現状を描いた
社会派でメッセージ性の強い映画
(2作とも映画として見せる
エンタメ性もしっかり織り込んだ作品でしたが)
とは違った、
実在のパレスチナ・ガザ地区出身の歌手、
ムハンマド・アッサーフの半生を描いた
感動的な実話もの。
シネコンでも上映があり
グッと観客の裾野が広がったのでは。
ムハンマド・アッサーフくんが実際に勝ち抜いた
「アラブ・アイドル」の動画にもハマってしまい。(笑)
ブログも書かなきゃなんだけど。(^o^;)

ムハンマド・アッサーフ本人。
映画で演じた俳優とは似ていないです。


「アラブ・アイドル」で歌うムハンマド・アッサーフ


今週劇場鑑賞した映画

『永い言い訳』

『歌声にのった少年』

『ダゲレオタイプの女』

『太陽の蓋』



鑑賞した映画の短評は↓

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に鑑賞後随時投稿しています。
ぜひ読んで下さい。
毎週月曜日に「なう」への投稿が
まとめてブログにUPされます。
投稿が遅れることがあるので
まとめ記事の下の
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サルマン・カーンとネコにゃー


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