小説『淵に立つ』
深田晃司著
ポプラ社刊
に主演した二階堂ふみちゃん推薦文帯付き
淵に立つ/深田 晃司
¥1,404
Amazon.co.jp
相変わらず「淵に立つ ネタバレ」
「淵に立つ あらすじ ネタバレ」
「淵に立つ 結末 ネタバレ」などの
検索フレーズで私の『淵に立つ』記事に
アクセスが来ています。
「小説 淵に立つ 結末 ネタバレ」
というのもあります(苦笑)
みんなそんなに早くネタバレ知りたいのネ。(^_^;)
自分で映画観て、
小説も読んでみなくちゃ面白くないのに。
小説『淵に立つ』は
映画のノベライズではないです。
深田監督の書き下ろし小説です。
深田監督は「画家、漫画家、
小説家になる夢があったけど、
どれにもなれずに映画監督になった。
でも、今回小説を書くことができました。
買って読んでもらえたら
半年後くらいに
僕の夕飯のおかずが1品増えるかもしれません。」
なんて言ってましたが、
映画監督になれてコンスタントに
作品が撮れる人はほんの一握り。
しかも深田監督は
自分の作家性を出す映画作家です。
『淵に立つ』はカンヌ映画祭
ある視点部門で審査員賞受賞。
海外で認められる若手監督のトップに走り出ました。
シネマヴェーラ渋谷
「日本映画の現在」
深田晃司監督特集
上映は『ざくろ屋敷』(バルザック『人間喜劇』より)
『いなべ』
深田監督と大賀君のトークのとき
「どうしてバルザックを選んだのか」という質問に
監督はエリック・ロメール監督が大好きで
ロメールが「映画監督になるなら
バルザックを読まなくてはいけない」
と言っていたのでバルザックを読破したと答えました。
深田監督は自分で脚本を書く人ですが、
今回の小説『淵に立つ』は
映画の脚本ではないし、
ノベライズでもありません。
書き下ろしの小説として
映画とはまた一味違った世界を構築しています。
無駄のない簡潔な文体で、
映画を観た後ですが
また新しく脳裏に映像を思い描いてしまう
想像力を搔き立てられる筆致。
映画では殆ど描かれなかった人物にも
細かい描写があったり、
映画にはいなかった人物も登場。
不思議だったのは
主な登場人物は映画でとても印象深いのに
(古舘寛治さんの利雄、
筒井真理子さんの章江はアテ書き)
俳優の顔は浮かばず
自分の頭の中でまた違う人物として
浮かび上がりました。
(なぜか貴史役の大賀君だけが
同じ顔で想像されました。)
映画では「赤」のものが印象的に
あちこちに配置されています。
浅野忠信の八坂が
そこにいなくても
存在を感じさせ
支配しているイメージがあります。
小説ではこの「赤」が
印象的に使われているのは3回だと思います。
概念的なイメージを喚起する色としてでなく、
かなり生々しく具体的なものの色として。
映画と大きく違うのはラスト。
これを映画化していたら
違うタイプの映画ファン
(映画秘宝の熱心な読者タイプとか)
にも評価されたかもな鮮烈な描写でした。
こんな描写をする映画を
今後撮ることがあるのかな。
ネタバレはしませんョ(笑)
小説は映画を観てから読まれることを
おススメします。
映画とは違った
深田ワールドを味わうことができます。
もう1本違う映画を観たような
気分になりました。
そしてまた『淵に立つ』が観たくなりました。
小説『淵に立つ』を読んで
深田監督がこれから創造する世界が
ますます楽しみになりました。
新作の脚本はもうできていて、
インドネシアロケも予定の
青春映画だそうです。
期待しています。
『深田晃司映画まつり』
11月26日~12月9日まで渋谷の
シアター・イメージフォーラムで開催
上映作品
『さようなら』(2015年/112分)
出演:ブライアリー・ロング、
新井浩文、ジェミノイドF、
村上虹郎、村田牧子、木引優子
『いなべ』(2013年/38分)
出演:倉田あみ、松田洋昌(ハイキングウォーキング)
西田幸治 (笑い飯) 哲夫 (笑い飯)、ほんこん
『ほとりの朔子』(2013年/125分)
出演:二階堂ふみ、鶴田真由、
太賀、古舘寛治、杉野希妃、
大竹直、小篠恵奈
『歓待1.1』(2010年/96分)
出演:山内健司、杉野希妃、
古舘寛治、ブライアリー・ロング、
兵藤公美、松田弘子、菅原直樹、
河村竜也(河竜さんはカッコイイバンドマン役)
『東京人間喜劇』(2009年/140分)
出演:角舘玲奈、根本江理子
河村竜也、古舘寛治
福士史麻、大塚洋
兵藤公美、鄭亜美
村田牧子、畑中友仁
小河原康二、岩下徹
齋藤徹、荻野友里
木引優子、足立誠
島田曜蔵、鈴木智香子
井上三奈子、山本雅幸
石橋亜希子、端田新菜
高橋智子、たむらみずほ
宇田川千珠子、安倍健太郎
山本裕子、真山俊作
立蔵葉子、志賀廣太郎
秋山建一、佐藤誠
大竹直、酒井和哉
村井まどか、天明留理子
山村崇子
『自転車と音楽』(2009年/7分)
出演:鈴木琳太郎、川隅奈保子、
もろとユーキ
『んぐまーま』(2006年/55分)
出演:岩下徹、ひらたよーこ、
只野展也
『ざくろ屋敷』(2006年/48分)
出演:志賀廣太郎、ひらたよーこ、
堀夏子、山口ゆかり、平林冬樹
『淵に立つ 公開スペシャル
映画監督 深田晃司 海を渡って見えたもの』(2016年)
名古屋テレビ放送制作の
深田監督を追ったTVドキュメンタリー番組
ナレーターは大賀くん。
『鳥(仮)』(2016年)
「深田晃司映画まつり」のために制作の新作短編
このラインナップで観ていないのは
『東京人間喜劇』
『自転車と音楽』
『んぐまーま』
『淵に立つ 公開スペシャル
映画監督 深田晃司 海を渡って見えたもの』
で、この未見作品を優先してぜひ見たいです。
シネマヴェーラで監督に『東京人間喜劇』は
どうしたら見られますか?と聞いたら
今度の特集上映で観れますよ。
と教えてくれました。
とても楽しみにしています。
(ポーランド映画祭、
東京フィルメックスと
少し被るのが日程的に心配(^o^;))
映画『淵に立つ』の私の記事↓
独占インタビュー!
浅野忠信、筒井真理子、古舘寛治『淵に立つ』
(カンヌでの上映後)
上の動画で浅野忠信が
「深田監督は、何かをしてあげたくなる監督なんですよね」
と語っています。
深田監督は俳優からの提案を
取り入れるので
信頼が厚いですね。
撮影現場は楽しいそうです。
実際に深田監督のトークを聞いたり
お話をしてみると、
謙虚な一所懸命さを感じ
応援したくなるのです。
しりあがり寿さんの
『回転展』で上映している映像作品
「回転道場」に深田監督が出演してるのは
どうしてですか?
と聞いたら、
しりあがりさんが『歓待』を気に入って連絡をくれて
それ以来仲良くされてるそうで
今回もお呼びがかかったそうです。
「回転道場」は老師(しりあがりさん)に弟子たちが
色々なものを回転させて見せるのですが、
「こんなの回転じゃない!」
と、何度もやり直しさせられるのがループで
上映されていて映像の中身も上映も「回転」してます。
深田監督が演じる弟子が回すのは金色の熊。
「しりあがりさんが
深田君、カンヌ出品が決まったのだから
金熊だなって。
それは、ベルリンですけどと
言ったのですが」と教えてくれました。
「今年、私は青年団の周りをぐるぐる
してる感じです。」と言ったら深田監督に
「もっとぐるぐるしてください」と言われ、
その3日後に
エリック・ロメール特集上映に行ったら
古舘寛治さんと兵藤公美さんも
観に来ていたので驚きました。
それくらいの偶然は
よくあることなのかしら。
自分的にはびっくりでした。
今年は青年団関係の舞台や映画を
たくさん観て
青年団に縁があります。
『淵に立つ』トーク
深田監督、筒井真理子さん、古舘寛治さん
深田監督と大賀くん
今週劇場鑑賞した映画
『チャーリー』
『ミモザの島に消えた母』
『ダイビング・ベル セウォル号の真実』
鑑賞した映画の短評は↓
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に鑑賞後随時投稿しています。
ぜひ読んで下さい。
毎週月曜日に「なう」への投稿が
まとめてブログにUPされます。
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