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鈴木則文復活祭 シネマヴェーラ渋谷 初日トークショー柳下毅一郎×杉作J太郎 徳川セックス禁止令他

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鈴木則文復活祭
シネマヴェーラ渋谷
初日トークショー柳下毅一郎×杉作J太郎

『徳川セックス禁止令 色情大名』
『緋牡丹博徒 一宿一飯』


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9月3日(土)からスタートした
シネマヴェーラ渋谷
鈴木則文復活祭。

柳下毅一郎さんと杉作J太郎さんの
初日トークショー
に行ってきました。
観た映画は
『徳川セックス禁止令 色情大名』(1972年)
『緋牡丹博徒 一宿一飯』(1968年)

トークショーはとても楽しかったです。
則文監督はお祭りが大好きだったから
松方弘樹さんの
『お祭り野郎 魚河岸の兄弟分』
そして安藤昇さんの
『侠客道』
プログラムに入れたかったけど
できなかった理由。
東映さんの商売上手ぶり!?
(俳優さんが亡くなると
お亡くなり価格で急上昇するとか...)

鈴木則文監督の映画、東映映画については
オーソリティーがたくさんいらっしゃるので
このトークショーにも参加されていて
詳しく書かれるんじゃないかしら。
なので私は簡単に。
と思うのだけど
それでもびびるなあ。
コアな東映映画ファン
ソクブン監督ファンの方には
ご存知のお話をしてくださったのだと思いますが、
お2人の面白いトークを聞けて
私にはとても楽しい体験でした。

特に面白かったお話は
杉作J太郎さんが
取材で鈴木則文監督と会う時間に
1時間半も遅れてしまったそうです。
もうダメだ~。(´д`lll) と思ったけど
女性の部屋に泊まって
(ことをいたして)
うっかり寝坊したことを正直に監督に話したら、
「女の機嫌は簡単にはとれないからな。
俺の機嫌なんてどうにでもとれるけど。」
と言って許してくれたそうです。

柳下さんは
「昔の話を自慢したくない人で
なかなか話してくれなかったけど
お前バカだなぁと
可愛がってくれた。」と。

ソクブン監督は女性を敬っており
フェミニスト。
映画でも女性を立てて
女性を輝かせるために
男は死んでゆく。

女性がヒロインでなく
主役として闘う女の
藤純子主演
『緋牡丹博徒』シリーズ第一作から脚本を担当。
『緋牡丹博徒 一宿一飯』は
自ら監督したシリーズ第2作。
お竜さんが子どもと遊んでいる場面が結構あります。
則文監督は子どもが好きで
子どもの心を持ち続けていたそう。
藤純子さんは好きな女優で
『一宿一飯』では敵側まで
みんなが美人だと言っている。
監督は玉川良一も好きで
取ってつけたような!?見せ場を作り、
彼のような男でもお竜さんの子分になれると
夢をみせてくれる。
敵にやられている時間
反撃する時間の配分がよい。

監督は根が陽性で
グロをやってもエグくなく
暖かみがある。
{石井輝男のクールさ(いい意味で心がない)
加藤泰のエグ味との比較話しもありました}
監督は、娯楽映画はみんな楽しんで欲しい。
笑って忘れてくれていいと思っていた。

俳優の短所を長所として
演出するのが上手かった。

残酷、ロマンチックは
誰にでもできるけど
則文監督のようにあたたかみを
出すのは誰にでもできることではない。
これからは、ぬくもりのある作品が
貴重になってくる。

則文監督は慈愛に満ちた人だった。

『ドカベン』は
川谷拓三さんが
第一回日本アカデミー賞で
助演男優賞にノミネートされた作品ですよ。
(杉作さん)
漫画の映画化作品として傑作
(柳下さん)
ぜひ見てください。

タイトルと内容が合っていなかったり
似たような作品があったりで
どれがどれだったか忘れてしまうので
スクリーンで観直すのは
いい機会です(杉作さん)

といったお話がありました。
トークの時はいつもメモを取っていますが
記憶力忘却力がとてもいいので
違っていたらごめんなさい。
内容ももっとあったのですが
きっと他で詳しく書かれますから
興味がある方は探してみてネ。




『緋牡丹博徒 一宿一飯』予告動画


『緋牡丹博徒 一宿一飯』

上州富岡で
農民たちを苦しめる高利貸しと結託し
逗留していた戸ヶ崎組を
全滅させた悪党の笠松組と
お竜さんが戦う。
(鶴田浩二さんの粋な助太刀もあり
文太さんが悪役で強そうだけど...)

笑も取ってくるところが則文監督。


「肌に墨はうてても、
心にゃ誰も墨をうつことはできんとです」
の名台詞。
それより今の自分的にグッときたのは
「私には私の作法がある」というタンカ。
これ使って書きたいことがあるんだよね(笑)


監督:鈴木則文
脚本:野上龍雄 、 鈴木則文
企画:俊藤浩滋 、 日下部五朗
撮影:古谷伸
美術:石原昭
音楽:渡辺岳夫
録音:溝口正義
照明:増田悦章
編集:堀池幸三

出演:
緋牡丹のお竜富司純子
熊坂虎吉若山富三郎
戸ヶ崎栄助水島道太郎
戸ヶ崎まち城野ゆき
戸ヶ崎太市伊村賢一郎
菊地勇吉村井国夫
笹川川浪公次郎
熊坂清子丸平峰子
河内山若水淳
鉄砲竹畑中伶一
弁天のおれん白木マリ
半目の安西村晃
馬喰の七山城新伍
横綱の六玉川良一
笠松弥一郎天津敏
白石菅原文太
板垣阿波地大輔
ブッキリ松平沢修
墓石の為三江上正伍
泥亀広瀬義宣
倉持儀助遠藤辰雄
二宮巡査堀田真二
きみ三枝由佳
よし西岡江里子
ゆみ紙谷外美
吉岡堀正夫
宮内藤岡重慶
須川矢奈木邦二郎
令嬢松村美枝子
馭者小島慶四郎
吾作中村錦司
平助和田昌也
市造蓑和田良太
丈吉有島淳平
お春星野美恵子
風間周太郎鶴田浩二

藤純子「緋牡丹博徒」





『徳川セックス禁止令 色情大名』

十一代将軍徳川家斎の五十四番目の娘清姫が、
九州唐島藩城主小倉忠輝に嫁ぐが
忠輝は女嫌いで初夜も自分勝手なので清姫は怒る。
家老が女好きにしようと博多屋に頼み
忠輝はフランス人のサンドラによって
セックスに開眼。
下々の者がセックスの快楽に浸っているのを
お忍びで見て、立腹し
「閨房禁止令」を出す。違反した者は死刑。
違反者はどんどん処刑されていく。
大のお気に入りのサンドラも
自分の出したこの禁止令で失うことになる。
艶笑もので面白いですが
反権力的な視点もあって結構深い。
女性が強くて主導権を握っている
フェミニズム的にも評価したいポルノです。

監督:鈴木則文
脚本:掛札昌裕 、 鈴木則文
企画:天尾完次
撮影:増田敏雄
美術:雨森義允
音楽:荒木一郎
照明:中山治雄
編集:神田忠男
助監督:依田智臣

出演:
清姫杉本美樹
藤浪三原葉子
梅乃女屋実和子
梢池島ルリ子
お美代城恵美
お艶衣麻遼子
小倉忠輝名和宏
米津勘兵衛殿山泰司
源太郎山城新伍
博多屋渡辺文雄
森田勝馬成瀬正孝
沢木陣吾郎大泉滉
桑原兵部那須伸太朗
水城桃夕水城ゆう子
榊原妥女川浪公次郎
矢部嘉内熊谷武
奥目の八岡八郎
徳川家斎田中小実昌
マハリヤオードリー・クルーズ
サンドラサンドラ・ジュリアン
祝言を挙げる夫婦鳳啓助
祝言を挙げる夫婦京唄子

『徳川セックス禁止令』主題歌
荒木一郎作「ジュテームはさよならの始り」
歌:サンドラ・ジュリアン


柳下毅一郎さんが見たこと。
鈴木則文監督、脚本の掛札昌裕さん
企画の天尾完次さんが
3人並んでこの作品を見ていて
掛札昌裕さん、天尾完次さんは
静かにされてたけど、
則文監督がゲラゲラ笑っていて
後で「何で笑っていたのですか」と尋ねたら
「だって杉本美樹がお姫様なんだぜ、
可笑しいじゃん」
と言われたそうです。


トークの最後はお祭り好きな
則文監督ですから
「わっしょい」で〆ましょうと
盛り上がりました。

鈴木則文監督は浜松出身なので
お祭り好きだったのかな?
浜松には「浜松まつり」があり
祭り好きな人がたくさんいます。
則文監督は娘の高校の先輩で
私の大学の先輩でもあります。


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シネマヴェーラ渋谷、
ユーロスペースの入っている
「KINOHAUS(キノハウス)」の前に
派手なデコトラが来ていました。

シネマヴェーラでの鈴木則文監督特集は
今回で3度目とのこと。(2007年、2008年)
私は2014年の新文芸座
「トラック野郎約40周年
トラック野郎&鈴木則文大会」
「鬼才鈴木則文監督追悼上映
〜下品こそ、この世の花〜」
には行っています。

私は映画を映画館(≠シネコン)
で見るのが大好きですが、
専門に語れる分野は特にないし、
映画を語る自信がない気弱なブロガーです。
ブログを見に来た人に
楽しんでもらえるブログを書く。
ということは
ソクブン監督のサービス精神を見倣って
これからも続けて行きたいと
トークショーを聞いて思いました。
『徳川セックス禁止令』では
お客さんから笑い声がたくさん出ていました。
トークショーも満員で盛り上がりました。
シネマヴェーラでの上映では
お客さんの反応が良いことが多いです。
シネコンでなく名画座で
みんなで笑いながら映画を観るのはいいなぁ。
天国のソクブン監督が笑顔で
眺めていてくださる気がします。


今週劇場鑑賞した映画

『後妻業の女』

『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』

『カンパイ!世界が恋する日本酒』

『さとにきたらええやん』

『偉大なるマルグリット』

『ヴィオレット ある作家の肖像』

『徳川セックス禁止令 色情大名』

『緋牡丹博徒 一宿一飯』



今週行った美術展

「12 Rooms 12 Artists
UBSアート・コレクションより」

東京ステーションギャラリー




鑑賞した映画の短評は↓

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