麦とクシャミ
青年団リンク ホエイ
こまばアゴラ劇場で鑑賞
台本にサインもらって
お話もできました。
作・演出・出演:山田百次さん
『麦とクシャミ』
作・演出:山田百次
プロデュース:河村竜也
出演:
中村真生
伊藤毅
緑川史絵
河村竜也(以上青年団)
山田百次(劇団野の上)
宮部純子(五反田団)
朝比奈竜生
あらすじ
1943年の暮れ、
洞爺湖のそばのサケやマスが孵化することから
フカバと名付けられた村の、
のどかな麦畑が突如隆起してきた。
日々20センチずつ、
地面はみるみる盛り上がってくる。
やがて川は氾濫し、
ある家では坂の下にあった隣家が
目前にまでせり上がってきた。
その村には鉱山から採れた鉄鉱石を
室蘭の製鉄所に運ぶための鉄道が走っていた。
資源を国内調達しなければならなくなった国にとって
その鉄道は生命線であった。
軍は鉄道の死守を命じ、
軍人、村人、囚人など総出で
盛り上がった鉄道の掘り下げ工事を行った。
地面はやがて噴火をはじめ、
いくつもの火口を作ると、
巨大な溶岩ドームを形成。
出来上がった火山は
のどかな田園と集落を消滅させた。
戦時下の日本において、
この不気味な火山の出現のことは
国民が動揺し戦意が低下するという理由で
世間には情報を伏せられていた。
《噴火ハ昨昼頃ヨリ勢ヒ弱リ
人畜ニ死傷ナシ
安心セヨ 憶測的流言ヲ慎ムベシ》
照明:黒太剛亮(黒猿)
照明操作:宮下真弥(黒猿)
宣伝美術:河村竜也
制作:赤刎千久子
(チラシ、ホエイHPより)
戦中1943年から
戦後1946年預金封鎖が行われた頃までの
昭和新山が誕生した
洞爺湖そばの村人たちの生活を描いた演劇です。
第二次世界大戦中は
昭和新山が出現するにあたって起きた
地震や地割れ噴火、洞爺湖の渦などは
地域から情報が漏れないように
箝口令が敷かれました。
戦地の夫への手紙にも書けませんでした。
(私の故郷の三河でも
1945年1月13日に
死者が二千人以上出た三河地震が
起きたのに、
詳しい報道はされなかったし、
被害状況の詳しい記録も残っていません。)
昭和新山の持ち主で
火山の誕生を克明に記録した
観測記録「ミマツダイヤグラム」を制作した
アマチュア火山研究家で郵便局長の
三松正夫さんをモチーフにした人物を
『麦とクシャミ』作者の山田百次さんが演じています。
プロデュースの河村竜也さんが演じるのは
満州の戦闘で片耳の鼓膜が破れてしまい
北海道へ転属になった
広島出身の陸軍の軍人。
村人たちは岩手、京都、福島、
香川、宮崎などの出身で
舞台の集落に移住してきています。
村人がそれぞれ出身地の方言で話します。
これはお客さんが、
何て言っているのかと
聞き入ってくれることも狙っていると
アフタートークで山田百次さんが話されました。
坂の下にあった家が土地が隆起して
朝起きたら隣にあったとか、
大地の割れ目に家がずり落ちそうになっても
土地を離れたくなくてその家に住んでいたり、
天変地異が起きていても
どこかのどかな感じもある
村人の暮らしがユーモアたっぷりに描かれています。
その中に、
朝鮮人の強制労働、
国、軍の情報統制、
広島の原爆が当時どのように
伝わっていたのか、
息子が戦死してしまう人、
終戦しても帰ってこない夫を待つ人...
登場人物は7名なのに
世情や人間模様がしっかり織り込まれています。
芝居はセリフに頼り過ぎず、
説明過多でないから思考を刺激されます。
芸達者な俳優さんたちの演技に味があり、
目の前で観ているから
自分も作品世界に入り込んだ感覚になりました。
河村竜也さんが
物資の補給も乏しい満州の前線で
ロシアの戦車に
サイダー瓶にガソリンを詰めた火炎瓶だけ
持たされて突撃したときの様子を語るシーンの
芝居の迫力には涙がこぼれた。
山田百次さんが上演前に
天変地異がありますが
仕込みですから。
と照れながら!?
言われていたその仕込みには
体感して結構ドキッとしました。
日めくりの存在感、
昭和新山の造形とライティング、
暗闇の効果など
手作りの工夫ってすごい力があるなと
素直に感動しました。
力強くて面白いこの芝居が
右傾化したこの国で
再び戦争する国への変貌が
国会の勢力図でも具現化してしまった
この夏に上演されることの意味。
若い演劇人が歴史をしっかり研究して書き上げ、
演技力のある若手俳優たちが演じていることの意味。
この作品の持つ力に希望が見えました。
古館寛治さんと
山内健司さんの
ツイートをご紹介しますね。
『麦とクシャミ』
は、
力強くて面白く
メッセージ性も今の時代にドンピシャ。
この作品に出合えて本当に良かった。
私は映画が大好きですが、
今年は演劇も積極的に観ています。
芝居も音楽も自分はライブが好きだと
改めて感じています。
7月に平田オリザの新作演劇
『ニッポン・サポート・センター』
深田晃司監督の『歓待』
篠崎誠監督の『SHARING』
で、河村竜也さんの演技を観ました。
そして彼自身のプロデュース作品
『麦とクシャミ』
を観て、お話しすることもできるとは
なんとグッドタイミングな嬉しい体験(^_^)v
9月にも彼の出演舞台『MONTAGNE/山』
があるので観に行きます。
追っかけか!?(^o^;)
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昭和新山の持ち主三松正夫さんの物語←クリック
火山誕生を見守り続けた郵便局長 三松正夫記念館←クリック
有珠山には行ったのですが
昭和新山には行っていなくて残念。
体は夏バテしていないけど、
映画を観るモチベーションが
このところ下がり気味です。
7月は劇場鑑賞33本でしたが
8月は20本台になりそう。
今月は美術展にたくさん行って
じっくり作品と向き合う時間を取ります。
ブログも久しぶりに2日開けてしまいました。
今月は色々と考えながら
試行錯誤しながら
になると思います。
今週劇場鑑賞した映画
『Junun』
「レディオヘッド」のギタリスト、
ジョニー・グリーンウッドが
イスラエル出身の音楽家シャイ・ベン=ツールと、
インドの精鋭ミュージシャンたちとコラボレーションした
レコーディングの模様を、
ポール・トーマス・アンダーソン監督が
記録したドキュメンタリー。
レディオヘッドの
新曲「Daydreaming」のミュージックビデオ
(35mmフィルム)
が、併映。
大音量上映!
目黒シネマで入れ替えなしだから、
2回通り観てきました。
音楽やってる人、
やってた人には分かると思う、
音楽が生まれる瞬間の醍醐味ってまさにコレ
みんな大好き某映画じゃ
あたしは満足できないの(^o^;)
『生きうつしのプリマ』
マルガレーテ・フォン・トロッタ監督と
バルバラ・スコヴァコンビと言えば
『ローザ・ルクセンブルク』
『ハンナ・アーレント』
バルバラ・スコヴァが
歌手役ってファスビンダーの
『ローラ』って、
思うけど、
『生きうつしのプリマ』はこのどれとも
作風が違いました。
主人公の売れない歌手(カッチャ・リーマン)の
母親にそっくりなオペラ歌手
カタリーナ(バルバラ・スコヴァ)は
いったい何者なの?という謎解きドラマ。
私は映画の劇中の人間関係を把握するのは
結構得意な方と思っているのですが、
今回はなぜかそれが上手くできず
俳優の年齢と役の設定年齢が頭の中で交錯して
「私、ボケたのかなぁヽ(;´Д`)ノ」
と思ったりしてるうちに
どんどん映画が進行してしまって
映画を味わうどころでなかったというのが
正直なところ。(苦笑)
ミステリーというより
家族の歴史をめぐる話でした。
トロッタ監督としては
多分新しい作風を狙ったと思うし、
『ローラ』にオマージュありそうだけど
考えるの面倒になった(><;)
『シリア・モナムール』
シリアからフランスに亡命した映画作家
オサーマ・モハンメドと、
シリアのホムス現地の様子を
カメラに収めたクルド人女性
ウィアーム・シマヴ・ベデルカーンが
SNSを通じて知り合い対話を重ねる。
シリアの人々が撮って
YouTubeにアップされた
殺す側、殺される側両方の
おびただしい映像の数々と
シマヴが撮影した映像が編集された
ドキュメンタリー。
「衝撃の~」といったコピー通りの
衝撃を受けることなど滅多にないけど
この映画は凄かった。(><;)
パンフレットに原一男監督が
「激しい嘔吐感と恐怖を覚えつつ見る映画なんて
久しぶりだ」
と書いているけど、これは本当に同感。
正視に堪えない映像もあった。
でもしっかり観てしまったから
嘔吐感と恐怖を覚えた。
同じ国の者同士が殺しあう地獄。
これがまだ続いているのだ。
どんより感に打ちひしがれながら
とぼとぼ帰ってきて、
眠ってもうなされたようだ。
凄いよ、この映画。
鑑賞した映画の短評は↓
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に鑑賞後随時投稿しています。
ぜひ読んで下さい。
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