フランス映画祭2016に参加中!
24日(金)から始まった
フランス映画祭2016に参加しています。
開会式を見たかったのですが、
24日の開会式とオープニング『太陽のめざめ』は、
うっかりネット発売の時間を過ぎてしまい
完売になっていたので
2日目からの参加です。
今年上映の新作は1本(『愛と死の谷』)を除き
日本公開が決まっている作品なので、
コンプはせず6本選びましたよ。(^o^;)
一般公開が決まっている作品ばかりでは
ゲストトークのある有料試写会みたいなので、
映画祭でなければ
紹介されないような作品を
本当は観たいところです。
2日目の25日(土)に
観たのは昨年のカンヌ映画祭
コンペティション部門出品作品の
ギヨーム・二クルー監督
イザベル・ユペール、
ジェラール・ドパルデュー共演の
『愛と死の谷』
(原題:Valley of Love バレー・オブ・ラブ)
2016年セザール賞撮影賞受賞。
↓「愛と死の谷」トレーラー
劇中に「太ったわね」というセリフがあるのですが、
ジェラール・ドパルデューは
すごく巨大化してました(゚_゚i)
ジェラール・ドパルデューは
すごく巨大化してました(゚_゚i)
随分前に離婚し、
お互い新しい家庭築いている
ジェラールとイザベル。
2人の息子ミカエルは彼らとは疎遠で
アメリカで写真家をしていたが、
半年前に自殺してしまった。
ミカエルは2人に自分が死んだ後、
11月の指定する1週間に
カリフォルニアのデスバレーの
指示する場所に来て欲しい。
自分と会えるから。
という奇妙な手紙を残していた。
数年ぶりにデスバレーで再会した
ジェラールとイザベル。
息子に会えるのではないかと考えている
イザベルに、
そんなことはありえないというジェラールだったが...
フランスの大スター
イザベル・ユペールと
ジェラール・ドパルデューが
35年ぶりに共演したことでも
話題になりました。
不可能なことでも
息子を愛しているために
息子との再会を信じる母親に
現実主義の父親が影響されていきます。
イザベル・ユペールと
ジェラール・ドパルデューの
存在が語る演技が
素晴らしかったです。
フランス人の元夫婦の2人が
苛酷な自然条件と
不思議なランドスケープの
デス・バレーで
愛と死に向き合い
2人の関係性も変化して行く様が、
何気ない日常会話や仕草で
表現された、繊細で、そして
風景にもドラマにも
奥行きを感じた作品でした。
イザベル・ユペールは
フランスに帰ったら
ミヒャエル・ハネケ監督の
ジャン=ルイ・トランティニャン
マチュー・カソヴィッツ共演
「ハッピー・エンド」(Happy End)
を撮影するそうです。
ハネケ監督らしい皮肉な題名とのことです。
席が後ろの方だったので、
望遠で写りが悪くてすみません。
実生活で息子ギヨームを亡くしている
ジェラール・ドパルデュー。
ギヨーム・二クルー監督は
ジェラールが脚本を読む前に
躊躇するのではと思ったが
全く問題はなかった。
息子の死を受け止めていて、
ジェラールは監督にギヨームの事を
良く話してくれたそうです。
自分の体験を活かして
この役を生きてくれました。
と、監督は語りました。
デス・バレーの現地でロケされたこの作品は、
撮影中昼も夜も気温が50度もあったそうですが、
イザベル・ユペールは
3週間の約束通りの撮影期間であったし、
汗を流すのも人間の自然な姿であり、
肉体的な試練も大きな苦しみでは
なっかたと語りました。
ジェラールのような良い俳優との共演は
すべてがスムーズに進むそうです。
イタリア映画祭のサイン会は
並んでいれば
ゲスト全員のサインをもらえましたが、
フランス映画祭のサイン会は
前売り券を買ってその番号で
作品ごとに申し込んで
抽選で当たります。
残念ながら『愛と死の谷』のサイン会は
外れてしまいました。(´□`。)
でもサインをしている時に写真は撮れました。
人がたくさん前にいるので、
なかなかタイミングも合わず
上手く撮れませんでしたが、
そのなかでもよさ気なショットを貼っておきますね。
イザベル・ユペールは想像してたより小柄で
すごく細かったです。
知的で弁が立ち
ナチュラルな存在感がとても素敵でした。
大スターを目の前で見られて嬉しかったです。(^_^)v
↓「モン・ロワ」トレーラー
2本目は
マイウェン監督の
「モン・ロワ」(原題:Mon roi)
直訳すると「私の王様」
出演:エマニュエル・ベルコ、ヴァンサン・カッセル、
ルイ・ガレル、イジルド・ル・ベスコ
こちらも昨年のカンヌ映画祭の
コンペティション部門出品作で、
監督としても活躍している
主演のエマニュエル・ベルコが女優賞を
『キャロル』のルーニー・マーラと
2人受賞でした。
マイウェン監督は
2011年に「パリ警視庁:未成年保護部隊」で
カンヌ映画祭審査員賞を受賞。
子役から女優としても活躍。
『レオン』に出演して
リュック・ベッソン監督と
1993~1997年に結婚で娘が1人います。
マイウェン監督とエマニュエル・ベルコ
今回のフランス映画祭
オープニング作品で8月公開の
『太陽のめざめ』
は、エマニュエル・ベルコの監督作品で
昨年のカンヌ映画祭のオープニング作品でもありました。
↓『太陽のめざめ』予告動画
主演はカトリーヌ・ドヌーブ。
フランス映画祭には、
少年マロニーを演じリュミエール賞、セザール賞で
新人賞を受賞したロッド・パラドが来日しました。
青田買い確定の美形ですね(笑)
ややこしくなりましたが、
監督、女優のマイウェン監督の「モン・ロワ」で
監督、女優のエマニュエル・ベルコは
カンヌ映画祭女優賞を受賞。
エマニュエル・ベルコ監督作品が
『太陽のめざめ』です。
で、私が観た「モン・ロワ」の
話に戻します。
「モン・ロワ」のあらすじ
弁護士のトニーはスキー事故で大けがを負い
リハビリセンターに入院する。
リハビリを続ける中、
元夫ジョルジオとの波乱に満ちた関係を振り返る。
これほどまでに深く愛した男は
いったい何者だったのか。
なぜ、ふたりは愛し合うことになったのか。
10年前、トニーはかつて憧れていた
レストラン経営者のジョルジオとクラブで再会し、
激しい恋に落ちる。
瞬く間に意気投合したふたりは、
電撃的に結婚を決め、トニーは妊娠するが…。
(フランス映画祭公式サイトより)
トニーとジョルジオが
深く愛し合い
自然に笑っていられたのは束の間でした。
ジョルジオの元恋人のアニエスが
自殺未遂をします。
元々精神的に不安定で
抗鬱剤やドラッグをやめられない
アニエスを
別れた後も面倒を見ていたジョルジオは、
責任を感じて身重のトニーより
アニエスの心配をして
アニエスの世話がしやすいように
家を出て行くと言い、
トニーとは別居生活となる。
息子が生まれアニエスの命名で
シンドバットと名付けられる。
自分勝手な行動ばかりの
ジョルジオに
両親がいることが息子には大事だと
耐えていたトニーでしたが、
ついに堪忍袋の緒が切れて
離婚することに...
10年は長いようで短いですよね。
トニーとジョルジオの10年は
波乱万丈で大変な10年でした。
激しい愛情が変化して行く過程、
修羅場を経験して
別れて関係性が変わり
愛情も優しさに変化して行く様が、
現在のトニーの
リハビリの流れに沿って丁寧に、
でもテンポよく端的に描かれています。
主演2人から目が離せませんでした。
トニーの弟のルイ・ガレル、
リハビリセンターの
患者仲間の好青年たちなど、
細かいところも書きたいことが
まだまだたくさんあります。
マイウェン監督は
この作品のプランは10年前からあって、
処女作になるはずだったそうです。
熱愛から別れまでを撮りたかったけど、
甘ったるくなりがちな
カップルの幸せなシーンを
撮る自信がなかったそうです。
この映画の冒頭で
スキーで転び膝に大怪我をして
リハビリセンターに入院した
トニーが医師に
膝は後ろにしか曲げられない。
膝の痛みは人生を前向きに
考えられなくすると言うシーンがあります。
監督は膝は後ろにしか曲げられず
過去と結びつくということから、
この作品は手を付けるだけ
脚本を書くだけのことだったと
気付いて脚本を書いたそうです。
エマニュエル・ベルコと
ヴァンサン・カッセルに
当て書きしたそうです。
エマニュエル・ベルコは脚本を読み込み
暗記してメモを携えて、
万端の準備をして
現場で無駄なことをしたくない、
ベストな演技を差し出したいと考える人で、
監督として参加する感じで
自分をコントロールしようとしていた。
ヴァンサン・カッセルとの共演も
プレッシャーになり
優等生的に殻に閉じこもっていた。
なので、マイウェン監督は
エマニュエル・ベルコのバランスを
崩そうとしたそうです。
逆にヴァンサン・カッセルは
脚本ちゃんと読んで来たかな?
と、心配したくらいで、
「今日僕は引っ越しのシーン?
別れるシーン?」
と、軽やかにせかせかと
セットの中を歩き回っているが、
いざ本番となると
さっと役に入り込んで
素晴らしい演技をするそう。
ジョルジオの役に入り込んで演じる
猛獣のような人で、
現場はジャングルのようだったと、
監督は語りました。
マイウェン監督のサイン会には当選して
サインもらいました。
フランス映画祭2016では
あと4本観ます。
『愛と死の谷』以外の新作は
日本公開が決まっていますし、
できたら1本ずつ書きたいです。
『二重生活』試写会で観たから
早く感想記事もUPしないといけないけど、
あとフランス映画祭で
26日2本、27日2本観ます。
フランス映画祭2016
上映作品
新作
『太陽のめざめ』
『ミモザの島に消えた母』
『The Final Lesson(仮題)』
「愛と死の谷」
『モン・ロワ(原題)』
『アスファルト』
『アンナとアントワーヌ
愛の前奏曲プレリュード』
『ショコラ!(仮題)』
『めぐりあう日』
『パレス・ダウン』
『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』
『エヴォリューション(仮)』
「愛と死の谷」以外は一般公開が
決まっています。
旧作
『パリはわれらのもの』
(ジャック・リヴェット長編デビュー作)
今週劇場鑑賞した映画
『帰ってきたヒトラー』
挑戦的なブラック・コメディー
笑ってはいられなくなる怖さも。
『二重生活』
門脇麦が尾行する
いかにもいそうな地味な大学院生を
魅力的に演じています。
『葛城事件』
家族に拘り続け家族を失った
専横的な父親を
三浦友和が渾身の演技で。
『マネーモンスター』
エンタメ映画観たな~って
満足感を味わった。
99分!女性がカッコイイ!
さすがジョディ・フォスター
『64 ロクヨン 後編』
エンタメ映画観たな~って
満足感を味わった。
永瀬正敏に助演男優賞あげたい。
大西信満も活躍で、
足立智充、小水たいが
『蜃気楼の舟』コンビも出てる。
『夢野久作の少女地獄』
『ドグラ・マグラ』
『愛と死の谷』
『モン・ロワ』
鑑賞した映画の短評は↓
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に鑑賞後随時投稿しています。
ぜひ読んで下さい。
毎週月曜日に「なう」への投稿が
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