『クリーピー 偽りの隣人』
2016年製作
日本映画
TOHOシネマズ川崎で鑑賞
↓『クリーピー 偽りの隣人』予告動画
監督:黒沢清
編集:高橋幸一
製作総指揮:大角正
製作:深澤宏
住田節子
赤城聡
石田聡子
原作:前川裕
脚本:黒沢清
池田千尋
撮影:芦澤明子
美術:安宅紀史
音楽:羽深由理
出演:
西島秀俊
竹内結子
川口春奈
東出昌大
香川照之
藤野涼子
戸田昌宏
馬場徹
最所美咲
池田道枝
佐藤直子
笹野高史
あらすじは...
自分の拘りからの失態で、
刑事をやめ、
犯罪心理学の大学教授になった
高倉(西島秀俊)は、
妻康子(竹内結子)と愛犬マックスと
引っ越した。
隣人西野(香川照之)には
中学生の娘澪(藤野涼子)がいた。
康子にも高倉にも
西野は風変わりな態度を取る。
高倉は6年前に発生した
「日野市一家失踪事件」に
興味を持つ。
高倉の元同僚の野上(東出昌大)が
1人残された当時中学生だった
早紀(川口春奈)に話を聞くために
高倉に協力を求めてきた...
黒沢清美学が込められた画面作りや
光の効果などとても凝っていて
画面に集中しました。
異世界な雰囲気が不気味でとてもいい感じでした。
原作をかなり脚色してあるようなので
映画は映画として楽しめると思います。
脚本は私が応援している池田千尋監督と
黒沢清監督です。
(池田監督は黒沢監督の東京藝大での教え子)
竹内結子、藤野涼子の女性陣が特に魅力的
と感じました。
私は『サイドカーに犬』2007年
根岸吉太郎監督の
竹内結子が色っぽくて好きです。
『クリーピー』でも
「色々諦めてしまった」人妻感が途中から
グググッと出て来て、
すごく色っぽくなります。
こういう難しい役を
もっとどんどん演じて欲しいです。
藤野涼子さんは、
今年の「毎日映画コンクール」の授賞式で
スピーチを聞きましたが、
本当にしっかりしていて、
今後の活躍が楽しみな女優さんと思い、
本作での彼女がどんなか期待してました。
そして上手いなあと感心しました。
香川照之の「娘」を演じ普通に見せてるところ、
チラシにもある
「あの人お父さんじゃありません。
全然、知らない人です。」
と、西島秀俊に言うシーン、
魂がなくなってる感じで、
香川照之の命令に従っているところや
ラストシーンなど
複雑な人格がそれぞれ素晴らしい演技でした。
第70回毎日映画コンクール表彰式
綾瀬はるか、長澤まさみ、藤野涼子、
桃井かおり、ももクロ他で華やか←クリック
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↓『サイドカーに犬』予告動画
香川照之(『蛇の道』『トウキョウソナタ』)
西島秀俊(『ニンゲン合格』『LOFT ロフト』など)は、
監督も言ってますが、
昔の黒沢清監督作品(上記した)
頃から変わらないですよ。
安定感があります。
(『クリーピー』はホラー的に怖い映画ですが、
『蛇の道』は人間の怖さにゾクッとします。)
黒沢清監督が西島秀俊と
役所広司の“対決”あおる?←クリック
ホラー映画ファンは
安心して観られる完成度。
グロさや怖さはビビる程ではないとは思います。
でも、ホラーが苦手であまり慣れていない人は
心構えがいるのかもしれません。
製作委員会方式で松竹配給の大作だから、
黒沢清監督節は少々薄めで
後味も悪くないエンタメスリラーです。
...と、私は思うのですが、
後味悪いと言う感想も目にします。
ということは、
後味悪い映画好きにもおススメってことで!
あのエピソード(川口春奈演じる早紀)
フェイドアウトしちゃったのかな?
と思ってしまった所でしたが、
よく思い返してみると、
ああ、そうだったんだ。
私、ダメじゃん(笑)
だったりして、
黒沢清監督は大作でも
楽しませてくれます。
クリーピー(creepy)は
ゾクゾクする、気味悪い
といった意味。
こけおどしで怖がらせるのでない
じわじわ怖いホラーです。
康子にも高倉にも
一貫性のない態度を取る
西野の行動は実は計画性のあるものだった...
早紀は失っていた事件当時の記憶を
だんだん取り戻すが...
料理上手な康子に
澪が料理を教えてもらう
ということで、
高倉家に入り込んでくる西野。
澪はある日高倉に
謎の告白をする。
東出昌大はいつもと違い
生気のないぬぼ~とした雰囲気で
野上を演じます。
この野上刑事も
笹野高史演じる谷本刑事も
ちょっとうかつに見える行動から
大変なことに...
このスチール写真だと
明るいですが、
西野の家の中は暗くて異様で不気味感満載。
黒沢監督と組んできた
芦澤明子のカメラが
普通の風景を映す時も
異界感を醸し出しています。
光が、明るい所でも
暗い所でも
独特の不気味さのある
黒沢ワールドルックを演出しています。
突然のこのシーンは
ビクッとしました。
蒼井優、黒木華、藤野涼子は
昭和顔!?な演技派で、
前にも書いたけど
藤野さんは山田洋次監督作品に出そう。
今週劇場鑑賞した映画
『帰ってきたヒトラー』
挑戦的なブラック・コメディー
笑ってはいられなくなる怖さも。
『二重生活』
門脇麦が尾行する
いかにもいそうな地味な大学院生を
魅力的に演じています。
『葛城事件』
家族に拘り続け家族を失った
専横的な父親を
三浦友和が渾身の演技で。
『マネーモンスター』
エンタメ映画観たな~って
満足感を味わった。
99分!女性がカッコイイ!
さすがジョディ・フォスター
『64 ロクヨン 後編』
エンタメ映画観たな~って
満足感を味わった。
永瀬正敏に助演男優賞あげたい。
大西信満も活躍で、
足立智充、子水たいが
『蜃気楼の舟』コンビも出てる。
鑑賞した映画の短評は↓
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ぜひ読んで下さい。
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ヴィゴ・モーテンセン新作「キャプテン・ファンタスティック」
マット・ロス監督
マックスを演じたのは
ラブラドゥードル犬(プードルとラブラドール・レトリーバーの
交配から作られた犬種)
のバブ君(3歳)
大活躍です。
監督は撮影にてこずって
大変だったとのこと。U^ェ^U