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ディストラクション・ベイビーズ/殿、利息でござる!/ヘイル、シーザー! 感想

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『ディストラクション・ベイビーズ』

『殿、利息でござる!』

『ヘイル、シーザー!』













『ディストラクション・ベイビーズ』予告動画


『ディストラクション・ベイビーズ』

監督:真利子哲也
編集:李英美
製作:椎木隆太
森口和則
太田和宏
大和田廣樹
王毓雅
阿南雅浩
西ヶ谷寿一
西宮由貴
小田切乾
石塚慶生
脚本:真利子哲也
喜安浩平
撮影:佐々木靖之
美術:岩本浩典
音楽:向井秀徳

出演:
柳楽優弥
菅田将暉
小松菜奈
村上虹郎
池松壮亮
北村匠海
岩瀬亮
キャンディ・ワン
テイ龍進
岡山天音
吉村界人
三浦誠己
でんでん
高野春樹
玉井英棋
加藤幹夫
六車勇登
松浦祐也
松浦新

愛媛県松山が舞台。
家出してケンカに明け暮れる泰良(柳楽優弥)
泰良を探す弟の将太(村上虹郎)
泰良と行動することになる
高校生の祐也(菅田将暉)
キャバクラ嬢の那奈(小松菜奈)

刹那的、衝動的な殴り合いを繰り返す若者を
柳楽優弥が演じます。
佇まいで語れる若手俳優では群を抜いてる
彼にぴったりの役。
チラシには「衝撃作」の言葉が躍りますが、
衝撃度だけを期待しない方がよいと思う。
しっかり作り込まれた作品です。
人気俳優、ベテラン俳優が出演で、
安心して観ていられる青春群像劇。
定石の青春映画と違うのは、
行動を共にする3人が成長などしないこと。
でも、後味は悪くありません。

カメラの佐々木靖之の仕事に注目しました。
この人が撮った映画は先月『蜃気楼の舟』
観たのですが、
監督の経験もある人。(PFFに出品)
本作ではライティングも自分で計算しているそうです。
フィルム撮影したような処理が後でされていますが、
それも計算した上でのライティングをしているのでしょう、
陰影のあるルックが素晴らしかったです。
インディー系の作品への参加が多いですが、
今後の活躍に期待したいです。
構図や抜け感、ランドスケープの見せ方など
上手いです。
撮り方の方法論で映画を語りたい方には
ぴったりな作品ではないでしょうか。
映画全体の構成の中で浮いて見える
演出の個所もありましたが、
それも多分監督の狙いだと感じました。

この映画については
また書きたいと思っています。
柳楽優弥、菅田将暉、小松菜奈
がいいですよ。
主人公の弟役村上虹郎は柳楽優弥と似ていて
本当の兄弟のようです。

村上虹郎と柳楽優弥


それにしても
三津浜の港をぷらつく
でんでんさんの地元のおっさんぶりの
カッコ良さは流石で痺れました。








『殿、利息でござる』

監督:中村義洋
編集:川瀬功
製作総指揮:大角正
両角晃一
製作:池田史嗣
三好英明
鎌田恒幹
原作:磯田道史
脚本:中村義洋
鈴木謙一
撮影:沖村志宏
美術:新田隆之
音楽:安川午朗

出演:
阿部サダヲ
瑛太
妻夫木聡
竹内結子
寺脇康文
きたろう
千葉雄大
橋本一郎
中本賢
西村雅彦
山本舞香
岩田華怜
堀部圭亮
斉藤歩
芦川誠
中村ゆうじ
上田耕一
重岡大毅
羽生結弦
松田龍平
草笛光子
山崎努
ナレーター:濱田岳

分かり易くて面白い史実ドラマで
往年の松竹らしい人情劇でもあり、
誰でも安心して観られるから
これはヒットしてますね。
お上に盾突くのでなく
共存しようというドラマなので
今の日本(除く沖縄)
の空気感にも合っているのでしょう。
中村義洋監督の映画は00年代までは
殆ど全部観てたけど、
その後は観てないのもあり
近年は今回主演の阿部サダヲが同じく主演だった
『奇跡のリンゴ』←クリックで私の記事へ
以来となった今作鑑賞でした。
自分の記事を読み直して思い出したのですが、
『奇跡のリンゴ』でも阿部サダヲと
山崎努さんが親子だったのでしたね。
ここ数年邦画のヒット作を殆ど見ていないからか、
最近はインディー映画に出ていない若い俳優が
分からなくなってきていることを
この映画でも初めて見た若い俳優が何人かいて
思い知った次第です。
でも、羽生結弦くんは分かるよ~(笑)
銀盤での演技力、存在感が
映画でも光ってますね。
浜松時代に原作の磯田道史氏が教授をしていた
静岡文化芸術大学に徒歩1分の所に住んでいました。
ベランダからどか~んと見えたのが大学でした。
(ってどうでもいい話f^_^;)























↓『ヘイル、シーザー!』予告動画


↓『ヘイル、シーザー!』トレーラー


↓『ヘイル、シーザー!』トレーラ日本語字幕付き
こちらの方がコーエン兄弟的で面白い予告


『ヘイル、シーザー!』

監督・脚本:ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
編集:ロデリック・ジェインズ
製作総指揮:ロバート・グラフ
製作:ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
ティム・ビーヴァン
エリック・フェルナー
撮影:ロジャー・ディーキンス
音楽:カーター・バーウェル

出演:
ジョシュ・ブローリン
ジョージ・クルーニー
アルデン・エーレンライク
レイフ・ファインズ
スカーレット・ヨハンソン
チャニング・テイタム
フランシス・マクドーマンド
ジョナ・ヒル
ヴェロニカ・オソリオ
ティルダ・スウィントン
ヘザー・ゴールデンハーシュ
アリソン・ピル
クリストファー・ランバート


これは1950年代のハリウッドで
「何でも解決屋」裏方のプロデューサー
エディ・マニックス(ジョシュ・ブローリン)が
次々に起こる難題の解決に奔走する
1日の姿を描いています。
1950年代のハリウッド映画の知識が全くないと
面白くないかもしれません。
私も詳しい方ではありませんが、
コーエン兄弟のハチャメチャ系コメディーも好きだし、
最初のビッグバジェット作品で
お金かけたのに興行的には失敗だった
『未来は今』(1994年)もかなり好きだったりするから、
今回も細部までにこだわりまくった作り込みを
楽しみましたよ。
アドリブに見えてもアドリブなんて
絶対に許さないのがコーエン兄弟。
こだわったセリフの数々が面白いです。
3番目に貼ったトレーラーにもある
アルデン・エーレンライクと
レイフ・ファインズの台詞の応酬は特に愉快です。
映画撮影中のスタジオの再現は
端っこの方のスタッフの動きにまで神経が行き届いていて、
カメラが横断する様子なども含めて、
まるでスタジオ見学している気分になれるサービスです。
しかもその再現された当時のスタジオで
撮ってる感を出したシーンもあって凝っています。
それはチャニングのタップダンスシーンと
スカ子の水中ダンスシーンだけじゃないのよ。
時代考証的にちょっと合わない部分もあるかなですが、
作品を損なっている訳ではありません。
エラそうにと思われたら申し訳ないけど、
つまらないと言っている人は
1950年代のハリウッド映画の知識がない、
この時代の世界情勢の歴史に疎い、
コーエン兄弟の映画の多様性と
その楽しみ方を知らない。
といった要因があると想像できますから、
まだご覧になっていない場合は、
クチコミ的な低評価は気にしないで
ご覧になれば良いと思いますよ。
参考に『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』(7月22日公開)
とセットで観ると良いですよという町山智浩さんの解説を
貼っておきますね。

↓町山智浩:映画「ヘイル・シーザー」
「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」を解説


↓チャニングが猛特訓したという
ミュージカルシーンの歌の動画





image


赤狩りの犠牲になった実在の脚本家たち
「ハリウッド・テン」と
彼らをモデルにした
『ヘイル、シーザー!』に出てきた脚本家たち。
映画では共産主義もちゃかして
笑のネタにしています。


先週観た新作映画の短評でした。
あと先週はアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の
『世紀の光』も観ましたが、
彼の作品については今月観た『光りの墓』と合わせて
書きたいと考えています。
いつになるか分からないですが...(^o^;)
私はアピチャッポン好きです。
難しく考えて観ませんしね。
独特のスタイル、ユーモアが面白いです。
『世紀の光』
二重性を探求する構造を使った三作目の映画と監督。
『光りの墓』と シンクロする部分もあります。
アピチャッポン作品は
映画からはみ出している事象や
他作品でも繰り返し使われるモチーフを
探すのが楽しみになっています。
『世紀の光』には、
『光りの墓』にかすかに感じる
不安な雰囲気はまだないです。


今週劇場鑑賞した映画

『ディストラクション・ベイビーズ』

『君がくれたグッドライフ』


ディストラクション~は今週観ましたが上記に
書きました。
『君がくれたグッドライフ』は
ユーモアも添えられ映像も美しく思慮を促す誠実な作品。
でも個人的にはこのテーマの
違った展開の映画をそろそろ観たいです。
そして今まで観てきた
安楽死を扱った映画を
「泣けた」「感動した」「考えさせられた」
といったような
簡単な言葉で語りたくはありません。
また別の機会に書こうと思います。



鑑賞した映画の短評は↓

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に鑑賞後随時投稿しています。
ぜひ読んで下さい。

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