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Channel: 映画時光 eigajikou
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アレノ 感想山田真歩体当たりの濡れ場も熱演で新しい魅力発揮。ロマポ+フランス映画で静かな雰囲気。

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『アレノ』

2015年製作 日本映画
ケイズシネマで鑑賞







↓『アレノ』予告動画


監督越川道夫
脚本越川道夫 、 佐藤有紀
原案エミール・ゾラ
製作畠中鈴子 、 清野恵里子
プロデューサー奥田佑子 、 財前健一郎
撮影戸田義久
音楽澁谷浩次
録音山本タカアキ
編集菊井貴繁
衣装伊藤佐智子
ヘアメイク寺沢ルミ
助監督渡辺直樹
制作担当金子堅太郎

出演:
山田真歩
渋川清彦
川口覚
内田淳子
遊屋慎太郎
諏訪太朗

フランスの文豪エミール・ゾラの名作
『テレーズ・ラカン』。
これまで何度も映画化された
メロドラマの原点とも言うべき小説をもとに、
舞台を現代日本に置き換え、
新たな映画が誕生した。
主演は、NHK連続テレビ小説「花子とアン」の
宇田川先生役が記憶に新しい山田真歩。
その愛人を、
数々の監督に愛される個性派・渋川清彦、
夫を蜷川幸雄演出『ハムレット』(2012)の
ハムレット役に抜擢された川口覚が演じる。
監督は、これまでプロデューサーとして
『かぞくのくに』『夏の終り』『楽隊のうさぎ』を
作り出してきた越川道夫。
撮影の戸田義久、音楽の澁谷浩次(yumbo)をはじめとする
気鋭のスタッフが、
16mmフィルムで撮影された
ざらついた映像に女と男たちのすれ違う思いと、
官能の姿を描き出した。
愛されたことのないものは、
それが「愛」だと気づくだろうか?

[あらすじ]
夫を殺さなければならない。
妻とその愛人は、そう思った。
幼なじみだった3人が再会し、
妻と愛人が夫の存在を邪魔だと思うまでに、
そんなに時間はかからなかったのだ。
そして、病弱な夫を湖に突き落として殺そうとしたその時、
三人はボートもろとも転覆してしまう。
やっとのことで岸にたどり着くふたり。
しかし、そこに夫の姿はなかった。
夫は溺れて死んだのか? 
ふたりは、湖畔のラブホテルに宿をとり、
夫の溺死体があがるのを待つことにするのだが…
(公式サイトより)



エンドロールを見ていて、
スタッフ殆ど一緒だなと思った。
あの映画と。
越川さん監督すればいいのにと
あの撮影を見た時思ったけど、
監督デビュー作は
山田真歩主演できました。

共同脚本は『ヘブンズ・ストーリー』の
佐藤有紀。

この映画はセリフは少ないし、
説明的な作品でもないし、
エンタメ映画ではありません。
分かりにくい映画が苦手な人、
「何を言いたいのか分からない」
と、よく思うタイプの方には
おすすめしません。

『ヘブンズ・ストーリー』や
『ドライブイン蒲生』が好きな人には
向いているかナ。

いい意味で文学青年が撮った
大人のフランス映画の雰囲気。
越川監督は私と同年なので
年齢的には青年ではないかもですが(失礼)
精神的には永遠の文学青年じゃないでしょうか。


山田真歩主演映画といえば、
『SRサイタマノラッパー2
女子ラッパー☆傷だらけのライム』



SRサイタマノラッパー2女子ラッパー☆傷だらけのライム [DVD]/
山田真歩,安藤サクラ,桜井ふみ


中性的な雰囲気が魅力の彼女ですが、
『アレノ』では
ばしっとヌードで濡れ場も熱演。
(本作はR18です)
無表情の下に複雑な心理を伺わせる難しい役で、
今まで見たことのない山田真歩です。
新しい魅力を発揮しています。

愛人役の渋川清彦はイイカゲンそうなダメンズ。
でも、ナイーブな暗さも秘めた役を
いつものようにナチュラルに演じています。

夫役の川口覚は、
ずぶ濡れで何度も出てきます。
死んでいるであろう彼に
実は一番人間ぽい存在感があったりします。
独りで缶ビールを飲んでいて
こぼしてしまう渋川さんの
面倒をみる所などは愛を感じてしまった。

姑役の内田淳子さんは静かに怖いです。

撮影は昨年12月20日~24日に
神奈川県の相模湖周辺で。
大雨も降って、
晴れている時もとても寒そう。
俳優さんたち大変だったと思いますが、
その寒そうな感じがこの映画にとても合っている。

16ミリフィルムで撮影されていて、
にっかつロマンポルノのような
雰囲気もあります。
監督と何度か仕事をしている
戸田さんのカメラ
録音の山本タカアキさんの
繊細な光、音を表現した仕事が素敵です。

渋川さんが救出された時に言うセリフに
はじめ違和感があったのですが、
これが繰り返し出て来て鍵になる
重要なセリフなのでした。

「yumbo」澁谷浩次さんの音楽が
耳に残ります。
最後に流れる曲の
ピアノのわざと外したような一音が
心に深く沈んで行きました。


解釈好きな人には
いくらでも解釈の楽しみがあるだろうし、
感じて観るのが好きな人には
あとを引くようなタイプ。

小さいですが、
印象的な映画です。










川口覚、山田真歩、
渋川清彦、越川道夫監督






越川監督は浜松出身。
シネマイーラとも関係のある方で、
お話ししたことがあります。

才能ある女性をサポートする力のある
日本のオリヴィエ・アサイヤスのような人だ
なんて言ったら褒めすぎですか?
これからもインディー日本映画界を牽引して下さい。
応援しています。


16ミリフィルムで撮影された
ざらついた映像が作品世界に合っています。
それとはまた別に、
パンフに載っているスチール写真
とても綺麗で素敵です。


image














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お下品なジェームズ・フランコとニャンコで
メリー・クリスマスクラッカー


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