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わたしに会うまでの1600キロ感想リース・ウィザースプーンが苛酷なハイクも濡れ場も身体を張り熱演

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『わたしに会うまでの1600キロ』

原題:Wild
2014年製作 
アメリカ映画
TOHOシネマズ川崎で鑑賞










↓『わたしに会うまでの1600キロ』予告動画


↓「Wild」公式トレーラー


原題:Wild

2014年製作 アメリカ映画

監督:ジャン=マルク・ヴァレ
編集:マーティン・ペンサ
ジョン・マック・マクマーフィー
製作:ブルーナ・パパンドレア
ビル・ポーラッド
リース・ウィザースプーン
原作:シェリル・ストレイド
脚本:ニック・ホーンビィ
撮影:イヴ・ベランジェ
音楽:スーザン・ジェイコブズ

出演:リース・ウィザースプーン
ローラ・ダーン
トーマス・サドスキー
ミキール・ハースマン
ギャビー・ホフマン
キーン・マクレー
ケヴィン・ランキン
W・アール・ブラウン

気軽な山歩きの経験すらないのに、
何のトレーニングもせず、
1600キロ踏破に挑んだ女性。
アメリカ西海岸を南北に縦断する自然歩道
パシフィック・クレスト・トレイルという
過酷なコースを歩いたシェリル・ストレイド。
彼女がその途方もない体験をまとめ、
世界を驚きと称賛で包んだベストセラーの映画化。
リース・ウィザースプーンが主演女優賞、
ローラ・ダーンが助演女優賞、
に、それぞれ今年のアカデミー賞でノミネートされた。
『ダラス・バイヤーズクラブ』の
ジャン=マルク・ヴァレ監督作品。

あらすじは...
亡くなった母親と、自分自身とに向き合うため、
苛酷なパシフィック・クレスト・トレイルを
歩いてみましたよ...
ってことです。

以下詳しいネタバレはしませんが、
予備知識は一切入れないで観たいという方は、
ご覧になってからまた読んで下さい。



シェリルの母ボビー(ローラ・ダーン)は
酒乱の夫から逃げ
シングルマザーでシェリル(リース・ウィザースプーン)
と弟リーフ(キーン・マクレー)を育てました。
いつも明るく楽天的な母は、
シェリルと同じ大学に同時期に入って
学んだ前向きな人。
しかし45歳の時、ガンで亡くなります。
シェリルは母を亡くしたショックから、
ヘロイン中毒と、
夫ポール(トーマス・サドスキー)以外の
男性たちとのセックス依存症になり、
誰の子か分からない子どもを妊娠してしまう程の乱脈ぶり。
優しそうなポールも我慢の限界で2人は離婚。
どん底のシェリルは以前から気になっていた、
アメリカの三大長距離自然歩道のひとつ
メキシコ国境からカナダ国境までの
パシフィック・クレスト・トレイルを歩くことにしました。

映画は歩く彼女の様子が描かれ、
彼女の回想が挿まれます。

作家(『ハイ・フィデリティ』『アバウト・ア・ボーイ』他)
で脚本家(『17歳の肖像』)でもあるニック・ホーンビィが、
(原作を読んでいませんが、)
生命力と知性とユーモアのある原作を
ミステリー仕立てで脚色して成功していると思います。
つかみがすごく上手いです。
彼女のひととなりが
だんだん分かってくる構成も巧み。

手持ちカメラでシェリルの視線を活かした撮影は、
ありがちな自然の光景の俯瞰映像を多用せず、
トレイルコースの空気感が伝わる
自然なルックが印象的です。
録音や音響効果も
観客がシェリルと一緒に
歩いているような感覚を持つ
リアルな繊細さがあります。
音楽のセンスもとても良いです。

リースは苛酷なトレイルの
道中の様子は勿論の事、
セックス依存症で乱脈ぶりな濡れ場も、
しっかり脱いで体を張って演じています。
リースがアカデミー賞主演女優賞を受賞した
『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』は、
ジョニー・キャッシュを演じた
ホアキン・フェニックスも主演男優賞にノミネート。
ホアキン演のジョニーの伝記映画だから、
リースは助演じゃない!?と思いましたが、
今回は文句なしの主演。
自分もプロデューサーである作品で
主演女優賞ノミネート。
大熱演ですから
きっと受賞したかったでしょうね。
今年リースの出演映画は、
ホアキンとまた共演した
『インヒアレント・ヴァイス』
『グッド・ライ いちばん優しい嘘』
と本作で3本観ましたよ。

アカデミー賞助演女優賞にノミネートの
母親役ローラ・ダーンは、
娘も通う大学でフェミニズムを学びながら
仕事も家事も子育ても手を抜かない
昔かたぎで、優しく明るい笑顔が素敵な母親を好演。
やっと誰かの妻や誰かの母親じゃない、
自分自身の人生を生き始めたところで
突然人生の終りが来てしまった無念さを
語るところはぐっときましたよ。
『きっと、星のせいじゃない』の母親役では、
娘がガン患者で立場が逆だけど、
でも正直、演技の質が『わたしに会う~』と
そんなに違うとは感じませんでした。

この作品は自然の光景が素晴らしいので、
映画館のスクリーンで
鑑賞するのに向いていますから、
映画館での鑑賞をおススメします。



物書きを目指していたシェリルは
スケッチブックにぎっしり日記を書いていました。
それが、後のベストセラーの元に。


シェリルの荷物多過ぎ!
シェリルはREI(レクリエーショナル・イクイップメント)の
トレッキングブーツを履いていました。
私は20代の頃、円高だったから、
REIの商品はアメリカの通販で買ってましたよ。
昔使った寝袋やストーブ、食器などのアウトドア用品、
まだ災害時用にとってあります。
トレッキングブーツはまだあるけど
Tevaのサンダルはフリマで売っちゃった。








原作者のシェリル本人が歩いた当時の写真




シェリル本人とリース。
体格違うけどリースは雰囲気出してます。


今までのリースのイメージと違う、
こんな場面も(°Д°;≡°Д°;)













原作者シェリル本人とリース、ローラ。






アメリカの国立トレイル・システム法
(ナショナル・シーニック・トレイル)指定の
長距離自然歩道は上の図のように11あって、
1のシェリルが歩いた
パシフィック・クレスト・トレイル「PCT」
(全長2,650マイル、約4,265㎞)
2のコンチネンタル・ディヴァイド・トレイル
(全長3,100マイル、約4,989㎞)
7のアパラチアン・トレイル
(全長2,181マイル、約3,510㎞)
が、三大長距離自然歩道だそうです。
全区間を1シーズン内に歩き切るのがスルーハイキング。
シェリルは大雪のシエラネバダ山脈を迂回し
バスを使いました。
また彼女のスタート地点がメキシコ国境ではないため、
PTCの全長は4,265㎞ですが、
シェリルの歩いた距離は1,600㎞ということです。
苛酷な場所を部分的に迂回して、
後から歩きやすい季節に戻ってきて歩くのを、
フリップフロップと言うそうです。

PCT踏破の男性の
ビフォーアフター
凄いダイエット効果ですΣ(・ω・;|||


トレイルコースを1,600㎞歩くのは大変なことですが、
人がやらないことに挑戦する
冒険家や登山家の行動とは違います。
自分と向き合うために
あえて苛酷な状態に自分で自分を追い込んだのですね。
この旅をしたからといって、
彼女が劇的に変容したわけではありません。
落ち着いたのは旅から4年後。
ドキュメンタリー映画監督の
ブライアン・リンドストロームと1999年に結婚し、
息子と娘が生まれました。
原作「Wild」は2012年に発刊。
オプラ・ウィンフリーの
「オプラのブッククラブ」で紹介されて話題になり、
ベストセラーになりました。





オプラとシェリルの家族








わたしに会うまでの1600キロ/シェリル・ストレイド



この映画はいわゆる
自分探し系ロードムービーに分類されるでしょう。
良くできた映画で、
楽しみにしていた人の期待を裏切らない作品だと思うし、
今年のマイベストだと言っている評論家もいます。


ただ、私自身はこの映画の
自分と向き合うパーソナルな世界に
特に感動はしませんでした。
パーソナルな世界を越える何かを感じて
感動する人もいると思いますよ。
その感受性が私にないのでしょう。
個人的にはもっと彼女のフェミニストとしての
批評性や社会性が描かれていれば気に入ったでしょう。
心に響いてくるテーマ性、
ガツンと訴えてくるもの、
心を引っ掻いて記憶に残ること、
そういった要素が自分にとっては殆どない作品でした。
シェリルの母親が
私の母親と性格が似てるな~。
母親をちょっとシニカルな目線で見ていた
シェリルと自分も少し似ていたかも。
なんて思ったりはしたのですが。
私は自分がガンになって、
衰弱して緊急入院→体力回復を待って手術の予定が
増々衰弱し体力回復が望めないから緊急手術。
なんてことになりましたから、
「ああ、もう自分の人生もこれまでか」と、
一応遺書まで書きました。
自分が亡くなったシェリルのお母さんの立場ですよ。
娘もこの映画観ましたが、
「私のお母さんは、
あんな優しいできたお母さんじゃないから、
私がシェリルのようにぐれるなんてありえんし。わはは。」
と、言っていましたよ。(^o^;)
私はガンで自分の両親を心配させてしまったし、
娘は今でも
「もし、お母さんがおばあちゃんより
早く死んでしまったら、
おばあちゃんのことがとても心配。」
と言っています。
私は今の所大丈夫ですが、
再発しやすいガンだからいつどうなるか分からず、
娘のこんな言葉にドキッとしながら、
たくましさが嬉しかったりしています。

昨日は渋谷イメージフォーラムで
『僕たちの家に帰ろう』観て、
新宿ケイズシネマへ
『薩チャン 正ちゃん 戦後民主的独立プロ奮闘記』
『キクとイサム』を観に移動するとき、
イメージフォーラムから渋谷駅の間で
ゲリラ豪雨に丁度遭遇∑(-x-;)
びしょ濡れになってしまいました。(´д`lll)







リースは今年アメリカで公開された作品は
ソフィア・ベルガラと共演のコメディー
「Hot Pursuit 」が、
『キューティー・コップ』の題名で、
9月16日にDVDスルー(評判悪かったので...)
↓「Hot Pursuit 」トレーラー


キューティ・コップ ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産/2枚組) [Blu-ray]/
リース・ウィザースプーン,ソフィア・ベルガラ


リースの次回作は
ポール・フェイグ監督の「Wish List」

ジャン=マルク・ヴァレ監督の新作は
『ナイトクローラー』の記事でも紹介した、
ジェイク・ギレンホール主演ナオ・ワッツ共演の
「Demolition」
ジャン=マルク・ヴァレ監督と
ジェイク・ギレンホール





アカデミー賞主演女優賞受賞した2006年の
リースとライアン・フィリップ


リースはライアン・フィリップと離婚した後、
ジム・トスと結婚。
ライアンとの娘エイヴァ・エリザベスと
息子ディーコン、
ジムとの息子テネシー・ジェイムズ と
5人家族で暮らしています。



リースと娘さんそっくり(ノ゚ο゚)ノ


リースの3人の子どもたち


イクメンしてたライアンは、
子どもたちとは会ってパパしてる模様。







ローラ・ダーンと言えば、
私はやはりデヴィッド・リンチ師匠の
『ワイルド・アット・ハート』(1990年)
『インランド・エンパイア』(2006年)ですね(o^-')b





インランド・エンパイア [DVD]/ローラ・ダーン





みんな若っ(  ゚ ▽ ゚ ;)


ワイルド・アット・ハート [Blu-ray]/
ニコラス・ケイジ,ローラ・ダーン,ダイアン・ラッド










シェリル・ストレイドとネコ。^・ェ・^。


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