2013年第66回カンヌ映画祭 Screen Daily 星取表最終版
Venus in Fur ヴィーナス・イン・ファー の
マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエ(ポランスキーの妻)
ロマン・ポランスキー
マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエ(ポランスキーの妻)
ロマン・ポランスキー
表は上からこの順番で並んでいます↓
青字は平均点です。
・ジミー・ピー:サイコセラピー・オブ・ア・プレーンズ・インディアン
監督:アルノー・デプレシャン
2
・エリ
監督:アマト・エスカランテ
1.6
監督賞
・ザ・パスト
監督:アスガー・ファルハディ
2.8
女優賞(ベレニス・ベジョ)
エキュメニカル審査員賞
・ア・タッチ・オブ・シン
監督:ジャ・ジャンクー
3
脚本賞
・そして父になる
監督:是枝裕和
2.5
審査員賞
エキュメニカル審査員賞 特別表彰
・ボーグマン
監督:アレックス・ファン・ヴァーメルダム
2.1
・インサイド・ルウェイン・デイヴィス
監督:ジョエル&イーサン・コーエン
3.3
グランプリ
・藁の楯
監督:三池崇史
1.3
・ア・キャッスル・イン・イタリー
監督:ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
1.6
・ビハインド・ザ・カンデラブラ
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
2.5
パルム・ドッグ
・ザ・グレート・ビューティー
監督:パオロ・ソレンティーノ
2.8
・オンリー・ゴッド・フォーギヴズ
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
1.5
・グリグリ
監督:マハマト=サレ・ハルーン
1.8
芸術貢献賞(Vulcain Prize)
・ネブラスカ
監督:アレクサンダー・ペイン
3.1
男優賞(ブルース・ダーン)
・ブルー・イズ・ザ・ウォーメスト・カラー
監督:アブドゥラティフ・ケシシュ
3.4
パルムドール
国際批評家連盟賞
・ジ・イミグラント
監督:ジェームズ・グレイ
2.4
・ミヒャエル・コールハース
監督:アルノー・デ・パリエール
1.6
・ヴィーナス・イン・ファー
監督:ロマン・ポランスキー
2.8
・オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ
監督:ジム・ジャームッシュ
2.6
エキュメニカル賞は、
カンヌ国際映画祭本体が与える賞ではなく、外部団体による表彰。
プロテスタントとカトリック教会の国際映画組織
「INTERFILM and SIGNS」によって選ばれた審査員から贈られる賞で、
人間性の内面を豊かに描いた作品に与えられます。
さて、なんだ、評価の高かった作品がもらっているじゃん。
と、思われるでしょうか。
でも、点数順ではないですね。
賞は審査員の評議で決まりますから。
審査委員長がどこの国のだれか。どんな嗜好性のある人か。
審査員の出身国や業種、性別、思想性なども影響しますね。
受賞で監督の格も上がります。
その意味のある監督、作品に与えられているのが、
監督賞の『エリ』アマト・エスカランテ監督、
審査員賞の『そして、父になる』是枝裕和監督
芸術貢献賞の『グリグリ』マハマト=サレ・ハルーン監督
と言えると思います。
「カンヌ映画祭の開催目的は何ですか?
創設以来、カンヌ映画祭は、
設立時の開催目的を忠実に守り続けています。
その目的とは、映画の発展に貢献するために作品を紹介し、
援助すること、世界中の映画産業発展の援助をすること、
第7芸術を国際的に称揚することです。
(ティエリー・フレモー:カンヌ国際映画祭総代表)
カンヌ映画祭公式HPより」
カンヌ映画祭は、隠れた才能を紹介する役目もあるので、
学生部門やある視点部門、短編映画部門もあります。
でも、コンペティション部門も、
何度も出品されている監督の作品が多く、
常連さんいらっしゃいでは、
上記の目的に合わないと思います。
もっと発掘に力を入れて、
世界中の様々な国からの出品があることを期待したいです。
パディー・パワーの開催前のオッズでは、
『ザ・パスト』が一番人気で、
『ヴィーナス・イン・ファー』は、最下位でした。
事前の評判で特にフランスでは『ザ・パスト』に期待が集まっていて、
上映後もフランスの新聞、雑誌のレビューでは、
『ザ・パスト』の評価は高かったです。
ここまで人気だった作品が無冠ではフランスの評判に申し訳ない!?
から、主演のフランス人女優ベレニス・ベジョに女優賞が贈られたの!?
思いました。
『ブルー・イズ・ザ・ウォーメスト・カラー』のパルムドールは
レア・セドゥ、アデル・エグザルチョプーロスの
主演の2人に贈られたものでもあるといわれました。
ロマン・ポランスキーの
『ヴィーナス・イン・ファー』は、
ブロードウェイでも大ヒットしたエロティックコメディーの
2人芝居の舞台劇です。
これは、日本での舞台上映のニュース↓
稲垣吾郎&中越典子による二人芝居
『ヴィーナス・イン・ファー』が、6月に東京と大阪にて上演される。
小説「毛皮を着たヴィーナス」を翻案した舞台の
主演女優オーディションが、
まったくの期待はずれに終わり、
劇作・演出家のトーマスはスタジオで一人失望していた。
そこへ突然、劇中のヒロインと同じ名前の女優ヴァンダが駆け込んでくる。
彼女は、トーマスの求める理想像とは程遠い女優だったが、
彼女のペースに巻き込まれたトーマスは、
その場でオーディションをすることに。
しかし、脚本の読み合わせをしていくうちに、
劇中の登場人物のように二人の関係は逆転し始めて……。
官能的でミステリアスな男と女のパワーゲームを描いた本作は、
“マゾヒズム”の語源にもなった19世紀の作家マゾッホの自伝的小説
「毛皮を着たヴィーナス」をモチーフとしたもの。
『CHICAGO』などのヒット作で知られるウォルター・ボビーによる演出で、
10年にオフ・ブロードウェイにて初演され、
翌11年には、ブロードウェイにて上演。
12年のトニー賞では、
ヴァンダ役のニーナ・アリアンダが主演女優賞を獲得。
優秀作品賞の候補にも選ばれている。
2013年6月8日(土)~6月23日(日)
東京:Bunkamura シアターコクーン
2013年6月27日(木)~30日(日)
大阪:森ノ宮ピロティホール
今回の日本公演では、ニューヨーク公演にて
ボビーの右腕を務めたロス・エヴァンスが演出を手掛ける。
(シアターガイドより)
この舞台は今週末からですね。
どんな評価がされるのでしょうか。
ポランスキーの映画では、
マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエの2人芝居です。
星取り表では評価は高い方ですし、
オッズの人気が低かったのは、
大ベテランで、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンの3大映画祭で、
何度も受賞経験があり、
米アカデミー作品賞『戦場のピアニスト』も受賞しているので、
もう今回の受賞はないと予想されたのではないかということと、
事前の画像も少なく、動画の公開もなく、
内容の評価がつけ難かったのではないでしょうか。
私がしてきた今回のレポートの中でも、
映画の動画がUPできなかったのはこの作品だけです。
ポランスキーの映画は日本でも人気があるので、
来年あたり公開されるのではないでしょうか。
こちらの動画はブロードウェイ版、
ヒュー・ダンシー(クレア・デインズの夫のイギリス人俳優、
彼は近日中にまた私のブログに登場予定です)
ニーナ・アリアンダによる上演のハイライトです。
それでは、受賞者のスピーチを紹介しますね。
「大変な名誉です。映画は人生を信じることを可能としてくれます。」
脚本賞:ジャ・ジャンクー監督
「勇気ある審査員に感謝いたします。これはメキシコへの希望です。
これ以上苦しみがメキシコを苛まないことを祈るばかりです。」
監督賞:アマト・エスカランテ監督
「私が進む道を見つけるように支えてくれ、
愛し、必要とする男性を皆さんに思い出してほしいと思います。
それはクロード・ベリです。
この賞とこの作品を自由の希望、
共に生きることについて教えてくれた、
製作中に出会ったフランスの美しき若者に捧げたいと思います。
またしばらく前にジャスミン革命を生きたもう一人の若者にも、
どのようにしたら自由に生き、
表現し愛することができるのかを教えてあげるために捧げたいです。」
パルムドール:アブドゥラティフ・ケシシュ監督
クロード・ベリ:
(1934年7月1日 - 2009年1月12日)
フランスの映画監督・映画プロデューサー・俳優。
俳優から転向した、ヌーヴェルヴァーグの映画作家。
監督作『愛と宿命の泉』など。
フランスでは同性婚問題が大変なことになっています。
2013年年2月に国民議会(下院)で、
4月12日に上院で同性婚解禁法案を賛成多数で可決した。
直後に反対派によって違憲審査請求がなされたが、
5月17日にフランスの違憲審査機関、
憲法会議は「合憲」の判断を下し、これを退ける。
翌18日にオランド大統領が法案に署名、成立した。
国民の間では、反対・賛成の評価が二分している。
特に、合法化後は、反対派の抗議が激しくなっており、
2013年5月21日には、ノートルダム寺院で、フランスの作家が自殺した。
同性婚合法化への抗議とみられる。
2013年5月26日には、パリで同性婚反対派による大規模なデモ
(参加者は、主催者発表では100万人、フランス当局発表では15万人)が発生、
警察と衝突し、96人が逮捕された。
2013年5月29日には、フランス初の同性婚カップルが誕生したが、
彼らの結婚式場には反対派のデモ隊が詰めかけ、
カップルが式場に入ろうとした時、発煙筒が投げつけられるなど騒動が起き、
機動隊が式場を警備をする事態となった。
(ウィキペディアより)
このような深刻な事態に、
「ブルー・イズ・ザ・ウォーメスト・カラー」
Blue Is the Warmest Color
原題:La Vie d'Adèle (Le bleu est une couleur chaude)
別英題:The Life of Adele ザ・ライフ・オブ・アデル
のパルムドール受賞は、
賛成派には爽やかなエールになったのではないでしょうか。
人気コミックが原作です。↓
最後に是枝監督のスピーチです。
「今日、ここに立てることを感謝して、
カンヌ映画祭と審査員メンバーに、お礼を申し上げます。
この賞をスタッフ全員、特に俳優たちとかみ締めたいです。
私を生んでくれた両親、娘を産んでくれた妻に、
感謝の気持ちを伝えたいです。ありがとうございます。」
審査員賞:是枝裕和
(スピーチはカンヌ映画祭公式HPを参照しました)
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これから、1日に複数の記事をUPすることもありますので、
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