『マミー/Mommy』
原題:Mommy
2014年製作
カナダ映画
ヒューマントラストシネマ有楽町で鑑賞
浜松シネマイーラでは
5月30日(土)~6月12日(金)上映
劇中に出てくるティッシュのレプリカです。
『Mommy マミー』オフィシャル・トレーラー↓
アメリカ版トレーラー↓
日本版予告動画↓
『Mommy マミー』上映前の特別映像。
ヒューマントラストシネマ有楽町では
流れる回と流れない回があります。
予告なしの回に流れますよ。
トロント国際映画祭2015制作の
グザヴィエ・ドラン監督作品の解説です。
Xavier Dolan Video Essay | TIFF 2015↓
監督・脚本・編集・衣装デザイン:グザヴィエ・ドラン
製作:グザヴィエ・ドラン
ナンシー・グラント
撮影:アンドレ・トュルパン
美術:コロンブ・ラビ
出演:
アンヌ・ドルヴァル
スザンヌ・クレマン
アントワン=オリヴィエ・ピロン
パトリック・ユアール
アレクサンドル・ゴイエット
2014年第67回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞受賞を
ジャン=リュック・ゴダール(『さらば、愛の言葉よ』)
とともに受賞。
セザール賞・最優秀外国映画賞
カナダ・アカデミー賞9冠など受賞ラッシュ。
あらすじは...
架空のカナダでは2015年の連邦選挙で新政権が成立。
内閣は公共医療政策の改正でS18法案を可決する。
特に議論を呼んだのは、S-14法案。
発達障碍児の親が、
経済的困窮、身体的、精神的な危機に陥った場合、
法的手続きを経ずに養育を放棄し、
施設に入院させる権利を保障したスキャンダラスな法律だった。
ダイアン・デュプレ(アンヌ・ドルヴァル)は、
多額の借金を残して夫が亡くなった為、
シングルマザーである。
気が強く派手なファッションが好み。
15歳の息子のスティーヴ(アントワン=オリヴィエ・ピロン)は、
ADHD(注意欠陥・多動性障害)で、
静かな時は知的で素直な少年だが、
情緒不安定で、
キレると攻撃的になり手が付けられなくなる。
矯正施設で放火して
友人に大やけどを負わせてしまったスティーヴは、
退所させられダイアンの所に戻ってきて2人暮らしが始まる。
向かいに越してきたカイラ(スザンヌ・クレマン)は、
高校教師だが休職中。
過去のトラウマとストレスから
吃音になり引きこもりがち。
カイラにスティーヴがなつき、
家庭教師をすることに。
3人は家族のような繋がりを築くのだが...
はい、公開を楽しみにしていた『Mommy マミー』
4月25日(土)の初日に早速観てきたのですが、
通院や他の映画観たりでブログUPが遅れました。
グザヴィエ・ドランは
熱狂的なファンがたくさんみえますね。
私も大好きで、
これからも作品を見続けていきたい作家ですが、
熱狂的ファンで心酔している。
とまでは言えないかなァ。
ドランの最高傑作!の呼び声の高い、
本作のレビューはちょっと書き辛くもありました。
この作品はとても評判が良いし、
気に入ってみえる方も多いので、
レビューはあっさり目にして、
ドラン情報をお送りしてお茶を濁しますね。
...ってナンダソレ(;´▽`A``
この記事はネタバレはしていませんが、
『マミー』が大好きな方や
これから観るのをすごく楽しみにしている方は、
この記事後半のドランの新作紹介から読んで下さいね。
画面の縦横1:1のアスペクト比
(インスタグラムやCDのジャケットのような正方形。
昔のスタンダードサイズは1:1.3)
やそれが人物の精神状態を反映して
シネマスコープサイズ(1:2.4)に変化すること、
(『グランド・ブダベスト・ホテル』では
時代を反映したサイズ変化でしたね。)
相変わらずドラン独特の凝りまくった構図、人物配置、
色彩感覚、光の捉え方。
クローズアップやロングショット、
ストップモーション、スローモーションの使い方、
ポップミュージックの使い方、
(映画に合わせて曲が流れるのではなく、
映画の中で流れている。
流れる曲の殆どは、
スティーヴと父がアメリカ西海岸を旅行した時に聴いた
父が選んで作ったベスト盤からの曲だという設定になっている。)
そんなドランの箱庭宇宙的世界は増々深化。
『マイ・マザー』(2009年)
原題:仏: J'ai tué ma mère
英: I Killed My Mother
は、息子からの視点で母を裁いたが、
今回は今までの4作品とは違いエモーショナルな発露は
かなり抑制され母を許した。
今までは浮かばれない愛を描いてきたけど、
『マミー』では成熟した愛と希望を示した。
ドランが大人になったと実感した次第。
ドランは天才と呼ばれるけど、
それは映画作りがとにかく大好きで、
本当に良く映画を研究していて、
既存の型にはまらず、
1作品ごとに手法を進化&深化させているのが
素晴らしく、これから将来、
どんな作品を生み出してくれるのか、
本当に楽しみです。
実は私は今までの4作品と比べると、
『マミー』は、
抑制が効いて洗練された分、
今までのように画面から
ガンガン響いてくるパワーを
イマイチ感じられず、
あまり引き込まれませんでした。
終盤の展開でやっとグッときたのですけど。
ドランの最高傑作と評されている訳ですから、
私の観方に多分問題があったのでしょう。
できれば観直したいです。
私の娘もドランの過去作は全部劇場鑑賞しています。
しかも多分私より熱心なドランファン。
ドランについての情報は、
私よりよっぽど早くたくさん収集しています。
映画についてはなかなか生意気な評価をする子なんです。
それは、3歳の頃から
劇場鑑賞2千本ノックくらいしてしまった効果!?
でもあるわけですが(苦笑)
娘「今までの作品は小説に例えて言うと
レベッカ・ブラウンだったけど、
『マミー』は良くできた携帯小説ぽかった。
画面から感じるパワーが弱くて、
ドラン作品で初めて長いと感じてしまった。」
娘はずっと携帯いらないと言っていたので、
昨年の春大学生になって初めて携帯を持ちました。
携帯小説の本を読んでいたことを見たこともなかったので、
私「携帯小説は読んだことないんじゃないの?」
娘「中学の時、図書室にあったから読んでみたことあるよ。」
エキセントリックなスティーヴを熱演。
母親を演じるアンヌ・ドルヴァル
キャラクター
スティーヴの未来シーンの「彼」に注目。
グザヴィエ・ドランが監督した
フランスのロック・バンド、アンドシーヌの曲
「College boy カレッジ・ボーイ」のミュージックビデオ。
『マミー』のアスペクト比と同じ1:1の原点。
アントワン=オリヴィエ・ピロン主演のショッキングな映像。
ドランもチラッと出てるよね?
今年のカンヌ映画祭ではドランは審査員になりました。
まだ、26歳になったばかり。これからの活躍が楽しみです
ドランは新作の脚本は書き終えています。
初めての英語映画です。
ジェシカ・チャステインが『マミー』を
ツィッターで大絶賛したため、
ドラン自らチャステインに出演をオファー。
題名は「The Death and Life of John F. Donovan(原題)」
(ザ・デス・アンド・ライフ・オブ・ジョン・F.ドノヴァン。
ジョン・F.ドノヴァンの死と人生)
スーパーヒーロー映画で有名になった
ドノヴァン(キット・ハリントン)と、
11歳のファンの私的な手紙が流出し、
ゴシップ記者(ジェシカ・チャステイン)が
ドノヴァンを児童性愛者のように仕立て上げたため、
ドノヴァンの人生が暗転する様子を描く風刺劇。
キャシー・ベイツがドノヴァンのマネージャー役、
スーザン・サランドンがドノヴァンの母親役。
そしてもっと近い、
ドランファンのお楽しみは、
ドランが出演した映画
『エレファント・ソング』
が6月6日(土)に公開されることですよね。
浜松シネマイーラでも上映されますよ。
↓トレーラー
↓予告動画
チャールズ・ビナメ監督のカナダ映画
14歳の時オペラ歌手の母が
目の前で自殺し、
精神病院に入院しているマイケルがドラン。
主人公の院長がブルース・グリーンウッド。
看護師長にキャサリン・キーナー。
2014年に公開されたドラン出演の映画はもう一本
「Miraculum」があります。
これは日本公開されなさそうな気がします。
奇跡を待つ人々のアンサンブル劇です。
↓「Miraculum」トレーラー
最後に『マミー』で私が結局一番好きだったシーンです。
カウンティング・クロウズのColorblind使用の
ティーザー・トレーラーと同じシーン↓
グザヴィエ・ドラン監督の過去作品は
どれも好きだけど、
1本だけ選べと言われたら
『私はロランス』かな。
わたしはロランス(特典DVD1枚付き2枚組)/
メルヴィル・プポー,スザンヌ・クレマン,ナタリー・バイ
マイ・マザー [DVD]/
グザヴィエ・ドラン
胸騒ぎの恋人 [DVD]/
グザヴィエ・ドラン
トム・アット・ザ・ファーム [DVD]/
グザヴィエ・ドラン,ピエール=イヴ・カルディナル,リズ・ロワ
『トム・アット・ザ・ファーム』は、
昨年10月の緊急入院直前に観た、
もしかしたら人生最後に観た映画に
なっていた可能性もあった作品ですョ(゚_゚i)
トム・アット・ザ・ファーム 感想 上手い!
グザヴィエ・ドランの天才的センスは勉強・努力あってこそ←クリック
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