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マイヤーリング 感想 オードリー・ヘプバーンの品位のある魅力は永遠。これが生放送だったことに驚き

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『マイヤーリング』
Mayerling 
アメリカ 1957年製作
浜松シネマイーラで鑑賞







↓予告動画


監督:アナトール・リトヴァク
   (『追想』『さよならをもう一度』)

原作:クロード・アネ

キャスト:

オードリー・ヘプバーン  マリー

メル・ファーラー     ルドルフ皇太子

レイモンド・マッセイ   首相

オードリー・ヘプバーンが当時の夫であったメル・ファーラーと共演し、
1957年に米NBCで一度放送されたのみで、
長らく幻の作品となっていた主演作。
19世紀末、オーストリア=ハンガリー帝国の皇太子ルドルフは、
17歳の男爵令嬢マリーと出会い、運命的な恋に落ちる。
2人は秘密の逢瀬を重ねていくが、周囲からの圧力で別れざるを得なくなる。
さらにルドルフは陸軍大臣フリードリヒ公爵の陰謀にも巻き込まれ、
追い詰められていく。
仏作家クロード・アネの悲恋小説「うたかたの恋」を原作に、
NBCのテレビ映画シリーズ「プロデューサーズ・ショーケース」の
目玉企画として映像化された。
2013年6月にドイツ・ミュンヘンで開催されたヘプバーン記念展で
復元された映像がワールドプレミア上映。
14年1月、日本劇場初公開。(映画.COMより)

この映画は、
1957年に米NBCで放送された、生放送!のTVドラマを、
ブラウン管越しに撮影した記録映画を最新のデジタル技術で
復元したものです。
オードリー幻の主演作品が現代に甦りました。
当時のオードリーの夫、メル・ファーラーと共演です。

この19世紀後半のヨーロッパの一大スキャンダル事件は、
『うたかたの恋』(Mayerling)クロード・アネ作の小説となり、
何度も映画化されてきました。(バレエや舞台劇もあります)
アナトール・リトヴァク監督は
1935年に、ダニエル・ダリューとシャルル・ボワイエで、
一度映画化しています。
うたかたの恋 [DVD]/
シャルル・ボワイエ,ダニエル・ダリュー,ジャン・ドビュクール



1969年の『うたかたの恋』
テレンス・ヤング監督
(『007 ロシアより愛をこめて』
オードリー主演『暗くなるまで待って』『華麗なる相続人』
チャールズ・ブロンソン主演『夜の訪問者』など)
カトリーヌ・ドヌーヴとオマー・シャリフ共演の作品もあります。↓



今回公開された『マイヤーリング』は、
TVドラマとして放送された時はカラー作品でした。(トップの写真)
保存されていたマスターフィルムがモノクロだった関係で、
復元映像もモノクロ作品になったそうです。
最近のデジタルリマスター技術の発達には大変恩恵を受けています。
素晴らしい映像で甦った作品をたくさん観ることができて幸せです。
所がその技術にも、マスターの状態によって限界があるようです。
この『マイヤーリング』のマスターフィルムは、
TVドラマが放送された時、
ブラウン管越しに16ミリ映画フィルムで撮影されました。
この録画手段はキネスコープ・レコーディング(略称キネコ)
と呼ばれるもの。
フィルムの発見は幻と言われていたドラマのキネコ版なので、
とても画期的なことでしたが、
保存状態はあまり良くなかったようです。
それでも、最新の技術により、
かなりのクウォリティーで復元されたということだそうですが、
最近素晴らしく美しいデジタルリマスター映像の
スクリーン・ビューティ―ズ・シリーズも観ているので、
正直『マイヤーリング』の映像には落差を感じました。
ただ、映像がキレイでなくても、
オードリーの輝く魅力は味わうことができましたョ。
メル・ファーラーのルドルフ皇太子が主人公なので、
オードリーの出番は予想していたより少なかったですが、
とてもチャーミングでした。
オードリーの演じるマリーは聡明な雰囲気の
可愛らしさが魅力でした。
メル・ファーラーも政争に巻き込まれていく、
遊び人でプレイボーイなルドルフ皇太子を
センシティヴでありながら、品のある人物として、
上手い塩梅でキャラクター造形して好演でした。

驚いたのはこのドラマが生放送だったということです。
舞台劇の生中継とは全然違って、
「これ映画ですよ。」と言われれば納得してしまう、
しっかり作られている歴史劇なんです。
事前にフィルム撮影された城の外景シーンも使われていますが、
俳優が演じるシーンは生放送。
セットも18~30くらいあったと言われています。
制作費が50万ドルともいわれている本作。
CMの間に行ったシーン替えはスタッフ、キャスト総動員だったそう。
大がかりなセットと大人数の俳優を、
限られた時間内で動かすのが一番困難だったというその仕事は、
映画と比べても全く遜色なかったです。
映画はモノクロでしたが、セットや衣装の豪華さは分かりました。
パンフレットにカラーのスチール写真が何枚か載っていて、
その豪華さがさらによく分かりました。

歴史上の出来事である「マイヤーリング事件」は、
解明されていない謎のある事件で、
史実を読むと、むむむ~(-"-;A なことも...
でも、悲劇の恋愛ものとして小説化した、
クロード・アネ作の「うたかたの恋」は、
2度の映画化、このドラマ、
そしてミュージカル劇、ロイヤル・バレエの作品として、
今でも公演が行われているので、
悲恋の物語として人々の心をつかむ要素が、
様々な表現方法でも活かされているのでしょう。


いろいろな「マイヤーリング」を集めてみました。

↓ロイヤル・バレエ かなり激しい振付に見えます。



↓宝塚歌劇団のミュージカル



フレデリック・モートン著「A Nervous Splendor」
を原作としたミュージカルの
『ルドルフ ~ザ・ラスト・キス~』(原題:Rudolf)も、あります。
ハンガリー語版、ドイツ語版、日本語版の、
それぞれ同じ歌です↓






↑2008年宮本亜門版 井上芳雄(ルドルフ)と笹本玲奈(マリー)

私は舞台の事には疎いので調べたら、
ルドルフは井上芳雄、元宝塚の和音美桜の2012年版がありました。
2012年7月に、帝国劇場にて上演。
英国人演出家デヴィッド・ルヴォーが演出した、
ウィーン版が踏襲され、舞台装置はウィーンより空輸され、
内容も2008年版とは大きく異なっている。←ウィキペディアより





1960年メル・ファーラーとオードリーの間に、
息子ショーンが誕生
オードリーはこの後2度目の結婚で、
イタリア人精神科医アンドレア・マリオ・ドッティ氏との間に、
1970年に2番目の息子ルカをもうけた



実際のルドルフ皇太子とマリーの写真



『スノーピアサー』の第二弾をUPの予定でしたが、
ちょっとネタバレ記事になるので、
先にこちらをUPしました。


『かしこい狗は、吠えずに笑う』

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新潟 シネウィンド

2014年3月8日(土)~



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