『小さいおうち』
2014年製作 日本映画
TOHOシネマズ浜松で鑑賞
↓特別動画
監督:山田洋次
プロデューサー:深澤宏
斎藤寛之
原作:中島京子
脚本:山田洋次
平松恵美子
撮影:近森眞史
照明:渡邊孝一
録音:岸田和美
美術:出川三男
須江大輔
編集:石井巌
音楽:久石譲
キャスト:
松たか子 平井時子
黒木華 布宮タキ
片岡孝太郎 平井雅樹
吉岡秀隆 板倉正治
妻夫木聡 荒井健史
倍賞千恵子 布宮タキ(晩年期)
橋爪功 小中先生
吉行和子 小中夫人
室井滋 貞子
中嶋朋子 松岡睦子
林家正蔵 治療師
ラサール石井 柳社長
あき竹城 カネ
松金よね子 花輪の叔母
螢雪次朗 酒屋のおやじ
市川福太郎 平井恭一(少年期)
秋山聡 平井恭一(幼年期)
笹野高史 花輪和夫
小林稔侍 荒井軍治
夏川結衣 荒井康子
木村文乃 ユキ
米倉斉加年 平井恭一
解説:第143回直木賞を受賞した中島京子の小説を、名匠・山田洋次が実写化したラブストーリー。とある屋敷でお手伝いさんだった親類が残した大学ノートを手にした青年が、そこにつづられていた恋愛模様とその裏に秘められた意外な真実を知る姿をハートウオーミングかつノスタルジックに描き出す。松たか子、黒木華、吉岡秀隆、妻夫木聡、倍賞千恵子ら、実力派やベテランが結集。昭和モダンの建築様式を徹底再現した、舞台となる「小さいおうち」のセットにも目を見張る。
あらすじ:健史(妻夫木聡)の親類であった、タキ(倍賞千恵子)が残した大学ノート。それは晩年の彼女がつづっていた自叙伝であった。昭和11年、田舎から出てきた若き日のタキ(黒木華)は、東京の外れに赤い三角屋根の小さくてモダンな屋敷を構える平井家のお手伝いさんとして働く。そこには、主人である雅樹(片岡孝太郎)と美しい年下の妻・時子(松たか子)、息子の恭一が暮らしていた。穏やかな彼らの生活を見つめていたタキだが、板倉(吉岡秀隆)という青年に時子の心が揺れていることに気付く。
(シネマトゥデイより)
上質な作品
として評価してはいけないのでしょうかネ?
予算も時間もかけてしっかり作られている作品です。
フィルム撮影・編集された温かみのあるルックが
作品世界にぴったり合っていました。
セットや美術、衣装が素敵です。
松たか子、片岡孝太郎が着物を着こなす所作はさすがでした。
俳優の芝居も良いし、
傑作ではないにしても佳品として評価したいです。
私は山田洋次監督の時代劇3部作以降の
作品の中では一番気に入りました。
山田洋次監督初めての恋愛映画とのことですが、
若い俳優たちが山田組で期待に応えていい仕事をしているなあ、
という事がとても印象的です。
あれ!?黒木華ちゃん『東京家族』にも出ていなかったっけ?
あちらは蒼井優ちゃんでしたね。
2人似てますよね...
キャスティングが『東京家族』とかぶっているということはあると思いますが、
おなじみのキャストで撮る監督は日本でも外国でも良くあることだし、
山田監督も原作付の恋愛劇に初挑戦ということで、
気心の知れたキャストで取り組みたかったのではないでしょうか。
私は特に気にはなりませんでした。
クライマックスの黒木華と松たか子のロングカットも良いのですが、
中盤の松たか子と片岡孝太郎夫婦喧嘩も、
ユーモラスかつ、とてもリアルで気に入ったシーンでした。
片岡孝太郎は歌舞伎の女形で市川染五郎、松本幸四郎の相手役を務め、
今回は松たか子の夫役。これもスゴイ。
肝心の恋愛事件には実は私はあまり興味なかったですが...
吉岡君には色気を感じないし...(苦笑)
でも、倍賞千恵子さんの数十年に渡る苦悩には重みがありましたよ。
山田監督の政治的なメッセージには、
偽ポピュリズムがファシズムに変容しかねない(もうしつつある!?)
今の時代に意義があると思います。
ちょっと、感覚古いんじゃない?ってところもあるのですが、
山田監督世代の昔のちゃんと勉強しているインテリには、
しっかり一言居士して欲しいです。
今の政権の政治家は勉強すらちゃんとしてない人がなってますからねェ。
頭でっかちどころか中身がなくても平気なんですから。
↑木村文乃が妻夫木聡にプレゼントする、
バージニア・リー・バートンの
『ちいさいおうち』
(1942年、コールデコット賞受賞)石井桃子訳、岩波書店
ちいさいおうち/ばーじにあ・りー・ばーとん
この絵本はまさにバージニアが、
この映画の昭和時代と同じ時期に描いた傑作絵本です。
私は子どもの頃から大好きです。
自分の娘に読み聞かせしたときも、
保育園での仕事の時や読み聞かせボランティアでも、
読んでる自分がグッときてました。
今でもたまに読むと感動します。
絵本「ちいさいおうち」は『東京家族』にも登場していました。
蒼井優ちゃんが働いている本屋さんで彼女がお客のために取り出す本。
お店は落合恵子さんの「クレヨンハウス」。
上の写真の今回の本屋さんも「クレヨンハウス」です。
バージニア・リー・バートンの絵本は傑作ぞろいです。
下記の絵本は全部持っています。
いたずらきかんしゃちゅうちゅう (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)/
バージニア・リー・バートン
せいめいのれきし―地球上にせいめいがうまれたときからいままでのおはなし (大型絵本)/
バージニア・リー・バートン
坂の街のケーブルカーのメイベル/
バージニア・リー バートン
はたらきもののじょせつしゃけいてぃー (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)/
ばーじにあ・りー・ばーとん
名馬キャリコ (岩波の子どもの本)/
バージニア・リー・バートン
ビュンビュンきしゃをぬく (大型絵本)/アーナ ボンタン作
バージニア・リー・バートン画
はだかの王さま (大型絵本)/
ハンス・クリスチャン アンデルセン作
バージニア・リー・バートン画
『小さいおうち』は、レディースデイに観に行きました。
失礼なのですがいつでも千円な感じの年配の女性のお客さんが多かったです。
この作品は『東京家族』より客層が狭く、
(単価も低いかな?)
興収も落ちるのではないかという気がします。
でも、映画会社が自前で映画を作り映画人の育成をしなくなって久しいから、
こういうしっかりした作りの映画はそのうち観られなくなってしまうかも。
低評価で片付けてしまうのは惜しい作品と思います。
2月6日に開幕する
第64回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品されます。
ベルリンでの上映会には山田洋次監督と黒木華が参加するそうです。
「中産階級の香りのする女」(by『危険なプロット』のクロード。)
なんて興味ないね。
この手の作品は気取っている感じで好きじゃない。
という方もみえるでしょうし、
映画の好みも人それぞれですので、
誰にでもおススメする作品ではないです。
でも、迷ってみえるようでしたら、
映画館で観る価値のある作品なので、
ご覧になって損はない作品だと私は思います。
『小さいおうち』でも流れた曲「丘を越えて」
映画『丘を越えて』は、
小説「小さいおうち」が受賞している
直木賞を創設した菊池寛が描かれています。
なかなか見応えのある作品です。
「真珠婦人」「父帰る」等で知られる作家であり、文藝春秋社を創業して社長を務め、芥川賞・直木賞を創設した菊池寛。その生誕120年、没後60年を期に製作された、菊池とその周辺の人々を描く人間ドラマ。舞台は昭和初期の東京。女学校を卒業し、知人の紹介で文藝春秋社の面接を受けた細川葉子(池脇千鶴)は社長の菊池寛(西田敏行)の目に留り、菊池の個人秘書として働き始める。(映画.COMより)
監督は高橋伴明。
原作は早々に東京都知事退場してしまい、
また作家に戻るのかなの猪瀬直樹。
(赤裸々に自伝書いたら衝撃的じゃない!?)
丘を越えて [DVD]/
西田敏行,西島秀俊,池脇千鶴
ちいさいおうち (岩波の子どもの本)/
バージニア・リー・バートン
小さいおうち (文春文庫)/
中島 京子
↑「小さいおうち」原作読んでいないのですが、
読みたくなりました。
↓2人の恋はこの映画の話題から...恥ずかしながら観てないです...
オーケストラの少女 [DVD]/
ディアナ・ダービン,アドルフ・マンジュー,レオポルド・ストコフスキー
ついでに『小さいおうち』に出演の米倉斉加年さんの
おススメ作品↓
「多毛留」「おとなになれなかった弟たちに…」
多毛留〈たける〉 (米倉斉加年)/米倉 斉加年
おとなになれなかった弟たちに…/米倉 斉加年
昭和の骨太映画人の新作がこちらにも
6月14日公開『春を背負って』
監督:木村大作
松山ケンイチ 蒼井 優
檀 ふみ 小林 薫 豊川悦司
新井浩文 吉田栄作 安藤サクラ 池松壮亮 仲村トオル
市毛良枝 井川比佐志 石橋蓮司
私が好きな池脇千鶴ちゃんのとても期待している新作
4月12日公開『そこのみにて光輝く』
監督:呉美保『オカンの嫁入り』『酒井家のしあわせ』
原作:佐藤泰志『海炭市叙景』
綾野剛 池脇千鶴
菅田将暉 高橋和也
火野正平 伊佐山ひろ子 田村泰二郎
浜松シネマイーラでもロードショー公開
渡部亮平監督応援しています
ぜひ、お近くの映画館にリクエストして下さい
★新潟 シネウィンド
2014年3月8日(土)~
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