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ドキュメンタリーが金獅子賞ベルナルド・ベルトルッチ意志反映ベネチア国際映画祭2013結果・動画付

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2013年第70回ベネチア国際映画祭
コンペティション部門受賞結果


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「サクロ・グラ」金獅子賞:ジャンフランコ・ロッシ監督


もうね、7日に書いた受賞予想は記事削除したくなるほど外しまくり。(´д`lll)
検索が結構来ていてお恥ずかしい限りデスσ(^_^;)
今回のコンペ部門は英語圏の作品が9作もありましたが、
上位の賞の受賞作品は非英語圏の作品が殆どでした。
ベルナルド・ベルトルッチ審査委員長の個性と意向が
反映された内容になっています。
英語のメディア評をざらっと読んで予想しましたが、
非英語圏作品のレビューは少なく、
簡単に予想できるものではありませんでした。
照れ隠しに?動画付で主な賞の解説を書いておきます。

金獅子賞(優秀作品賞)

『サクロ・グラ(原題) / Sacro Gra』(イタリア)
ジャンフランコ・ロッシ監督

ドキュメンタリー映画が金獅子賞を受賞するのは初めてです。

GRAとは、グランデ・ラッコルド・アヌラーレ(Grande Raccordo Anulare)で、
ローマの周囲約70kmの無料の環状高速道路。
Sacroは神聖な、聖なるという意味なので「聖なる環状高速道路」となりますか。
見えない都市 (河出文庫)/イタロ カルヴィーノ

(現代イタリア文学を代表し、今も世界的に注目され続けている著者の名作。
マルコ・ポーロがフビライ汗の寵臣となって、
さまざまな空想都市(巨大都市、無形都市など)の奇妙で不思議な報告を描く
幻想小説の極致。)
カルヴィーノは何冊か読んでいますがこれは未読なので読まないと。
ロッシ監督はこのイタロ・カルヴィーノの「見えない都市」から、
インスピレーションを受け、
この高速道路のベルト地帯にミニバンで暮らし、
そこに住む様々な人々を取材しました。
近代的なアパートに住むピエモンテ地方の貴族と大学生の娘、
「シュロ林」の手入れをする植物学者、
年配のソープオペラ俳優、夢を追う若者、
テベレ川沿いの高架下にあるハウスボートに住むウナギ漁師、
自動車事故のけが人を救急車の中で手当てする救急隊員など、
とても個性的な人々の様子が描かれているようです。
「ちゃんと見ないと見えないような物語たちを、
フェデリコ・フェリーニの眼とイタロ・カルヴィーノの眼で
描いている」と書いていたレビューもありました。

この作品はイタリアの現在を照射する作品として、
ヴェネチア映画祭70回の記念の年に
イタリアから世界に発信される作品になるのでしょうか。

ベテランの新作や気鋭の若手の作品の中に、
なぜか小川紳介のドキュメンタリーが入っていて、
違和感があったけど、それが最高賞を取ってしまった感じ。
と表現された方があって、上手い表現だなァ
と、頷いてしまいました。

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監督と出演者


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↓公式予告動画



銀獅子賞(優秀監督賞)
アレクサンドロス・アブラナス監督
『ミス・バイオレンス(英題) / Miss Violence』(ギリシャ)

11歳の誕生日にバルコニーから
投身自殺をした少女アンゲリキの死に顔には笑顔すら浮かんでいた。
警察は彼女の自殺の原因をどうにか突き止めようと躍起になるが、
家族は事故だと主張して譲らず、何事もなかったように振る舞うのだった。
どうして彼らはアンゲリキのことを忘れようとするのか?
彼らが守ろうとしている家族の体裁とは?
予告動画はモノトーンを思わせるルックです。
硬質でスタイリッシュな印象です。

アブラナス監督は1977年生まれで、
この作品が長編第2作。それがコンペにエントリーで、
銀獅子賞を受賞しました。
若い気鋭の作家に賞をというベルトルッチ審査委員長の、
意向が反映されたのでしょう。
私は、カナダの24歳グザヴィエ・ドラン監督
ではないかと予想しましたが外れました(-"-;A

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アレクサンドロス・アブラナス監督

↓予告動画



審査員大賞
ツァイ・ミンリャン監督
『ストレイ・ドッグズ(英題) / Stray Dogs 』(台湾、フランス)

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主人公は妻に家を出て行かれ、
残された10歳の息子と6歳の娘と暮らしている。
無職で家賃も払えなくなっていた。
不動産屋の広告ボードを持つ仕事をし、
わずかな収入で生計を立て、
夜は台北の廃ビルで息子と娘と共に眠りにつく。
彼には憑(つ)かれたように壁をあがめる、奇妙なところがあった。
彼の誕生日、ある女が家族に加わる。
それは過去の強い感情を解放する鍵となるかもしれなかった。

金獅子賞の受賞予想は外しましたが、審査員大賞受賞で良かったです。
ツァイ・ミンリャン監督は55歳ですが
5日のこの作品の上映会で
「商業映画を作るのは自分の芸術的な原則に反する」
と、引退を表明しました。
宮﨑駿監督は年齢の事もあると思いますが、
ツァイ・ミンリャン監督は55歳まだまだ映画を撮って欲しかった。
この映画は引退作品として絶対に日本上映して欲しいです。
新作とても楽しみにしていたのにこれで引退とは(TωT)
タル・ベーラ監督(58歳)と同じよう映画監督は引退して
後進の指導に当たるのかなァ。
映画は絶対に日本公開して欲しいです。

↓予告動画


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審査員特別賞
『ディー・フラウ・デス・ポリツィステン(原題) / Die Frau des Polizisten』(ドイツ)
フィリップ・グレーニング監督

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脚本なしで撮影された、
4歳の娘から見た家族の変遷と、
彼女の心の成長が描かれる。


優秀男優賞

テミス・パヌ
『ミス・バイオレンス(英題) / Miss Violence』(ギリシャ)

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優秀女優賞

エレナ・コッタ
『ヴィア・カステラーナ・バンディエラ(原題) / Via Castellana Bandiera』
(イタリア、スイス、フランス)

エマ・ダンテ監督ははイタリアの演劇界で演出家として数々の賞を受賞。
映画監督としてはデビュー作
エレナ・コッタは1931年生まれの大ベテラン。

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↓予告動画はこちら


マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)

タイ・シェリダン
『ジョー(原題) / Joe』(アメリカ)

15歳でホームレス一家を支えるため職探しをする少年役のタイ・シェリダン。
この賞は当てました。

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タイ・シェリダンのデビュー作は
テレンス・マリックの『ファミリー・ツリー』
ブラッド・ピットとジェシカ・チャスティン夫妻の三男役。
ブラッド・ピットが肩車しているのがタイ↓
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2作目が監督・脚本:ジェフ・ニコルズ 、
マシュー・マコノヒー、リース・ウィザースプーン、
サム・シェパード、マイケル・シャノンと共演した「MUD」
昨年のカンヌ映画祭のコンペに出品されたので、
カンヌのレッドカーペットも経験済み。
  ↓カンヌのフォトコールで右端がタイ
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サム・シェパードドキドキ

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マシュー・マコノヒーと

↓「MUD」トレーラー


日本公開して欲しいなあ。

そして、3作目が本作「ジョー」
次作「Grass Stains グラス・ステインズ」はポスプロに入っていて、
『サラの鍵』のジル・パケ=ブランネール監督、
クロエ・グレース・モレッツ、ニコラス・ホルトラブラブ
シャーリーズ·セロンと共演の「Dark Places ダーク・プレイシズ」が、
撮影に入っています。
作家性の強い監督との仕事が続き
前回も書きましたが16歳のしっかりした少年で、
将来有望です。

★脚本賞
スティーヴ・クーガン、ジェフ・ポープ
『あなたを抱きしめる日まで(原題:フェロメーナ)』(イギリス)

修道院のおきてで養子捜索を行わない同意書にサインした母親役にジュディ・デンチ、
彼女に協力するBBC特派員役にステーヴ・クーガン。

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スティーヴン・フリアーズ監督、ジュディ・デンチ、スティーヴ・クーガン

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↓トレーラー2014年3月日本公開


先日観た『怪盗グルーのミニオン危機一発』←クリックで記事へ
に、スティーヴ・クーガン声の出演しているけど吹き替えで聞けなかった(_ _。)
ジム・ジャームッシュ監督
コーヒー&シガレッツ [DVD]/
ケイト・ブランシェット,ロベルト・ベニーニ,スティーブ・ブシェミ

スターのスティーヴ・クーガンの所へアルフレッド・モリーナが
ぼくは君の遠い親戚だと訪ねてくる話が面白くてとても好き。


私が銀獅子賞予想した24歳のカナダ人監督グザヴィエ・ドラン。
6歳から子役で活躍し、
過去の3作品はそれぞれカンヌ国際映画祭の監督週間、
ある視点部門で上映され、
前作『わたしはロランス』が9月7日から日本公開中
メルヴィル・プポー、スザンヌ・クレマン、
ナタリー・バイ、 デニース・フィリアットロー出演。
↓予告


この映画とても観たい!娘もスゴク観たがっているけど、
上映館が少なくてムリっぽくて残念です。

彼はゲイをカミングアウトしています。
アメリカ公開のプロデューサーになったガス・ヴァン・サントは、
グザヴィエの才能を絶賛しています。
才能も美意識も信用できるなァ。
今回出品されていた「トム・アット・ザ・ファーム Tom À La Ferme」
は、監督・脚本・主演。今回は国際批評家連盟賞を受賞しました。
この作品も日本公開して欲しいです。

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↑子役時代

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