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本日迄生誕100年ジャン= ピエール・メルヴィル暗黒映画の美/東京国立近美フィルムセンター

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美術展はどうも会期末ギリギリに行くことが多い私キョロキョロ
東京国立近代美術館フィルムセンター 展示室で今日まで開催されている特別展
『生誕100年 ジャン= ピエール・メルヴィル、暗黒映画の美』
金曜日に行きました。
そして、
昨日は横浜シネクラブの上映会で
(会場は東京藝術大学馬車道校舎)
『仁義』と、
メルヴィル展の企画者であるオリヴィエ・ボレール氏が監督したドキュメンタリー映画
『コードネームはメルヴィル』観ました。
(↑大変貴重な作品です。フィルムセンターで
抜粋映像が展示されています。)

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映画のことはまたできたら別に書きたいのですが、
フィルムセンターの展示が今日までなので、
本当に今さらですが、
貴重な展覧会なため簡単ですがご紹介しておきます。
メルヴィル監督は自分のスタジオを持っていた、
珍しい監督です。
戦争中に戦争が終わったら、
映画監督になってスタジオを作ると
心に決めていました。
そして実現しました。
しかし、1967年に火災で、スタジオも
機材や資料も焼けてしまいました。
その時一旦避難した監督がどうしてもと、
火事の中を取りに戻ったのは、
愛猫とドゴールのサイン入りの写真だったそうです。
その時に殆どの物が焼けてしまったので、
今回の展示はボレール氏が集めた
オリジナルポスターや海外版ポスター、
スチール写真、宣材、
当時の雑誌や新聞などの資料の展示が中心です。
貴重な映画のメイキング映像、
オリジナルの予告編の映像展示もあります。
イヴ・モンタンは自分用の脚本に、
厚い表紙を付けて製本し、
書き込みをして持ち歩いていたそうですが、
『仁義』のモンタン本人の書き込みがある
実物の脚本が展示されていて感動しました。
この企画展の特に素晴らしいところは
本当に丁寧な解説です。
某総理のせいで「丁寧な説明」が酷く軽いものになってしまいましたが、
(被害に遭っているのは「真摯」「謙虚」もで、
もう本来の意味で使えないじゃないか!ですよ)
メルヴィル展の解説は
読みやすくて、詳しいです。
これはメルヴィルの映画を観たくなる、
見直したくなる素晴らしい企画展です。
本日10日午後6時半まで。
興味がある方は是非行ってみてください。
角川シネマ新宿での1週間限定
メルヴィル特集は行けなかったので、
横浜シネクラブの上映に行ったけど、
他にも観てない作品あるから
全作品上映どこかでやってくれないかなあ。

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『コードネームはメルヴィル』

(フランス/2008年/76分/カラー/デジタル/日本語字幕)
監督:オリヴィエ・ボレール
出演:ジャン=ピエール・メルヴィル、

ジョニー・トー、小林政広、

ベルトラン・タヴェルニエ他

 

ジョニー・トー、小林政広、フォルカー・シュレンドルフ、ベルトラン・タヴェルニエ、アンドレ・S・ラバルトをはじめとするインタビューとジャン=ピエール・メルヴィルの貴重な資料、そして彼の映画の一部をまじえたこのドキュメンタリーは、どのようにメルヴィルの作品が第二次世界大戦の経験の痕跡を持っているかということを示している。実際メルヴィルはフランス軍で8年間(1937年~1945年)すごし、その後独立軍に加わるため、脱走し、スペインを通り抜けた。実際の名前は、ジャン=ピエール・グルンバックであったが、レジスタンスに加わる際に「メルヴィル」(ハーマン・メルヴィルへのオマージュとして)と名乗り、その後も生涯にわたってこの名を用いた。こうしたことすべてが彼の映画への道のりを構成している。彼の作品の主題のみならず、その美学にも。
 (アンスティチュ・フランセ東京HPより)


メルヴィル監督はダンケルクの戦いで

実際に生き残ったフランス兵士なのです。


『仁義』は渋くてカッコいい、

男たちのノワール映画だけど、

ブールヴィル(アンドレ・ブールヴィル)演じるマッティ刑事が、

家で飼っている猫たち3匹に餌をやるシーンが2回あって、

ハラハラする犯罪映画なのに

刑事の生活感も出している印象的なシーンでした。

ネコちゃんたちは、もちろん監督の愛猫黒猫


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『仁義』はブールヴィルの遺作。
死期を知っていた上で演じたそうです。
公開後すぐに53歳で亡くなりました。
メルヴィル監督は恰幅良くこの風貌だけど
亡くなったのは1973年、55歳でした。


金曜日はメルヴィル監督展観た後、

フィルムセンター大ホールで

「日本におけるチェコ文化年2017 

チェコ映画の全貌 」で

戦争を風刺する『閣下に報告』 (1958年)

観ました。

今日はユーロスペースで

日芸生企画・運営の映画祭

「映画と天皇」で

亀井文夫監督『戦ふ兵隊』(1939年)

『日本の悲劇』(1946年)

(これで『日本の悲劇』という題名の映画、

小林政広監督2012年、

木下惠介監督1953年、

3本コンプだ)

大島渚監督『日本春歌考』(1967年)

観ます。


もう、本当に遅すぎた気がするけど、

今からでもシネフィルになれるかなぁと、

格闘してますよ(苦笑)


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メルヴィル監督とアラン・ドロン

母がアラン・ドロンのファンで、
私が子供のころ、
「アラン・ドロンが死んでしまう映画は
本当は見たくない」
と、言いながら見ていたからキョロキョロ
『仁義』の終盤のあのシーンは
子供心にも良く覚えていました。
『コードネームはメルヴィル』
で知ったことですが、
「人は腰を撃たれたら動けなくなる」
だからゴダール監督『勝手にしやがれ』の
ラストシーンはちょっと残念な描写だと。
メルヴィル監督は戦場を体験したから、
アラン・ドロンの『仁義』のあの死に様となった。
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