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17歳のエンディングノート 感想/ダコタ・ファニング、ジェレミー・アーヴァイン 抑えた演出に好感

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『17歳のエンディングノート』
NOW IS GOOD イギリス映画
浜松シネマイーラで鑑賞


7月19日(金)まで

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予告動画はこちら↓



監督・脚本:オル・パーカー

出演:ダコタ・ファニング
    ジェレミー・アーヴァイン
    パディ・コンシダイン
    オリビア・ウィリアムズ
    カヤ・スコデラリオ

ダコタ・ファニングが余命を宣告された少女を演じる青春ドラマ。
若くして余命を宣告された少女テッサは引きこり生活を送っていたが、
17歳になり、いよいよその時が迫っていることを悟る。
仕事を辞めて治療法探しにのめり込む父親や
現実を受け止められない母親をよそに、
テッサは親友とともに「お酒を飲む」「セックス」など
危険な「TO DOリスト」を作成。残りの人生を精いっぱい生きようと決める。
そんな時、隣に引越してきた青年アダムに恋をしたことから、
テッサは生きることの意味を考え直すことになる。
相手役のアダムに「戦火の馬」で注目された若手ジェレミー・アーヴァイン。
(映画.comより)

監督・脚本はシニアのセカンドライフを味わい深く描いた
『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』
マリーゴールド・ホテルで会いましょう [DVD]/
ジュディ・デンチ,ビル・ナイ,
トム・ウィルキンソン,マギー・スミス


の脚本家オル・パーカーが、『17歳のエンディングノート』では、
脚本・監督を務めました。

この作品は『死ぬまでにしたい10のこと』
『エンディングノート』のことを連想させる!?
邦題付けたのかな。
原作はイギリスの文学賞「ブランフォード・ボウズ賞」受賞の
YA部門のベストセラー小説。

16歳。死ぬ前にしてみたいこと/ジェニー・ダウンハム

ここで、YAって何?という方へのご紹介。
Young Adult ヤング アダルトは、
「若い大人」という意味で使われている言葉です。
12歳から19歳、中学生や高校生、大学生、
いわゆるティーンの年代を指しています。

子ども向けに書かれた本が、おおまかに「児童文学」と呼ばれるように、
「若い大人」の読者に向けて書かれた本を、おおまかに「YA」(わいえー)、
「ヤングアダルト」と呼んでいます。
YA小説、YA文学と呼ぶ場合もあります。

現在、YA図書は、YA独自の分類が確立しておりません。
日本の書籍の分類方法には、「児童」と「一般」の区別しかないため、
版元の判断で、児童書として扱われたり、一般書として扱われたりしています。

YA図書は、本のサイズや形態だけで分類されるものではありません。
内容や装丁に関する決まり事や基準はありません。
書店さんや図書館によっては、
特定の出版社の文庫シリーズだけを集めたコーナーを
「ヤングアダルト」と称する場合がございますか、
それは現場の担当者さまの独自の判断によるもので、
一般的な分類法ではありません。
(「日本YA作家クラブ」HPより
「日本YA作家クラブ」はYAをPRする、作家と翻訳家の会)

映画化された「ハリー・ポッター」「トワイライト」「ハンガーゲーム」
などの海外の大ヒットシリーズ小説もそうですし、
「見えない雲」「ポビーとディンガン」といった、
心に残る映画化作品の原作などたくさんあります。
日本だと「バッテリー」「カラフル」「リアル鬼ごっこ」
「夏の庭」「西の魔女が死んだ」「ぼくは勉強ができない」
など、様々な作品があります。
ティーン向けと言っても、
大人が読んでも楽しめる作品がたくさんありますので、
YA小説を好んで読まれている方も多いと思います。
該当作品は多過ぎです。
興味を持たれた方は、YA読書クラブの本棚←クリック
「日本YA作家クラブ」←クリック
に行ってみて下さい。

さて『17歳のエンディングノート』に戻ります。
この作品は、イギリス映画らしい抑えた演出に好感が持てました。
大仰に悲劇性や「泣き」を煽ったりしません。
主な出演者はダコたんと、両親、弟、彼氏、親友だけ。
低予算で作られた誠実な作品です。
ダコたんはイギリス英語をしっかりマスターしてプロ根性見せています。

監督は原題を原作小説の「Before I Die」から
「NOW IS GOOD」に変更しました。
「現在に生きることへの強い欲求、
激しい主張を強調したかったからだ。」(パンフより)と語っています。

邦題はエンディングノートとついていますが、
ダコたん演じる主人公テッサは、
エンディングノートをつけている訳ではありません。
やりたいことリストをある場所に書いていて、
それを実行していきます。
羽目をはずす感じの項目もありますが、
テッサは真面目な普通の女の子です。
例えば「セックスをする」なんて項目は、
いざ、パーティーで出会った男子とそういう雰囲気になっても、
相手の性急な態度にうんざりして、実行できません。

そんな時に隣に越してきたガーデニングが趣味の
イケメン男子アダム(ジェレミー・アーヴァイン)に恋をします。
これはちょっと都合のよい設定と言えなくはないですが、
これがなくては話が成り立ちませんからネ。

ジェレミー・アーヴァインは『戦火の馬』と同時期の撮影で、
『戦火の馬』のセットから、
『17歳のエンディングノート』の撮影にとんできたこともあったそうです。
こちらでは現代に生きるナイーヴな青年を好演しています。
彼女を最後まで支えようと決心するまでは簡単な描写ではないし、
決心した後、彼女を誠実に支える姿には感動しました。
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『戦火の馬』でのジェレミー・アーヴァイン

テッサのパパ、ママはとてもリアルな人物で、
芸達者なパディ・コンシダインとオリビア・ウィリアムズが、
キャラクターに説得力をもたせています。

親友のカヤ・スコデラリオ、弟のエドガー・カンハムも、
いかにもいそうな人物です。
特にエドガー・カンハムが
とても自然な演技でやんちゃ坊主を演じていて素晴らしかったです。
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エドガー・カンハム

ダコタ・ファニングは、
こういう等身大のキャラクターを演じるセンスがありますね。
すごく感動して泣ける映画というのではなく、
普通の女の子が生を全うしようとする姿を、
大袈裟な演出をせずに誠実に描いた佳品と言えると思います。
ダコタ・ファニングは私の娘より1歳上なだけの19歳。
キャリアが長いのでもう20歳は過ぎてるかな感があるのですが、
まだティーンなんです。
こういう小さな作品でも自分で選んで参加しているので、
これからの仕事にも期待したいと思います。
私はちょっと泣けました。
同年代の子どもを持っているし、
テッサの積極的に今を生きる姿に感動しました。
「泣け、泣け~」ってな下品な演出ではないですから、
ホロッとくるんですよ。
ロケ地のイギリス有数のシーサイド・リゾート地ブライトンの
自然の景色も素晴らしく、作品に華を添えています。
シネマイーラでは今週いっぱいの上映ですビックリマーク
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↑左よりオリビア・ウィリアムズ、ジェレミー・アーヴァイン、エドガー・カンハム
ダコタ・ファニング、カヤ・スコデラリオ、パディ・コンシダイン

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ちょっと似たストーリーである、
ガス・ヴァン・サント監督の『永遠の僕たち』(原題: Restless)
(出演:ミア・ワシコウスカ、ヘンリー・ホッパー、加瀬亮)が、
私の昨年の「趣味的アート作品部門」の第一位でして。
永遠の僕たち [DVD]/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


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ヘンリー・ホッパー(デニスの息子)とミア・ワシコウスカ

『永遠の僕たち』は、「好きなんだよ~!」の作品で、
相手を選んでおススメする作品。
『17歳のエンディングノート』は、「良い作品ですよ」
と、どなたにも言える作品。
この違いをご理解下さった方に、私からの愛をお送ります(笑)

ダコタ・ファニング、エル・ファニング姉妹の成長の様子↓

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