『64 ロクヨン 前編』
2016年製作 日本映画
TOHOシネマズ川崎試写会で鑑賞
↓『64 ロクヨン 前編/後編』予告動画
監督:瀬々敬久
脚本:瀬々敬久 、 久松真一
原作:横山秀夫
エグゼクティブプロデューサー:平野隆
企画:越智貞夫
プロデューサー:木村理津、大原真人 、
渡邉敬介 、 浅野博貴 、 伊藤正昭
共同プロデューサー:藤井和史
撮影:斉藤幸一
美術:磯見俊裕
装飾:柳澤武
音楽:村松崇継
主題歌:小田和正
録音:高田伸也
サウンドエフェクト:北田雅也
照明:豊見山明長
編集:早野亮
スタイリスト:纐纈春樹
ヘアメイク:那須野詞
ラインプロデューサー:武石宏登
制作担当:篠宮隆浩
助監督:海野敦
スクリプター:江口由紀子
VFXスーパーバイザー:立石勝
出演:
佐藤浩市
綾野剛
榮倉奈々
瑛太
三浦友和
永瀬正敏
吉岡秀隆
仲村トオル
椎名桔平
滝藤賢一
奥田瑛二
夏川結衣
緒形直人
窪田正孝
坂口健太郎
筒井道隆
鶴田真由
赤井英和
菅田俊
烏丸せつこ
小澤征悦
金井勇太
芳根京子
菅原大吉
柄本佑
宇野祥平
菜葉菜
三浦誠己
嶋田久作
小橋めぐみ
有名すぎる!?あらすじ。
1週間しかなかった昭和64年に発生した
少女誘拐殺人事件は通称「ロクヨン」と呼ばれている。
事件は未解決のまま14年が過ぎ
平成14年、時効が目前に迫る。
刑事部の刑事としてロクヨンの捜査にあたった三上義信は、
現在は警務部の広報官として働いている。
匿名発表問題など記者クラブとの確執や、
刑事部と警務部の対立などに
神経をすり減らす日々...
久しぶりに日本映画の大作を観ました。
瀬々敬久監督なので公開されたら
観ようとは思っていました。
出来れば一気観しようかと。
でも試写会が当たりました。
TOHOシネマズの試写会は、
自分と娘の名前で応募しますが、
当選するのはいつも娘の方。(^_^;)
本人は大学の授業が6時過ぎまであって間に合わず、
私が1人で観ました。σ(^_^;)
映画は昨年放送のNHKドラマより前からの企画でしたが、
テレビドラマから1年遅れの公開となりました。
ドラマはピエール瀧主演で
平成27年度(第70回)
文化庁芸術祭賞大賞(テレビ・ドラマ部門)
を受賞していますね。
脚本は大森寿美男。
演出:井上剛(第3回は増田靜雄)
音楽:大友良英という「あまちゃん」コンビ
井上剛監督は大友良英とコンビの映画
『その街の子ども 劇場版』
『LIVE!LOVE!SING!
生きて愛して歌うこと 劇場版』←クリックで私の記事へ
もあります。
ドラマは視聴率は低かったようですが、
文化庁芸術祭賞大賞受賞したくらいですから
質の高いドラマで、
視聴者の満足度は高かったようですね。
私は原作未読、ドラマも残念ながら見ていません。
ついでに言うと
近年流行の『前編/後編』映画を観ていないです。
観たのは3部構成の力作『ハッピーアワー』くらいです。(^o^;)
映画『64 ロクヨン 前編』は、
この豪華キャスト大作で
ベテランにも若手にも
それぞれのキャストに見せ場があります。
新聞記者役菜葉菜さん
宇野祥平さんにも存在感がありました。
佐藤浩市は昔の野心ギラギラ感が
あったころを想起する演技で熱演。
今年の日本映画の映画賞の主演男優賞に
ノミネートされるのではないでしょうか?
前編は長い前フリ感はあるので、
よどみなくが~っと進んでダレませんよ、
で、ハイ、ここまで!後編を見てネ(o^-')b
です。(^o^;)
これだけ豪華なキャストだと、
誰でもお気に入りの俳優がいそうで、
これからみなさんご覧になって語られるでしょう。
私は永瀬正敏が見たかったのです。
娘が誘拐殺害された父親で重要人物。
憔悴していても実は...の、
複雑な人物を好演している
永瀬の演技が後編も楽しみです。
瀬々敬久監督は『ヘブンズ・ストーリー』舞台挨拶で
シネマイーラに来てくれたときに
お話しする機会がありました。
ブログに私たち母娘のことを少しですが
書いて下さって嬉しかったです。
瀬々監督はメジャー作品も撮りますが、
インディー映画も撮り続けていて、
つげ忠男の漫画「成り行き」の映画
『なりゆきな魂、』既にクランクアップしています。
自主企画の『菊とギロチン』制作への追い風にも
『64 前編/後編』ヒットを期待したいところです。
『なりゆきな魂、』
つげ忠男の漫画『成り行き』の映画化
つげ忠男はつげ義春の弟で、
兄と同じく『ガロ』で作品を発表。
映画版のタイトルは『なりゆきな魂、』となり、
殺人を犯してしまった2人の老人と、
争い続ける若者たちを凝視する初老の男、
バス事故に運命を翻弄される人々の物語が交錯する様を描く。
キャストには佐野史郎、柄本明、足立正生らが名を連ねている。
佐野はつげ義春原作の石井輝男監督作『ゲンセンカン主人』で
義春をモデルにした役を演じたほか、
同じく石井監督作で忠男の漫画を映画化した
『無頼平野』で忠男役を演じている。
(CINRA.NETより)
『なりゆきな魂、』
監督:瀬々敬久
出演:
佐野史郎
柄本明
足立正生
山田真歩
中田絢千
栁俊太郎
川瀬陽太
成り行き/つげ忠男
『菊とギロチン -女相撲とアナキスト-』
瀬々敬久自主企画
監督:瀬々敬久
脚本:瀬々敬久、相澤虎之助(空族)
『菊とギロチン』公式サイト←クリック
関東大震災後の混沌の中で、
様々な大衆文化が花開くと同時に
軍事国家への道をひた走る大正時代末期の日本が舞台。
当時農村を中心に活況を呈していた、
「女相撲興行」の力士たちと、
格差のない理想世界を夢見る若きアナキストたちの出会いを軸に、
庶民たちの荒々しくも猥雑なパワーを、
ロマンスあり、活劇あり、社会風刺ありで描く
骨太エンターテインメント。
(公式サイトより)
主人公三上(佐藤浩市)は現在は警務部の広報官
部下は綾野剛(主演の白石和彌監督『日本で一番悪い奴ら』
6月25日公開が楽しみです。
64にも出演している菅田俊主演、高橋玄監督
『ポチの告白』とどっちがよりワルか?)
榮倉奈々、金井勇太の若手。
記者クラブのリーダー的存在東洋新聞キャップ
瑛太、サブキャップ坂口健太郎たちと、
匿名発表絡みで対立する。
ロクヨン自宅班班長菅田俊、
吉岡秀隆、筒井道隆、窪田正孝
には秘密があった...
昔の上司三浦友和、
同僚中村トオルなど
今は関係性も変わってしまった。
記者クラブとの対立や
官僚的な上司などの描写は
定型ですが
俳優が上手いので流れに乗って観られます。
600ページで登場人物の多い
長編小説をを4時間で描くのは
なかなか難しいことですが、
前編は後編を観たくなる展開でまとめてありました。
原作物なのでこれは映画の出来栄えへの
不満ではないですが、
交通事故の加害者の名前を匿名発表した警察側と
実名発表を迫る記者クラブの対立がドラマの
大きな軸になっていて、
この問題で大騒ぎしている記者クラブの姿勢が
なんだかなーと感じてしまいました。
『スポットライト』みたいな映画と並べられたら
ジャーナリストとして実に苦しいと言うか...
ネット社会がここまで広がった現在は、
マスコミが匿名報道する影響も
低下していると思えますが、
昔は匿名報道、実名報道の議論も活発でした。
私はマスコミ論専攻でしたから、
30年前の学生時代はこの議論もヴィヴィッドなものでした。
ネット社会になったからと言っても
報道と人権の問題は続いています。
元読売新聞記者の山口正紀さんの書かれた
「新聞、テレビ、雑誌、インターネット。
これらのメディアから日々、
大量に発信されるニュース、情報は
今や、私たちの生活に欠かせないものとなっている。
しかし、その一方で、
メディアの誤報や過熱取材による人権侵害に苦しむ人々もいる。
報道による人権侵害=報道被害はなぜ起きるのか。
どうすればなくせるのだろうか。」
「人権と報道」概論←クリック
↑
これをぜひ参考にお読みください。
それから私は、
この『64 ロクヨン 前編』は、
何も情報を入れずに観たので、
三上の娘あゆみが自分の顔が父に似て醜いと
ヒステリックに騒いでいる描写があり、
今は整形を反対されて家出している...
というのがどうにも呑み込めませんでした。
お父さん佐藤浩市だし、
あゆみの顔は髪が乱れていて
しっかりとは映らなかったけど
可愛らしく見えました。
芳根京子が演じています。
映画を観た後調べてみたら、
三上は鬼瓦のような顔をした人で、
そしてあゆみは父親似の顔に
コンプレックスがあるという設定。
だからテレビドラマはピエール瀧だったのか...
鬼瓦ということを除けば佐藤浩市は
役柄に合った演技をしているし、
彼レベルの俳優が主役にキャスティングされないと
大作映画にならず、
他の豪華キャストともバランス取れないし。
というわけで、
これも映画の質の問題ではないですが、
何も情報なしで観ていて不思議に感じた事は
解決しました。
原作者の横山秀夫氏と瀬々敬久監督の対談記事
がありましたので、参考にどうぞ↓
『64(ロクヨン)』映画化記念対談
小説の流儀、映画の作法
横山秀夫(原作者)×瀬々敬久(映画監督)←クリック
この記事を読んだら
後編は原作とは違うラストみたいだし、
楽しみです。
と言っても原作読んでないのですけどネf^_^;
(瀬々監督のメジャー作品
『アントキノイノチ』はさだまさし原作
『64 ロクヨン』主題歌小田和正と、
実は私の苦手な両巨頭でして...(;´▽`A``)
鑑賞した映画の短評は↓
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アメーバ映画時光の「なう」←クリック
に鑑賞後随時投稿しています。
ぜひ読んで下さい。
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マット・ロス監督