3月に観た美術展のまとめ
★渋谷ヒカリエ
・『蜜のあわれ』公開記念展示
・dデザイン・トラベル岐阜展
・『川本喜八郎人形ギャラリー』
「落日粟津ヶ原」「鎌倉非情」「一ノ谷」「父子三態」他
★渋谷西武
「世界のマダムのおしゃれスナップ展AdvancedStyle2」
ここまではレポート記事をUPしてありますので
ここ←クリック
読んで下さいね!
★Bunkamura ザ・ミュージアム
『リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展』
★国立新美術館
はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション
★パナソニック 汐留ミュージアム
「世界遺産キュー王立植物園所蔵
イングリッシュ・ガーデン 英国に集う花々」展
★日比谷図書文化館
祖父江慎+コズフィッシュ展:ブックデザイ
★東京都美術館
ボッティチェリ展
★横浜美術館
村上隆のスーパーフラット・コレクション ―蕭白、魯山人からキーファーまで―
Bunkamura ザ・ミュージアム
『リバプール国立美術館所蔵
英国の夢 ラファエル前派展』
ロセッティ、ミレイ、ハントが
ラファエル前派を結成し活躍した
19世紀中頃のリバプールは、
造船業や様々な工業によって、
また工業製品を輸出する英国第一の港町として
大変栄えていました。
リバプール国立美術館は、
リバプール市内及び近郊の3美術館などの総称で、
ラファエル前派の傑作を有する美術館として
世界的に知られています。
リバプール国立美術館の所蔵品から、
ラファエル前派及びその追随者の油彩・水彩など65点を紹介し、
近代における英国美術の英国らしさを
「英国の夢」をキーワードに浮き彫りにしていきます。
(公式サイトより)
という美術展で、
19世紀中頃の絵画ですが
そろそろ印象派の時代という頃の絵画にしては
古風に見えます。
でも上品な絵画が好きな人には好みでしょう。
この展覧会は展示数が少なめでしたけど。
前にも書きましたが、
チラシにも採用されている
ジョン・エヴァレット・ミレイ作
「いにしえの夢 浅瀬を渡るイサンブラス卿」
のイサンブラス卿と後ろの男の子が、
『独裁者と小さな孫』
の大統領と孫に似てるんです。( ´艸`)
国立新美術館
はじまり、美の饗宴展
すばらしき大原美術館コレクション
岡山県倉敷市の大実業家であり、
社会貢献や福祉の分野にも多大な足跡を残した
大原孫三郎(1880-1943年)は、
西洋美術を紹介する日本初の本格的な美術館を、
1930年に倉敷に創設しました。
その優れたコレクションに世界が瞠目した、
大原美術館の誕生です。
開館の礎となったのは、同じく岡山県出身の画家である
児島虎次郎(1881-1929年)が、
孫三郎の支援と理解を得て
ヨーロッパで収集した美術品の数々でした。
その後も大原美術館は、
孫三郎の思想を引き継いでコレクションを拡充し、
日本を代表する美術館として
多くの美術愛好家の心を捉え続けてきました。
大原美術館のコレクションは、西洋近代美術のほかにも、
日本近代洋画、民芸運動ゆかりの作家たちの作品、
エジプトやオリエント、東洋の古代美術、
そして戦後美術から、
いま第一線で活躍している現代美術家の作品まで、
きわめて多岐にわたります。
本展覧会には、そのすべての部門から選ばれた
数々の逸品が一堂に会します。
そして、約1世紀にわたって時代とともに歩んできた
大原美術館の活動を、珠玉の名品とともに紹介します。
(公式サイトより)
という、大原美術館の名品が
たくさん見られた美術展でした。
ただ、やはり大原美術館の建物自体に風格があり、
展示品に合わせた設計もされてるから
あの環境で観ることに価値がありますね。
大原美術館には一回しか行ったことがないので、
また行きたくなりました。
大原美術館の名品が並んでいましたが、
私が面白いと思った作品をひとつ↓
中国 唐時代(618~907年)の
「灰陶加彩胡人俑」
シルクロードを往来した中央アジア系の人で
顎鬚がついてないのが珍しいのだそうです。
それよりこの表情とポーズに注目してしまいました。
「よっしゃ~!」ってこんな感じでしょ!?↓
パナソニック 汐留ミュージアム
「世界遺産キュー王立植物園所蔵
イングリッシュ・ガーデン 英国に集う花々」展
自然の景観を活かし、
多種多様な美しい草花を巧みに配して
変化に富んだ光景をつくり出す
イングリッシュ・ガーデン (英国式庭園)。
意外にもそれらの植物の多くはヨーロッパ原産ではなく、
大航海時代以来、その美しさとめずらしさに魅せられた
ヨーロッパの人々により、
冒険と探求の結晶として世界中から集められたものです。
探検隊やプラントハンター(植物採集家)は
アジアや中南米に派遣され、
鑑賞用植物の他にさまざまな資源植物も集め、
そうした植物は取引されることによって
ヨーロッパの社会や経済に少なからぬ影響を及ぼしました。
特に英国においては植物研究と庭づくりへの情熱により、
庭園は文化として豊かに発展しました。
世界各地からもたらされた植物は
記録と研究のためにさかんに描かれるようになり、
ここに科学的探究の成果の芸術的な表現である
ボタニカル・アート(植物画)という絵画領域が確立されました。
それは人々を魅了し、鑑賞熱も高まりました。
植物はまたデザイナーたちを魅きつけ、
陶磁器、室内調度、テキスタイルや服飾品などに溶け込み
日常生活に彩りを添えています。
18世紀半ばに英国王の私的な庭園として始まった
キュー王立植物園(ロンドン南西部のキューにある王立植物園)は、
いまや最先端の植物学の研究機関となり、
また22万点のボタニカル・アートを収集し
世界有数の植物園となりました。
壮大な庭園はロンドンっ子たちの心を癒す
いこいの場となっています。
長きにわたる植物学と造園技術への貢献により
2003年にはユネスコ世界遺産(文化遺産)にも登録されました。
本展はその発展に寄与した
ジョセフ・バンクスやチャールズ・ダーウィンらの研究者、
17-19世紀を代表する植物画家たち、
ウィリアム・モリスをはじめとするデザイナーなど、
世界中で愛されるイングリッシュ・ガーデンにまつわる人々に注目しながら、
数世紀にわたる英国人の植物への情熱をひもとくものです。
同園のコレクションから選りすぐった、
黎明期から現代までのボタニカル・アートの名品、
さらに植物を着想源とした
デザイン・工芸品を含めた約150点を展観します。
(公式サイトより)
という展示でした。
私はボタニカル・アートは
特に好きなわけではないのですが、
会場の設計を代官山T-SITE(蔦屋書店)などを手掛けた
クライン・ダイサム・アーキテクツが担当して
斬新な展示空間になっているとのことだったので、
それを見たい気持ちもあって行きました。
↑会場はこんな感じでしたよ。
一見洒落ているのですが、
動線のことはあまり考えられていない様子で、
順路が複雑で見にくかったのと
通路が狭いのが難点でした。
洒落たデザインでなおかつ動線も
よく考えられた会場設計の美術展が
これから出てくるかな?
日比谷図書文化館
祖父江慎+コズフィッシュ展:ブックデザイ
「うまくいかない喜び」を軸に活動を展開する
グラフィックデザイナー、祖父江慎(そぶえ しん)氏。
その独特な感性と鍛え抜かれたデザイン力により
常に私たちの意表を突く作品を世に送り出してきました。
本の中身・内容をいかに伝え、
読者に訴え得るかが装丁やブックデザインの基本ですが、
優れたデザインはその本の世界をより魅力的に語ります。
本展では祖父江氏と氏が主宰する
コズフィッシュのブックデザインを通して、
フィジカルな「本」の魅力を探ります。
デジタルデバイスの登場により
すっかり様変わりした感のある私たちの読書環境。
そんな中、本がどのように作られるのか、
そのプロセスを追いながら、
紙の本だからこその表現を求めて
1冊に込められる情熱に迫ります。
本がどのように作られるのか、
アイデア・プラン出しから始まって
それらを実現するための試行錯誤を、
本に使われる紙や本の構造、
印刷方法から製本まで、
祖父江氏が実際にデザインした本を例に
盛りだくさんでお届け。
また多くの日本人に馴染みのある夏目漱石『心』
『吾輩ハ猫デアル』新装版の制作プロセスを細かく紹介。
『心』装丁のために漱石自身が描いた装画や初版本のゲラなど、
貴重な漱石自筆作品も展示されます。
(千代田区観光協会サイトより)
展示会の名前が
「祖父江慎+コズフィッシュ展:ブックデザイ」
で、「ン」は、わざとありません。
文字通り型破りな展示で
とても面白かったです!
私はブックデザインは3冊だけしたことがあります。
編集デザインもしていたので、
興味深く、穴があくほど見てきました。(笑)
超絶細かい印刷の指示など
ここまでやるのかとと驚嘆しました。
本好きが詰め掛けたようで賑わっていました。
日比谷図書文化館は近くにあったら
入りびたりになりそう。
パンフ懐かしい。ちゃんと取ってあるよ。
「祖父江慎+コズフィッシュ展:ブックデザイ」
のカタログが会場では売り切れてました。
文化村の本屋にあったので買ったのだけど、
なんだ、アマゾンにもあったのね。
祖父江慎+コズフィッシュ/祖父江 慎
¥9,504
Amazon.co.jp
東京都美術館
ボッティチェリ展
サンドロ・ボッティチェリ(1444/45-1510)は、
優雅で美しい聖母や
神話の女神を描いた画家として知られます。
その作品は多くが板に描かれ、
きわめて繊細であるため、
まとまった数の来日はこれまでに叶いませんでした。
日伊国交樹立150周年記念として実現する本展は、
フィレンツェをはじめ世界各地から
20点以上ものボッティチェリ作品を集め、
その画業を一望する大回顧展です。
フィリッポ・リッピの工房で修業を積み、
生涯のほとんどをフィレンツェで過ごしたボッティチェリは、
メディチ家の画家として名を馳せ、
大型の祭壇画から私的な神話画まで、
幅広い主題の絵画を手掛けました。
同時代の芸術家たちが、
遠近法や明暗法を駆使した自然主義的な表現に向かうなか、
ボッティチェリは中世美術を思わせる装飾的、象徴的な様式を貫き、
独自の絵画世界を作り上げます。
本展においては、初期から晩年までの宗教画、
神話画、肖像画を通して、
ボッティチェリ作品の特徴と魅力を紹介するとともに、
師のフィリッポ・リッピや
弟子のフィリッピーノ・リッピの作品をあわせて展示し、
15世紀フィレンツェにおける絵画表現の系譜をたどります。
(公式サイトより)
すごく混んでました(^o^;)
一番美しかったのはチラシ画像の一番上にある
「聖母子(書物の聖母)」でした。
この作品はみんな見とれちゃうので
人だかりでした。
超有名な代表作「プリマヴェーラ」
「ヴィーナスの誕生」とか来てません。(^_^;)
これも含めた代表作は
20代の時にフィレンツェのウフィツィ美術館で
見ておいたので、
今思えばもう行けそうもないから良かったです。
横浜美術館
村上隆のスーパーフラット・コレクション
―蕭白、魯山人からキーファーまで―
古美術、現代アート、その他もろもろ
御開帳!村上隆のスーパーフラット・コレクション
この展覧会は、現代日本を代表するアーティスト、
村上隆(むらかみたかし)(1962年生まれ)の
現代美術を中心とするコレクションを
初めて大規模に紹介するものです。
村上隆は、東京藝術大学にて
日本画初の博士号を取得。
現代美術と日本の伝統絵画、
ハイカルチャーとポップカルチャー、
東洋と西洋を交差させた極めて完成度の高い
一連の作品で世界的に評価され、
海外の著名な美術館で数々の個展を開催してきました。
アーティストとしての精力的な創作の一方で、
村上隆はキュレーター、ギャラリスト、
プロデューサーなど多岐にわたる活動も展開しています。
特に、近年、独自の眼と美意識で国内外の様々な美術品を
積極的に蒐集し続けており、
その知られざるコレクションは、
現代美術を中心に日本をはじめとする
アジアの骨董やヨーロッパのアンティーク、
現代陶芸や民俗資料にまで及んでいます。
村上隆にとって「スーパーフラット」とは、
平面性や装飾性といった造形的な意味のみに限定されるのではなく、
時代やジャンル、既存のヒエラルキーから解放された
個々の作品の並列性、
枠組みを超えた活動そのものを示しており、
「芸術とは何か?」という大命題に様々な角度から
挑み続ける作家の活動全体(人生)を包括的に表す
広範かつ動的な概念と捉えられるでしょう。
圧倒的な物量と多様さを誇るこれら作品群を通して、
村上隆の美意識の源泉、さらには芸術と欲望、
現代社会における価値成立のメカニズムについて考えるとともに、
既存の美術の文脈に問いを投げ掛ける、
またとない機会となるでしょう。
村上隆の五百羅漢図展 森美術館 めくるめく村上ワールド!!←クリック
「村上隆の五百羅漢図展」と同時期に開かれていました。
こちらの
「村上隆のスーパーフラット・コレクション」展は
彼の五千点以上あるという古今東西の
驚異的なコレクションの展示でした。
エントランスホールにも巨大な作品が何点もあったり、
常設展示室も使っての展示で、
圧倒されまくりでした。
6月に図録が発行されるので楽しみです。
どんな展示だったかはこの動画をご覧ください↓
↓スペシャル映像「村上隆のスーパ―フラット・コレクション」
↓村上隆トークイベント
「村上隆のスーパーフラット・コレクション展
―蕭白、魯山人からキーファーまで―」 横浜美術館
写真はフラッシュ使わなければOKで、
たくさん撮りました。
一部をご紹介します。
現代アートでは奈良美智さんの作品が
多くて目立っていました。
欲しいです~(°∀°)b
と、思った、
ジュリアン・シュナーベルと、
ヘンリー・ダーガー↓
竹熊健太郎作
「JR中央線・夢のトーマス化計画」とは何か?
これは全文読んでしまいました。(^o^;)
まあ、とにかく面白い展示でした。
1枚鏡の作品に自分を映しこんで遊んだエラーな写真があります。(・Θ・;)
もう、4月も終わりで、
4月のまとめの時期ですが、
今頃3月に行った美術展のまとめでした。f^_^;
今週劇場鑑賞した映画
『大地を受け継ぐ』
福島県須賀川市の農家を
東京から16~23歳の若者が訪れ、
原発事故後父親が自死された樽川さんが
声を振り絞るように語る報道されない福島の現実を聞く。
大変な状況でも大地を守るために農業を続ける樽川さんの姿、
真剣に話を聞く若者たちの姿に希望が見える。
魂が震えるドキュメンタリー映画。
今年の日本映画マイベスト1。おススメ!!
『沖縄 うりずんの雨』(再見)
ジャン・ユンカーマン監督。
公開時に観たけどキネカ大森で
『大地を受け継ぐ』と2本立てのため再見。
辺野古の基地建設問題が
沖縄の歴史と深く結びついていることが良く分かる。
沖縄の戦後が決して終わっていないことも。
映画『沖縄 うりずんの雨』
「アメリカ上映版制作&全米上映を
クラウドファンディングで実現!」
沖縄の声をアメリカに届けよう!
『沖縄 うりずんの雨』
<アメリカ上映版> 制作&全米上映プロジェクト←クリック
応援しました。
あなたも応援してみませんか?
『レヴェナント 蘇えりし者』
異色の西部劇。
レオは文字通りの熱演。
トム・ハーディの助演が光る。
トム・ハーディ、ドーナル・グリーソン
ウィル・ポールター、ポール・アンダーソン
の英国男子頑張ってる。(下の写真
自然光で撮影し暗くても
パキッと焦点の合った映像で、
ランドスケープも大作感を満喫できる。
でも、時々出てきた(ラストもだけど)
観客にカメラを意識させ
「作り物感」を感じさせる意図は
挑戦か自嘲かいかに。
ドーナル、ウィル、レオ、トム、
イニャリトゥ監督、ポール
『追憶の森』(ジャパンプレミア)
ガス・ヴァン・サント監督
マシュー・マコノヒー、渡辺謙、ナオミ・ワッツ
妻を亡くし死に場所を求め
青木ヶ原の樹海に来たアメリカ人男性が、
彷徨う日本人男性に出会う。
ビターな大人のスピリチュアル・ファンタジー。
夫婦喧嘩が超リアルだった。
結婚生活長い人は胸が痛み感慨も深いと思う。
マシューはこういう役も似合うし上手い。
鑑賞した映画の短評は↓
ツィッター eigajikou←クリック
アメーバ映画時光の「なう」←クリック
に鑑賞後随時投稿しています。
ぜひ読んで下さい。
インスタグラム始めました。←クリック
ヴィゴ・モーテンセン新作「キャプテン・ファンタスティック」
マット・ロス監督