『下衆の愛』
2015年製作 日本映画
テアトル新宿で鑑賞
↓『下衆の愛』予告動画
『下衆の愛』←クリックで公式サイトへ
監督・脚本:内田英治
プロデューサー:アダム・トレル
撮影監督:野口健司
録音:甲斐田哲也
音響効果:丹愛
照明:斎藤順
衣装:深野明美
衣装助手:吉田直美
ヘアメイク:大西花保
アソシエイトプロデューサー:アンドリュー・カーカム 、
カズミ・カーカム 、 リチャード・ヘレ 、
井上翔太 、 藤井宏二
ラインプロデューサー:田口梓
助監督:杉田満
カラーグレーディング:田巻源太
録音助手:岡本祐樹
ロケーションコーディネーター:齊藤光司
出演:
渋川清彦
でんでん
忍成修吾
岡野真也
内田慈
津田寛治
木下ほうか
古舘寛治
細田善彦
山崎祥江
川上奈々美
マツモトクラブ
新井雅人
後藤ユウミ
桜まゆみ
平岡亜紀
谷手人
伊東紅
39歳のテツオは
過去に映画祭で受賞した映画が1本あり、
ジョン・カサヴェテスを信奉している。
怪しい演技教室をしていて、
実家にパラサイトなダメンズ。
家に女優を連れ込んでは、
高校生の妹にも「働け~」とどやされている始末。
ある日ネットのHPから募集してきた
脚本家志望のケンと
女優志望のミナミの面接をする。
気が弱そうなミナミに
演技の才能があることを見ぬいたテツオは
ケンと共作(ケンの持ち込みを共作ということにした)
の脚本でミナミを主演に映画を撮ろうと一念発起。
しかし脚本どころかミナミまで
インディー出身で
今は商業映画を撮っている
ベテラン監督加納に取られてしまう。
それでも諦めきれないテツオは...
インディー映画の世界で
映画に憑りつかれてもがいている
人達がユーモラスに描かれます。
ヌードもエロさも濡れ場もあるけど、
ゲスと言いながら下品過ぎないエンタメになっているのは
芸達者なベテラン俳優をはじめとした
出演者の演技がしっかりしているから。
現実にいそうな人々を愉快に演じていて面白い。
登場人物がみんな濃いのも見所。
渋川さんは『お盆の弟』の映画監督役とは
また違った味でゲスな監督野郎を演じています。
でも、最低最悪なゲスではなく見えるのは、
やはり渋川さんが演じているからでしょう。
これ自分がモデルか!?
とドキッとする人を想像するのも楽しいかも。
ホントにワルやゲスがいるようだから。(笑)
ユーモアはブラックだけど、
いじけたブラックさではないから痛快。
本当に映画が好きな人たちが作った映画で
映画愛が込められていて、
映画魂を感じる作品。
でも、気取っていない
ホント、笑えるブラックコメディーです。(°∀°)b
テアトル新宿でレイトショー公開ってことで
観に行けるか心配でしたが、
8日(金)までの1週目は18:10の回もあるので助かりました。
自主映画で公開館数も少ないですが、
面白い映画なので気になる方は
ぜひご覧くださいね。
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EIJI UCHIDA WORKS - 映画監督内田英治
公式サイトの自己紹介←クリック
プロデューサーは
イギリスで日本、韓国、香港の映画のソフトを
リリースしているThird Window Films←クリックで公式サイトへ
アダム・トレル。
園子温、塚本晋也、沖田修一といった
監督の作品や、
『かしこい狗は、吠えずに笑う』のDVDを
日本国内版が出る前に
いち早くイギリスで発売したときに
私のブログ記事でも紹介しました。
ここ←クリック
アダム・トレル
映画配給会社Third Window Films代表。
日本およびアジア映画を、
劇場公開作品の配給やDVD販売を通じて
70作品以上をイギリスをはじめとした
世界の人々に紹介している。
配給作品は『告白』(中島哲也監督)、
『悪の経典』(三池崇史監督)、
『悪人』(李相日監督)、
『愛のむきだし』(園子温監督)など。
共同制作作品は『希望の国』(園子温監督)、
プロデューサー作品は『福福荘の福ちゃん』(藤田容介監督)がある。
レインダンス映画祭、テラコッタ・イースト映画祭などで
プログラマーとしても活躍している。(intoroより)
予算は5万ドル以下(「ただし全員にギャラ払った」)で、
撮影は8日間。
クラウドファンディングとアダムさんのお金で作った
自主製作映画です。
(アダムさんはレコードコレクターで
レアなコレクションを売ってお金を作ったそうです。)
『下衆の愛』制作過程や
日本映画界の閉鎖性の現状
製作委員会方式の問題点などを
アダムさんが語ったインタビューが
面白いので読んでみて下さい。
アダム・トレル (プロデューサー)
映画『下衆の愛』について←クリック
女連れ込む最低野郎の渋川さん
舞台挨拶で渋川さんは
テアトル新宿は『百円の恋』『恋人たち』
といった日本映画に風穴をあける映画を上映してきたので、
この映画もそうなって欲しいと話しました。
渋川さんはちょっといつもと違い
お疲れ感が漂ってる気がしましたが
この日4月2日は、
新宿バルト9で「蜜のあわれ」(石井岳龍監督)の舞台挨拶、
キネカ大森で2本立て『お盆の弟』大崎章監督
『アレノ』越川道夫監督と
3人でキネカでしゃべれ場のトーク、
そして夜、テアトル新宿で「下衆の愛」初日舞台挨拶で、
八面六臂の活躍だったから...
メジャー映画にもインディー映画にも出てるけど、
インディー映画での活躍は特にすごい。
将来語り草になると思う。
計算高い枕営業に励む内田慈。
でんでんが居酒屋で彼女のおしりを触るシーンで、
でんでん手をジーンズの中に持って行ったのは
自分のアドリブだと笑ってバラしていました。
渋川さんとのビンタの応酬シーンは全部本気だそう。
渋川さんは今迄受けたビンタで1番だったと。
内田さんは監督にビンタのシーンで
内田さんを選んで良かったと言われ、
ビンタだけかい!と思ったと笑っていました。
脚本家志望の忍成修吾
プロデュースしている
まんま怪しいプロデューサーでんでん。
カットがかかっても
女優さんのおしりをさわってた
ゲス野郎のでんでんです。と笑ってました。
女優とこんなゲスなことができるなら、
俳優やめて監督になろうかな。
なんて舞台挨拶で言っていました
嘘をついて女優たちの気を引く
嘘つき監督の木下ほうか
出演しているドラマの監督役津田寛治。
津田寛治さんが舞台挨拶で
スタッフが死んだ魚の目のようになって働いている
本当のスタッフルームで皆の仕事が終わって帰った後
3時間くらいで撮影しました。
女性の足をあんなに舐めたのは初めてですと。
津田さん『R-18文学賞vol.1自縄自縛の私』で、
自縛にはまるエリート常務役でしたが、
今回もマゾ男が似合ってました(`∀´)
『R-18文学賞vol.1自縄自縛の私』
自縛は超難しそう。
仕事や人生に疲れた時の手の込んだ発散法←クリック
マモル(細田善彦)は
ハメ撮り映像を
ヤバそうな筋の人たちに売って
お金を稼いでいたが...
アダム・トレルさんは
「今、丁度タイミングのいいゲスブームがあって
すごくありがたい、ラッキー」と
流暢な日本語で語ると
MCの矢部太郎が
「今日はマスコミの皆さんも来てますので」とフォロー
すると、トレルさんは
「ボク、イギリス人だからよくわかんないネ」
と、とぼけて笑を取ってました。(・∀・)
内田監督は『下衆の愛』のタイトルは、
3年前にこの映画の企画が始まった時から
決まっていたのですよ。
映画は1年前に撮影していました。
こんないい役者さんたちと作れて良かった。
と話しました。
私はケチなので舞台挨拶付上映が
特別料金の場合は行きません(^_^;)
会員料金適用の場合には行きます。(笑)
ミニシアターでの上映のインディー映画だと、
大概撮影OKで、
SNSで拡散、宣伝して下さい。
と言われます。
作り手の熱意が伝わる舞台挨拶は
見ていて聞いていて気持ちがいいです。
アダム・トレルさんはSNSはお金をかけずに
宣伝できるから活用すると
上記リンクのインタビューでも語っていて、
この時も勿論撮影OKでした。
写り悪いので、ナタリーさんから借りた写真↓
この映画のプモーションの一環で
「ゲス」という言葉は英語の
この映画の英題「Lowlife Love」
にも使われている「Lowlife」(いかがわしい人)
とはニュアンスが微妙に違うので
『ゲス』という言葉を『下劣なこと、もしくはその人、しかし愛嬌がある』
という意味合いでオックスフォード辞典に申請しました。
ジョン・カサヴェテスは
アメリカインディー映画の父。
私の一番好きな監督です。
映画人、俳優にも信奉してる人多いよネ。
手を合わせていたのは
この写真だったと思う。
T字路sの主題歌「はきだめの愛」は
映画のための書き下ろしでカッコイイ曲。
4月12と19日にテアトル新宿で
上映後にT字路sのアコースティックミニライブがあるそうですよ。
↓映画『下衆の愛』主題歌: T字路s「はきだめの愛」 SHORT VER.
入場者プレゼントでもらった
有名映画ポスターのパロディーハガキ。
『下衆の愛』公式サイトの
キャスト紹介で使われている写真です。
残念ながらパンフが作られてないので、
『下衆の愛』のポスター買いました。
日本映画のポスターって
買った事ない気がする。
今回初めてじゃないかな。↓
あ、でも良く考えてみたら
濱マイクシリーズの
『遥かな時代の階段を The Stairway to the Distant Past』
の大判ポスター買って仕事場に貼ってた。
これはサントラのジャケットだけど
こんな感じで日本語が入ってなかったと思う。
先週から今週にかけて
日本映画を4本観ました。
『ジョギング渡り鳥』鈴木卓爾監督
『ハッピー・アワー』濱口竜介監督
『下衆の愛』内田英治監督
『リップヴァンウィンクルの花嫁』岩井俊二監督
自分として今観ておくべき
日本映画を観られて良かったと思います。
明日は
『NIGHT SAFARI』『孤高の遠吠え』小林勇貴監督
観る予定。
他に今週は
『荒野のガンマン』
『もしも建物が話せたら』
『愛しき人生の作り方』
観ました。
それぞれの作品の感想はツィッター、なうに投稿してるので
ぜひ読んでください↓
ツィッター eigajikou←クリック
アメーバ映画時光の「なう」←クリック
に鑑賞後随時投稿しています。
ぜひ読んで下さい。
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