『陽光桜 YOKO THE CHERRY BLOSSOM』
2015年製作 日本映画
シネマジャック&ベティで鑑賞
ジャック&ベティでの上映は1月9日(土)~22日(金)
浜松シネマイーラでは3月5日(土)~11日(金)に上映
地元松山シネマルナティックでは大ヒットにつき
1月30(土)~2月12(日)再映決定
品川プリンスシネマで2月20日(土)~東京地区再上映
その他の上映情報は『陽光桜』公式サイト←クリック
↓『陽光桜 -YOKO THE CHERRY BLOSSOM-』予告編
原作・脚本・製作総指揮・監督:高橋玄
プロデューサー:町田弥生
相川真範
撮影:フィル・ハーダー
照明:小川満
録音:深田晃
編集:太田義則
美術:林天外(高橋玄監督別名義)
音楽:ベンジャミン・ベドゥサック
主題歌:ザ・ブルーハーツ
出演:笹野高史、
的場浩司
宮本真希
風祭ゆき
長谷直美
野村宏伸、
川上麻衣子
ささの翔太
津川雅彦 他
『陽光桜-YOKO THE CHERRY BLOSSOM-』は、
愛媛県川内町(現在の東温市)で生まれ
2001年に92歳で亡くなった
「知られざる偉人」高岡正明氏の生涯を
モデルに描かれた。
第二次大戦中、軍国教育を行っていた
青年学校で教師をしていた高岡正明は、
自分は脊椎カリエスを患っていたため兵役には就けず、
終戦直後から「わしが教え子たちを戦地に送り込んでしまった」
との自責の念に苦しみ続けた。
彼は「戦争という、二度とこのような悲惨なことを繰り返してはならない。
戦死した教え子たちの鎮魂と、
世界恒久平和への願いを託して新しい桜を自分の手で作ろう」と、
生涯を賭けた桜の新品種開発を誓う。
その桜は「新しい桜」でなければならなかった。
「厳寒のシベリアで散った子たちもいる。
亜熱帯のインドシナ半島で亡くなった子もおる。
教え子たちの鎮魂と世界各国への
平和のメッセージを託すには、
これまでの桜ではいかん。
どんな気候でも花を咲かせる、
病気にも強い樹勢が良い品種でなければいかんけん」
その挑戦は苦難の連続だった。
植物遺伝学上、桜は人工受粉で新たな品種をつくることは
「不可能」だと言われていた。
しかし、自らの誓いを胸に秘め不屈の精神で試行錯誤を繰り返し、
30年後、ついに桜の新品種登録第一号となる「陽光」を生み出す。
(公式サイトより)
高橋玄監督は
『ポチの告白』
『ゼウスの法廷』
など、反権力な作品で知られていますが、
本作は固い教科書偉人伝的な作品でなく、
笹野高史さんがコミカルに主人公を演じ、
ユーモアがあって笑える面白い映画です。
ニューヨーク在住、
全米映画監督協会会員で、
プリンス、エネミムなど
トップ・アーティストのミュージック・ビデオや
Apple、GAP、マクドナルドなどのCMの
監督もしているフィル・ハーダーにより
撮影された映像が美しいです。
↓ザ・スクリプト(The Script)の「Six Degrees of Separation」
フィル・ハーダー監督
高岡正明氏の本職は農業でしたが、
経済面は家族にまかせて
桜の開発を続け
家族からも宇宙人と言われる人でした。
苗を開発後、世界各地に送って「陽光」は植樹されました。
杉原千畝が外交官を務めたリトアニアにも植えられました。
ローマ法王や各国の政治家などからの
感謝状も届いていましたが、
家族にも伝えなかったため
「しられざる偉人」でした。
高橋玄監督は取材をして
原作のノンフィクション
『陽光桜 非戦の誓いを桜に託した、
知られざる偉人の物語』
を執筆。
集英社より刊行されています。
陽光桜 非戦の誓いを桜に託した、
知られざる偉人の物語/高橋 玄
高岡氏の地元愛媛や全国からの
協力・支援も受けていますが、
この映画の製作資金の約半分は
監督と監督のプロダクションが調達し、
製作事業としては独立プロ作品で、
いわゆる地域起こしの「ご当地映画」ではなく、
はじめから国際的な観客層を想定して製作したそうです。
独立プロ作品なので
全国展開のシネコン上映とはいきませんが、
単館の映画館、ミニシアターでの上映の他、
自主上映や学校での上映が広がっています。
私の友人が配給宣伝を頑張っています。
これから上映される地域もありますので
ここ←クリックで確認してくださいね。
シネマジャック&ベティでの上映は
朝9:45~にもかかわらず、
お客さんがたくさん入っていました。
会場からは笑声が出て
皆さん楽しんでいる雰囲気が伝わってきました。
舞台挨拶での笹野さんのトークは軽妙で
ウケてました。
大ベテランの笹野さんですが、
主演作は本作がはじめて。
「日本アカデミー賞の主演男優賞がもらえないかしらと、
検索してみたら、
ノミネートの対象になっておらず残念でした(笑)
1人でも多くの方に観て戴きたいので、
ぜひ周りの方に吹聴してススメてくださいね。」
と話されました。
日本アカデミー賞の選考基準を調べたら、
「東京地区に於ける商業映画劇場にて、
有料で35mm又は70mmのフイルム及び
デジタルシネマ方式で初公開され、
原則として1日3回以上上映し、
劇場公開を目的に製作された新作で、
通常の宣伝のもとに 2週間以上継続して公開された、
40分以上の作品が対象となります
(モーニング・レイトショーのみの上映は含みません)。」
となっていました。
インディー映画の場合
ミニシアターで
1日1回の上映や
モーニング・レイトショー上映の場合も多いから、
この基準を満たさない作品も多いですね。
日本アカデミー賞はシネコン上映の
大手映画会社の作品ばかりになるわけだ。
『陽光桜』劇中に
杉原千畝との歴史的なつながりで
リトアニアに「陽光」を贈ろうと
NPO職員役の永倉大輔さんと
正岡氏役笹野さんが話しをするシーンがあります。
「これは期せずして映画『杉原千畝 スギハラチウネ』
の宣伝しちゃいましたね、
『陽光桜』の企画の方が先だったんですよ。」
というお話が舞台挨拶でも出ていました。
シネマジャック&ベティでは、
昨年12月に
2015年に逝去した映画監督・沖島勲さん
俳優・阿藤快さんを偲んで
「沖島勲×阿藤快 追悼上映」がありました。
笹野高史さんと同年代で
同じく大ベテランの俳優
阿藤快さんも主演映画は沖島勲監督の
『一万年、後…。』だけでした。
『一万年、後…。』は『陽光桜』より
さらに小規模なインディー映画です。
でも、両作品とも次世代、後世への
責任感を持った大人が作った映画と受け止めました。
自分たちが生きてるうちの
現世利益だけを追いかける無責任な大人ではダメだ。
そんなメッセージを受け取りましたよ。
しかも両作品ともユーモアがあって
説教臭くないのがイイなあと思います。
機会がありましたらぜひご覧になって下さい。
アメブロブロガーsakuさんの記事↓
【頑張れ日本映画2016年春~陽光桜 YOKO THE CHERRY BLOSSOM~】←クリック
笹野さんの息子ささの翔太さんが演じる。
高岡正堂役的場浩司、その妻恵子役宮本真希、
高岡正明の妻艶子役風祭ゆき
何十年経ってもみんな老けないのはご愛嬌かな(^o^;)
天城吉野(アマギヨシノ)と寒緋桜(カンヒザクラ)の
交配により開発され、
丈夫で花は一重でピンクの色が濃く大きいのが特徴。
昨日観たのは他に
フリーパスポートで
『ブリッジ・オブ・スパイ』
スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演
冷戦時代が舞台のバランスの取れた歴史もの。
アカデミー賞作品賞にノミネートはされるけど
受賞はしないでしょう。
スピルバーグの監督賞ノミネートはなさそう。
トム・ハンクスはアカデミー理事のため
ノミネート辞退が慣例。
マーク・ライランスが助演男優賞ノミネート確実で
受賞も今の所最有力。
スタローン隊長が迫っている感じ。
ガンバレ隊長!
鑑賞した映画の短評は↓
ツィッター eigajikou←クリック
アメーバ映画時光の「なう」←クリック
に鑑賞後随時投稿しています。
ぜひ読んで下さい。
息子の高岡正堂役は的場浩司
高岡正明氏の若い頃は
右から新聞記者近藤役野村宏伸、その妻静香役川上麻衣子、
「陽光」は
パンフにサインもらったョ