『合葬』
2015年製作 日本映画
新宿ピカデリーで鑑賞
浜松シネマイーラでは11月7日(土)~20日(金)上映
↓『合葬』予告動画
監督:小林達夫
原作:杉浦日向子
脚本:渡辺あや
企画:松竹撮影所
プロデューサー:瀬戸麻理子
制作:松竹
撮影:渡辺伸二
美術:馬場正男 、 磯見俊裕
音楽:ASA-CHANG&巡礼
録音:山本研二
照明:高屋斎
衣裳:宮本まさ江
ナレーション:カヒミ・カリィ
出演:柳楽優弥
瀬戸康史
岡山天音
門脇麦
桜井美南
井之脇海
高山侑子
藤原令子
隆大介
飴屋法水
峯村リエ
小市慢太郎
りりィ
オダギリジョー
漫画家・杉浦日向子の代表作で、
1980年代に月間漫画ガロに連載され、
日本漫画家協会賞優秀賞に輝いた
歴史コミックを映画化。
幕府の解体に反対して戦った
若者たち3人の数奇な運命を描く。
『天然コケッコー』の人気脚本家、渡辺あやが脚色を担当。
あらすじ。
慶応4年(1868年)の鳥羽・伏見の戦い後、
将軍慶喜の警護および江戸市中の
治安維持を目的として有志により
“彰義隊”が結成される。
秋津極(柳楽優弥)は、
福原悌二郎(岡山天音)の妹・砂世(門脇麦)との婚約を破談にし、
自らの意思で彰義隊へ入隊。
クールな物腰の反面、
主君慶喜に対して熱い忠誠心を持っていた。
一方、極と悌二郎の幼なじみ・吉森柾之助(瀬戸康史)は、
養子先の笠井家を追い出され、
行くあてもなく赴くままに彰義隊へ入ってしまう。
彰義隊の存在意義に疑問を呈する悌二郎は、
彰義隊の幹部で穏健派・森篤之進(オダギリジョー)に意見するが、
柾之助や極と関わり翻弄されていく。
そんな中、茶屋の仲居・かな(桜井美南)は、
ある事件をきっかけに極に恋心を抱くようになる。
しかし、柾之助がかなを好きになり、
三角関係となってしまう。
(公式サイトより)
杉浦日向子さんの原作の映画化、
今年『百日紅』に続いて2本目は『合葬』。
『百日紅 Miss HOKUSAI』感想
原恵一監督が杉浦日向子の原作を
美しくロックなアニメ映画に←クリック
高校生の時、
「ガロ」に連載されていた
杉浦日向子さんの原作を
リアルタイムで読んでいました。
原作が好きな作品の場合は、
映画は映画と割り切って
期待はしないで
観ることにしています。
今回は正直な所、
期待は殆どしていませんでした。
これが商業メジャー映画の長編第1作の
1985年生まれ、30歳の小林達夫監督。
脚本は『ジョゼと虎と魚たち』
『天然コケッコー』などの渡辺あや。
小林達夫監督の自主製作長編映画
『カントリーガール』(2010年)
も渡辺の脚本。
これは観ていないですが、
他の渡辺作品は観ています。
犬童一心、山下敦弘など
個性的な監督と組んできましたが、
今回は若手の新人監督です。
監督は渡辺にハーモニー・コリンの
『スプリング・ブレイカーズ』を参考にしてくれと
見てもらったとのこと...
スプリング・ブレイカーズ [DVD]/
ジェームズ・フランコ,セレーナ・ゴメス,
ヴァネッサ・ハジェンズ
英語歌詞の曲を使ったりして、
新しい時代劇にしたかった、
青春映画にしたかった、
という気持ちは分かりますが...
若者たちに今風な芝居させて撮れば
新しい時代劇になるってワケじゃないんですよね。
構図やアングルに拘っているのも分かるけど、
ごめんなさい、安っぽく見えました。
中心になる彰義隊の若者3人の中で
柳楽優弥は頑張ってるかと思いました。
柳楽優弥の許婚の門脇麦も。
でも、出番少ないし...
隆大介、りりィ、
小市慢太郎などが出てくると、
少しホッとしますが、
とにかく出番は本当に少ない。
オダギリジョーも早めに退場だし。
若者3人に魅力がないと
ちょっと厳しい作品なのですよ。
『合葬』は
制作が松竹で、
企画が松竹撮影所、
配給が松竹メディア事業部ですが、
松竹のやる気が見えてこなかったです。
『黒衣の刺客』の日本での撮影に協力し、
製作にも参加予定だった松竹は
結局製作に参加せず手を引いたから、
妻夫木聡の扱いが微妙なものになってしまった。
侯孝賢監督がカンヌで監督賞を取った作品に
参加していれば松竹の株も上がっただろうに。
私は『黒衣の刺客』充分楽しみましたが。
話が分からないとかで低評価してる人もいるけど、
あれ、1度観ただけで話が分かる人
スゴイと思うわ。
映画って分かり易い作品ばかりじゃないから。
自分の感性やスキルに合わないだけで
くさした評価をする方は、
観る映画をよく吟味して選んだほうが良いと思いますョ。
って、自分も今、
何書いているんだ!?なんですけどね。(^o^;)
映画『合葬』は、残念ながら
杉浦日向子さんの原作を活かす
脚色に成功しているとは思えないし、
題材的には若者と戦争という、
今の社会情勢にもフィットする問題だから、
いまこの時代に作る視点をはっきりさせることも
出来たと思います。
あと、誰に見せたいのかな?
ってところも弱すぎるのではないかしら。
新しい青春時代劇にしたかったのだから
若い人に観てもらいたいのかな?
それにしてはキャストが地味だし。
今日、レディースデーで観たけど、
シニアデーってあったっけ!?
という客層でしたよ。
予算の問題やら色々事情があるのだろうとは、
推察できますけど。
原作を未読な方は、
原作は映画を観てから読まれることを
おススメします。
ごちゃごちゃ書きましたが、
私のこんな見方は気になさらず、
鑑賞を予定してみえる方は、
ご自分の目でご覧になってお確かめくださいね。
合葬 (ちくま文庫)/杉浦 日向子
今日観た、
もう1本『ハッピーボイス・キラー』は、
すごく面白かったので、
まあ、新宿まで出掛けた甲斐はあったんです。
よっかた(^_^)vって、
『合葬』とは関係ないですが(^^ゞ...
ジェームズ・フランコとネコ(=^・^=)