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百日紅 Miss HOKUSAI 感想 原恵一監督が杉浦日向子の原作を美しくロックなアニメ映画に

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『百日紅 Miss HOKUSAI』
日本映画
2015年製作
TOHOシネマズ川崎で鑑賞











↓予告動画


↓椎名林檎「最果てが見たい」入り予告動画


↓原恵一監督、杏、松重豊インタビューその1


↓原恵一監督、杏、松重豊インタビューその2


監督:原恵一
原作:杉浦日向子
編集:西山茂
脚本:丸尾みほ
撮影:田中宏侍
美術:大野広司
音楽:富貴晴美
辻陽
主題歌:椎名林檎「最果てが見たい」

出演(声優):

松重豊
濱田岳
高良健吾
美保純
清水詩音
筒井道隆
麻生久美子
立川談春
入野自由
矢島晶子
藤原啓治




あらすじは...
葛飾北斎(鉄蔵:松重豊)の娘お栄(後の葛飾応為:杏)は、
父と居候の善次郎(後の渓斎英泉:濱田岳)
と3人で暮らし、父の代筆をしている。
北斎は妻のこと(美保純)と
盲目で体が弱いお猶(なお:清水詩音)には
会いたがらないが、
お栄は母と会い、お猶をとても可愛がっている。
ぶっきらぼうで負けず嫌いな性格のお栄だが、
色恋にはとても不器用。
北斎の弟子だった初五郎(筒井道隆)に
ほのかな思いを寄せているが、
お栄に好意を持つ絵師国直(高良健吾)
の気持ちには気付かない。
お栄と北斎の絵師としての日常が描かれる。


今年、私が観た日本映画で良かったのは、
この『百日紅 Miss HOKUSAI』と、
『小さき声のカノン 選択する人々』です。
日本映画あまり観てないのですけどね。
新作日本映画ですごく観たい作品少なくて...
やっぱ映画ブロガーなら『ソロモンの偽証』とか、
『寄生獣』とか観ないといけないのかな~??
なんて、ちょっとだけ思ったりもするけど、
他にもっと観たい作品がたくさんあるから、
スルーしちゃってる。
『百日紅』はとても楽しみにしていたので、
この前いつ行ったかも忘れてしまった
本当に久しぶりのレイトショーで、
初日に観てきました。

原恵一監督は『河童のクゥと夏休み』と、
杉浦日向子さんの作品の映画化をすることが、
長年の夢であったそうで、
両方かなってしまったので、
この先の新しい夢をどう描いたらいいのかな。
と、語られています。
それくらい思い入れが強い作品での
素晴らしい仕事になりました。

河童のクゥと夏休み 【通常版】 [DVD]/
冨澤風斗,横川貴大


百日紅 (上) (ちくま文庫)/
杉浦 日向子


百日紅 (下) (ちくま文庫)/
杉浦 日向子


私も中高生の頃「ガロ」が好きで
杉浦日向子さん、やまだ紫さん、近藤ようこさんの
漫画本は今でもしっかり持っています。
杉浦日向子さんが亡くなった時はショックでした。




アニメーション制作は、
押井守監督作品「攻殻機動隊」などで有名な
Production I.Gで、
期待通り、アニメもCGも画が素晴らしく綺麗です。
日本画や浮世絵的な色調や、
幻想的な場面での躍動感、
スケッチするときの墨一色の筆致のライブ感、
浮世絵と西洋絵画の遠近法をミックスした構成など、
見所がいっぱいで心がときめきましたよ。
ドラマが短調だとの評もありましたが、
私は全然そんな風に感じませんでしたね。
ユーモアがあって面白かったし、
お栄の画に懸ける一途な思いや
それを見守る北斎の姿、
目が見えないお猶が音や触感で
感じる世界の豊かな描写(音響の仕事も素晴らしいです)
などにグッときました。
杉浦日向子さんも原恵一監督もロックが好きで、
劇伴にロックが使われていて、
これがお栄の生き様にマッチしていて格好良いのです。
声優を務めた俳優は杏をはじめ芸達者な人たち。
アニメの声優の仕事は初めてな方も多いですが、
みなさん上手くて安心して観ていられます。
原恵一監督は、木下惠介監督を敬愛していて、
『はじまりのみち』の監督もしました。
庶民の生活を描くことにこだわった、
木下監督の精神を原監督は、
『百日紅』でもしっかり引き継いでいます。
そして、「二度と同じ撮り方はしない」という、
木下監督の実験的な精神も忘れていません。
尺は90分でとても良い長さですが、
もっと、この作品世界に浸っていたいと思いました。
海外での配給も決まっているそうですが、
日本アニメの水準の高さを示せる力作なので、
海外でも評価されると思います。


『はじまりのみち』では松竹は通常の作品の
三分の一、四分の一くらいの予算しか出さず、
宣伝もろくにしませんでした。
低予算で超タイトな撮影日数で原監督頑張りました。
私は浜松時代に木下惠介記念館の上映会に通って、
木下作品観ていましたが、
ブログには殆ど書いていないのが心残り。
死ぬまでには書きたいと思っています。

『はじまりのみち』感想 木下惠介監督を加瀬亮、
田中裕子、濱田岳が絶品演技 名作の引用多数

←クリック

三國連太郎デビュー作『善魔』感想/
木下惠介監督、原作:岸田國士 
出演:森雅之、淡島千景、笠智衆
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『陸軍』1944年/木下惠介監督/伝説のラストシーンは圧巻!←クリック

『楢山節考』田中絹代の壮絶演技!木下惠介監督/1958年←クリック

はじまりのみち [DVD]/
加瀬亮,田中裕子,ユースケ・サンタマリア


善魔 [DVD]/
森雅之,三國連太郎,淡島千景


木下惠介生誕100年 「陸軍」 [DVD]/
田中絹代,笠智衆,三津田健


木下惠介生誕100年 「楢山節考」 [DVD]/
田中絹代,高橋貞二,望月優子


















ワンコがとてもカワイイです。



北斎作の誰もが目にしたことのある
『神奈川沖浪裏』の登場場面が素敵です。






お栄役の杏は杉浦作品のファンだそう。



原恵一監督



北斎の肉筆画が多数見られる
長野県小布施町の北斎館はおススメですよ。



同じく小布施の岩松院の
葛飾北斎の天井画「八方睨み鳳凰図」
は、迫力があって一見の価値があります。



太田記念美術館 浮世絵専門美術館で、
『百日紅』公開記念として5月28日まで
葛飾応為(お栄)作「吉原格子先之図」が
特別展示されているので見に行く予定です。

葛飾応為(お栄)作「吉原格子先之図」


それから、
『百日紅』公開応援企画で、
15日までキネカ大森で、
「原恵一の不思議な中学生」2本立て
『エスパー魔美 星空のダンシングドール』
『カラフル』
やっているので、『カラフル』は再見だけど、
大好きな作品なので、
この2本立ても見に行く予定。
「ラテン!ラテン!ラテン!」の
上映作品も観に行くし、
今週も忙しいなァ。
『スリーピング・ボイス~沈黙の叫び~』の
レビューもまだ書けていないのだけど(;´▽`A``

杉浦日向子さんの傑作『合葬』も、
この秋実写映画が公開されます。
渡辺あや脚本、小林達夫監督、
柳楽優弥、瀬戸康史他



合葬 (ちくま文庫)/杉浦 日向子





『かしこい狗は、吠えずに笑う』


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