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罪の手ざわり 感想 ジャ・ジャンクー監督カンヌ映画祭脚本賞受賞作はヴァイオレンス性も含め新境地

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『罪の手ざわり』
天注定 A Touch of Sin
日本・中国合作映画
2013年製作
Bunkamura ル・シネマで鑑賞

浜松シネマイーラでは8月に公開!







↓予告動画 日本版


↓オフィシャル・トレーラー1


↓オフィシャル・トレーラー2


監督:ジャ・ジャンクー
製作総指揮:ジャ・ジャンクー
      森昌行
プロデューサー:市山尚三
アソシイトプロデューサー:川城和実
             定井勇二
             ジャ・ビン
脚本:ジャ・ジャンクー
撮影:ユー・リクウァイ
音楽:リン・チャン

キャスト:
チャオ・タオ    シャオユー
チャン・ウー    ダーハイ
ワン・バオチャン  チョウ
ルオ・ランシャン  シャオホイ
チャン・ジャーイー ヨウリャン
リー・モン     リェンロン
ハン・サンミン   サンミン
ワン・ホンウェイ  サウナ客

中国の名匠ジャ・ジャンクーが、長編劇映画としてはベネチア映画祭金獅子賞受賞作「長江哀歌」(2006)以来7年ぶりに手がけた作品で、2013年・第66回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した。急激に変化していく中国現代社会で実際に起きた事件から着想を得て、村の共同所有だった炭鉱の利益が実業家に独占されたことに怒る山西省の男、妻子には出稼ぎだと偽り強盗を繰り返す重慶の男、しつこく迫る客を切りつけてしまう湖北省の女、ナイトクラブのダンサーとの恋に苦悩する広東省の男という、時代の波に乗り遅れ、もがきながらもひたむきに生きる人々の姿を描く。(映画.COMより)


さて、このところ新作映画は試写会でしか観てないんじゃ?
と、思われてしまうような記事しか書いていないですが、
そうでもないです。
先月はカンヌのレポートもしていて、
映画も32本(劇場鑑賞)観たので、
とても記事が追い付きません。
名画座で観てる率も確かに高いのですが。
先月川崎では1本も観ていなかったです...
5月のまとめはまた書きます。

で、昨年のカンヌ映画祭レポートでも紹介した、
ジャ・ジャンクー監督が脚本賞を受賞した『罪の手ざわり』です。
渋谷のユーロスペース、オーディトリウム渋谷、
シネマヴェーラ渋谷の入ったキノハウスにはよく通っているので、
前はよく通るけど(今週は3日行ってしまいましたよ)
初めて行きましたBunkamura ル・シネマ。
ここはハイソなイメージなんでしょうか?
でも、毎週火曜日と、
日曜最終回はサービス料金で全員1100円
小・中学生、高校生は1000円
大学・専門学生 (平日)1100円
と、良心的で若者にも優しい料金です。
私は当然火曜サービスデーで観ました。
スタッフがたくさんいて驚き。
これは普通の映画館では維持できないですね。
(シネコンも人員カットしてるし)
Bunkamura(東急グループ)全体で運営管理してるからでしょうね。
シニア(60歳以上)は毎日1100円なのに、
シニア層のお客さんが多いのにも驚き。
女性が多いのことを除けば、
新文芸坐の名作日本映画特集の時みたいな
年齢の高い客層でした。
わざわざ混む日に来なくても?って思ってしまいましたが...
すみません、おのぼりさん日記書いてしまいました。
(ちなみにシネマヴェーラ渋谷は2本立てで
高・大学生は800円中学生以下は500円です。
オーディトリウム渋谷も低料金です。
ユーロスペースと3館共通の会員料金制度がお得です。
全国のミニシアター相互割引制度も使えますよ。)

ジャ・ジャンクー監督も44歳になり、
国際的な評価も高く、名匠と言われるようになりました。
ずっと作品を見続けている監督の1人です。

ジャ・ジャンクー監督は市井の人々を描いてきました。
今回は中国の経済格差社会が原因で、
普通の人たちが起こしてしまった
実際の事件が元になっています。
また「武俠小説」「武俠映画」へのオマージュも
ベースになっています。
公私に渡るパートナーのチャオ・タオをはじめとする、
常連俳優だけでなく、
中国の人気娯楽映画スターのチャン・ウー、ワン・バオチャンが
起用されたり、
今までの作品にはなかった激しいヴァイオレンス・シーンの演出には、
香港からアクション監督も招かれました。

今迄のエンタメ系映画とは無縁な作風を
期待される向きには、
不満の声も上がるでしょうけど、
アート系作品は苦手、
という人にも見てもらいたい作品になっています。
ジャ・ジャンクー監督作品は
2000年の長編第2作『プラットホーム』から、
オフィス北野が製作に入って、日本での配給もしています。
もう北野武映画はとっくに越えていましたが、
(北野映画ファンには申し訳ないです)
今回はエンタメ性も備えており、新境地です。
4つのエピソードとエピローグで構成されていますが、
オムニバスではなく、
それぞれのエピソードが細かい所で繋がっています。
ポール・ハギス監督・脚本の『クラッシュ』みたいに、
練りに練った脚本がちょっと息苦しい...
というのではないです。
4つのエピソードはそれぞれ全く違った土地で起こった事件だし、
現実の世界でもありそうな、
事件の当事者たちは気付いていない、
細い繋がりです。
見逃していることもありそうで、
もう一度観ようと考えています。


オフィス北野のプロデューサー市山尚三さんの
毎日新聞の記事より↓
{デビュー作を見て気に入り、
映画祭で偶然会った際に次作の構想を聞いたのが16年前。
当時、松竹で東京国際映画祭の選定委員や
台湾のホウ・シャオシェン監督の製作に携わっていたが、
松竹が国際共同製作を一時やめたのを機に退社。
オフィス北野に移り、ジャンクーさんと「プラットホーム」を作って注目された。
「初めて会った時、雰囲気が子どもみたいに純粋で、
一緒に仕事ができそうだなと感じました。
その後、ベネチア映画祭金獅子賞を受賞し、
今や『巨匠』になったけれど、
本作でも市井の人々と同じ目線の姿勢はぶれない。
さすがだなと思います。」}

『罪の手ざわり』ジャ・ジャンクー監督に聞く
「微博」が変えた中国社会(The Huffington Post Japan)
←クリック

ジャ・ジャンクー監督作品が好きな方、
ミニシアター系の映画を観る方は、
もうご覧になったり、
鑑賞予定に入れている人が多いと思います。
でも、Bunkamura ル・シネマがヘッド館の映画には、
あまり興味がないなあという方にも、
カンヌ映画祭で評価された映画、
アート系の映画はどうも趣味でないな~って方にも、
この『罪の手ざわり』は、
先入観なしに一度ご覧になってみては?
と、おススメしたい作品です。


山西省の男:ダーハイ(チャン・ウー)
村の共同所有だった炭鉱の利益が、実業家によって独占され、
村長はその口止めに賄賂をもらっているのではないかと疑い、
大きな怒りを抱いている。




重慶の男:チョウ(ワン・バオチャン)
妻子を残し出稼ぎのため村を出たチョウは、
実は各地で強盗殺人を繰り返していた...




湖北省の女:シャオユー(チャオ・タオ)
妻子ある男との恋愛に答えを出そうとするシャオユーは
風俗サウナの受付の仕事をしている。
ある夜2人男がマッサージしろと執拗に迫ってきて、
怒りが爆発した彼女は...




広東省の男:シャオホイ(ルオ・ランシャン)
縫製工場の仕事を辞め、
働きはじめた高級ナイトクラブのホステス、
リェンロンに(リー・モン)恋をするが...







この若い2人が、先輩俳優たちに劣らず、
なかなか魅力的です。昨年のカンヌ映画祭で↑↓











ジャ・ジャンクー監督とチャオ・タオは、
現代のジョン・カサヴェテス監督とジーナ・ローランズの
ようなカップルだなあと思っています。



ジョン・カサヴェテス監督は一番好きな監督、
ジーナとジョンの2人は私のベスト・カップルです。


『かしこい狗は、吠えずに笑う』


東京での上映情報 
オーディトリウム渋谷で、
7月3日(木)4日(金)21:00~上映します
ビックリマーク
どちらかで主演のmimpi*β(ミンピ)のミニライブ予定。
渡部亮平監督日プロ大賞新人監督賞受賞記念クラッカー
まだ、ご覧になってみえない方はこの機会をお見逃しなく目
何回でも観たい方もぜひご覧くださいね
合格


400表


400裏


25歳衝撃の才能ビックリマーク
渡部亮平監督応援していますビックリマーク
ぜひ、お近くの映画館にリクエストして下さいビックリマーク




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