夢は牛のお医者さん
2014年製作 日本映画
シネマ・ジャック&ベティで鑑賞
浜松シネマイーラで夏休みに上映。
小中学生特別割引(500円)
↓予告動画
監督:時田美昭
新潟県のローカルテレビ局・TeNYテレビ新潟が、1人の少女の夢の始まりから現在までの26年間に密着し、日本テレビ系列の全国ネット番組「ズームイン!!朝!」「NNNドキュメント」などでも取上げられて話題となったドキュメンタリーを映画化。1987年、新潟の山間にある小さな小学校に3頭の子牛がやってくる。当時、小学3年生だった少女が子牛の世話を通して「牛のお医者さん」になる夢を抱く。やがて少女は親しんだ牛との別れを経て、家族や周囲に支えられながらも難関を突破し、ペットではなく「家畜」の獣医となる。結婚して母となり、いまもなお、日々かけがえのない命と向き合い続けるその姿を通して、夢を持つことの大切さや、家族や故郷、仕事、現実の厳しさといったテーマを描いていく。「AKB48」の横山由依がナレーションに初挑戦した。
浜松シネマイーラでは、
夏休みに『夢は牛のお医者さん』『世界の果ての通学路』
『楽隊のうさぎ』(再上映)
この3本を対象に、ぜひ親子や祖父母と孫で楽しんで下さいと、
特別割引料金500円を設定するそうですよ
ぜひ、ご家族で楽しんで下さいネ
私は昨日書いた通り、
横浜黄金町のシネマ・ジャック&ベティで観ました。
『世界の果ての通学路』は大ヒット中ですが、
私は個人的におススメするのはこちらの
『夢は牛のお医者さん』です。
お金のかけ方も違うし、
映画としての完成度は『世界の果ての通学路』の方が
高いといえるのでしょう。
でも、『世界の果ての通学路』と『夢は牛のお医者さん』
の違いは技術的な面以前に、
作り手が伝えたい「思い」の真摯さが違います。
被写体との精神的な距離感も違います。
『夢は牛のお医者さん』はドキュメンタリー映画としては、
傑作、佳作ではないでしょうけど、
とても人間味のある、温かい作品です。
(『世界の果ての通学路』については次に書きます。
子どもたちには見聞を広めるために観てもらいたい作品です。)
『夢は牛のお医者さん』の主人公、
丸山知美さんは、
過疎地の小学校に通っていました。
地域の子どもの人数が少なく、
彼女が3年生の時は1年生の入学がありませんでした。
新入生がいないのは子どもたちが可哀想だと、
教師たちが考え、
3びきの子牛が新入生としてやってくることに。
子どもたちが世話をしますが、
体重が400kgになったら手放して、
牛は家畜市場で売られ、
肉になるのだときちんと教えます。
牛を手放すときには牛の卒業式が行われます。
子牛が風邪をひいたときに、
丸山知美さんは、世話をしながら、
自分は将来牛のお医者さんになり、
牛の病気を治してあげたいという夢を抱きます。
丸山さんの家は牛を飼う畜産農家です。
彼女は夢を抱き続け、
高校は大学進学のために家を離れ下宿し、
遠方の高校でがんばります。
岩手大学の農学部獣医学科入学をめざし、
3年間テレビを見ないと誓い猛勉強して、難関突破、
国家獣医師試験にも合格し、
上越市の家畜診療所に就職します。
中越地震の時は山古志に牛の救出のボランティアへ。
結婚、2人の子どもを出産後も、
獣医師として精力的に働いています。
こんな彼女の26年間の姿が綴られている映画です。
彼女の子どもの頃からの人生、実直な人柄を見ていると、
本当に応援したい気持ちになります。
今でも続くひたむきな努力と熱意が素敵です。
こんな生き方をしている人がいると、
子どもたちに知って欲しいです。
女の子には特に、職業選択の自由を知って欲しい。
女だからできない、やれないと、
大人の側から諦めさせることはしないで欲しい。
(女性差別は日本でもまだまだいたるところにあって、
それを知らない、あるいは自分が差別的な言動をしていることに
気付いていない人が多いことにも辟易していますが、
だまって負けてはいませんよ)
今の日本の子どもたちが、
夢を持ちにくいのは仕方ないと思います。
少子高齢化は増々進んで、
彼らの肩の上には高齢者がいっぱい乗って来るのです。
原発や環境問題も気になるし、
がんばって勉強して大学を出ても、
希望の職業につける保証は何もありません。
なりたい職業の上位が公務員だから、
「夢」がないなんてどうして言えるでしょうか。
今の大人は将来その子どもたちの払う税金のお世話になるのですよ。
自分は「夢」をかなえましたか?
かなえられなかったにしても、
子どもたちに大人になるのが楽しみだと思える、
生き方を見せていますか?
自分たちが生きている間だけの現世利益を追っていませんか?
映画『銀の匙 Silver Spoon』が描かなかった、
リアルな畜産が『夢は牛のお医者さん』にはあります。
そして『ある精肉店のはなし』もぜひ観てもらいたいと思います。
『夢は牛のお医者さん』は
AKBの横山由依がナレーションをしています。
がんばっているのは分かるけど...
夢をかなえるというコンセプトならAKBだと、
監督が依頼したそうですから、
これは一般性のある選択なのか?
お客さんも呼べるから?
映画の内容とは別に、
彼女の起用が映画の立ち位置をいまひとつ曖昧にしてはいないか
というのが気になります。
映画の内容とは別な所で。
私はこの映画観ることを迷っていました。
舌足らずなナレーションは苦手なものだから。
こんなことを書くとファンに怒られ、
荒らされちゃうかな?
はい、ごちゃごちゃ書いてしまいましたが、
この映画はぜひ子どもさんに見せてあげて下さい。
大人は一緒に観れば爽やかな気分になるでしょう。
ひとりでご覧になっても楽しめると思いますよ。
(私は娘と観ました)
あ、安倍総理やTPP推進同調者の皆さんは必見。
とても心に残ります。
涙もろい方は泣けちゃうかも。
颯爽と働く丸山さん
渡部亮平監督応援しています
ぜひ、お近くの映画館にリクエストして下さい
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