『チチを撮りに』
2013年製作 日本映画
東京池袋 新文芸坐 気になる日本映画達〈アイツラ〉2013で鑑賞
監督・脚本:中野量太
出演:
柳英里紗 東原葉月
松原菜野花 東原呼春
渡辺真起子 東村佐和
滝藤賢一 西森徹二
二階堂智 西森正高
小林海人 西森千尋
今村有希
星野晶子
関口崇則
宇野祥平
箱木宏美
三浦景虎
木村知貴
小澤雄志
太田正一
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012で監督賞を受賞した家族ドラマ。フリーターの姉・葉月と女子高生の妹・呼春は、父親が14年前に女を作って出て行ってしまって以来、母の佐和と3人で暮らしていた。ある日、佐和から「お父さんがもうすぐ死ぬから会いに行って、ついでにその顔を写真に撮ってきてほしい」と頼まれた姉妹は、困惑しながらも、ほとんど記憶に残っていない父親に会いたい気持ちもあり、電車を乗り継ぎ父親のいる田舎町へやってくる。2人はそこで、異母兄弟の少年や叔父に出迎えられるが、すでに父は他界しており、さらに思いがけない人生の修羅場に遭遇する。(映画.COMより)
この映画はヨコハマ映画祭などで高評価され、
観た人たちの評判も良いし、
気になっていました。
今回ちょうど新文芸坐の「気になる日本映画達〈アイツラ〉2013」で
『かしこい狗は、吠えずに笑う』と2本立てになり、
観ることができました。
お客さんの笑い声も聞こえたので面白い作品なんだと思います...
なんで、「思います」なのかというと、
私は特に面白くはなかったからです。
笑いのツボが合わない感じで...
この映画が好きな方には以下の文章は不快になると思いますので、
スルーして下さいネm(_ _ )m
チラシにも、上記のあらすじにも「修羅場」とありますが、
むむ~、この程度で「修羅場」なのか~(-"-;A
血縁関係者の葬式含め自分はもっと強烈な葬式での「修羅場」を
体験しているし、人生経験の中でも色々と...
(プライベートな問題のため以下省略させて戴きますネm(_ _ )m)
この映画の「修羅場」には
あまりリアリティーや説得力を感じませんでした。
私は基本、母子ものに甘いです。
この姉妹は自分の娘と同世代だし、
グッと来る率高いはずなのですけど...
シングルマザーで頑張って育てた子どもたちという、
人物の背景がキャラクター造形に活かされてるとは思えませんでした。
異母弟千尋役の小林海人くんは、複雑な家庭に育った少年感を
上手く出していると思いました。
姉妹がお母さんの用意した服を着替えてしまう演出が、
どうしても最後までひっかかってしまって、
姉妹に魅力を感じられなくなってしまい...
娘たちの抵抗意識の見せ方だと思いますが、
ベタになりそうだけど、ユーモア入れて、
「ホントは嫌だけど無理して着ている」演出をしてくれれば、
母子間の信頼感の深さと、
お母さんがしっかり育てたことを感じられました。
母親役の渡辺真起子さんは信頼しているベテラン女優です。
この映画でも好演してます。
インディー映画に甘い私が辛口評になってしまいました。
演技力のある大人の役者を何人も使っているし、
条件は『かしこい狗~』よりはるかに恵まれていたはず。
でも、作品の持つパワーは
『かしこい狗~』の方が凄いです。
自分が惚れ込んでいるから贔屓目があることは分かっていますf^_^;
『かしこい狗~』は好き嫌いが分かれる作品でしょうけど、
『チチを撮りに』は一般受けして見やすい作品だと思います。
個性強すぎない石井裕也監督系の作家性につらなっているのではないかな。
中野量太監督(1973年生まれ)
大学卒業後上京し、日本映画学校に入学し3年間映画製作を学ぶ。2000年、卒業制作『バンザイ人生まっ赤っ赤。』で、日本映画学校今村昌平賞、TAMA NEW WAVEグランプリなどを受賞。日本映画学校卒業後、映画・テレビの助監督やテレビのディレクターを経て、2006年に『ロケットパンチを君に!』で6年ぶりに監督を務め、ひろしま映像展グランプリ、水戸短篇映像祭準グランプリなど3つのグランプリを含む7つの賞を受賞した。2008年には文化庁若手映画作家育成プロジェクトに選出され、35mmフィルムで制作した短編映画『琥珀色のキラキラ』が高い評価を得る。
2012年、自身初の長編映画『チチを撮りに』がSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012で国際長編コンペティション部門にて監督賞(日本人監督初)とSKIPシティアワードをW受賞。それに伴い、同作が「SKIPシティDシネマプロジェクト」第3弾作品として2013年2月16日に劇場公開され、さらに第63回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門に正式招待された。以後も、同作は多数の国内外の映画祭に正式招待され、賞を受けたほか、監督自身も第5回TAMA映画賞最優秀新進監督賞、第35回ヨコハマ映画祭森田芳光メモリアル新人監督賞、第23回日本映画批評家大賞新人監督賞を受賞した。
(ウィキペディアより)
『チチを撮りに』は、
第35回ヨコハマ映画祭(2013年度)
・新人監督賞 中野量太監督
・助演女優賞 渡辺真起子
・日本映画ベストテン 10位
第7回アジアン・フィルム・アワード
・渡辺真起子 最優秀助演女優賞受賞
第19回京都国際子ども映画祭 審査員特別賞受賞
サハリン国際映画祭グランプリ受賞
と、素晴らしい評価も受けています。
まあ、いかに私の観る目が偏っているか良く分かりますネσ(^_^;)
この作品を観た日は午前は同じ新文芸坐で、
「トラック野郎」を2本観て←クリックで記事へ
『かしこい狗は、吠えずに笑う』観て、←クリックで記事へ
この『チチを撮りに』観て、
その後渋谷のイメージフォーラムに行って、
スティーヴ・マックイーン監督マイケル・ファスベンダー主演の
『HUNGER/ハンガー』と、
1日5本観てます。
『チチを撮りに』以外が強烈なパワーを持った作品すぎて、
今回の感想はそれも影響してるのは否めません。
う~ん、例えばこの日観た5本を
私の主観でカレーで表現してみると、
『トラック野郎』は、
がっつり楽しめてお腹一杯になる「カツカレー」
『かしこい狗は、吠えずに笑う』は、
辛さがクセになる「タイカレー(私はグリーンカレーが好き)」
『HUNGER/ハンガー』は、
食べたことを一生忘れられなくなる「激辛インドカレー」
『チチを撮りに』は、
家で手作りした「バーモントカレー甘口(私はバーモントカレー使いませんが)」
こんな感じなんです。
みんな個性があって絶対評価としてはそれぞれ美味しい。
でも、並べての相対評価はムツカシイ。ということです。
『チチを撮りに』上記で紹介したように、
高い評価を受けている作品です。
6月4日からTUTAYAでレンタル開始になりますから、
私のこの記事など全くあてになりませんので、
気になる方は御覧になってみて下さい。
私の偏った嗜好・観方も確認できることでしょう(笑)
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭←クリックで公式HP
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭(スキップシティこくさいディーシネマえいがさい、英称 SKIP CITY INTERNATIONAL D-Cinema FESTIVAL、略称 SKIP CITY IDCF)は、川口市のSKIPシティで行われる映画祭である。
次世代映像産業の発展と集積、映像クリエーターの発掘と育成を目指し、2003年2月にSKIPシティが創設されたされた。その事業目的に沿って2004年3月に第1回の映画祭が開催され、第2回以降は毎年7月に開催されている。ただし、2011年は東日本大震災による電力危機などを考慮して10月に開催時期が変更された。
「Dシネマ」とはデジタルシネマのことをいう。本映画祭では、デジタルで撮影・編集され、デジタルで上映可能な作品を国内外より広く公募し、長編部門(国際コンペティション)・短編部門(国内コンペティション)においてノミネート作品を上映している。出品される作品はすべてデジタルシネマであり、4Kデジタルシネマプロジェクターによる上映を行う。(ウィキペディアより)
吉行和子主演『燦燦』
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2013年オープニング上映作品。
2007年、『星屑夜曲』で本映画祭短編部門・奨励賞、川口市民賞を受賞、『此の岸のこと』が、モナコ国際映画祭2011で五冠を達成するなど、海外でも高い評価を得ている若手の気鋭・外山文治監督の長編初監督作品『燦燦-さんさん-』。本作は、彩の国ビジュアルプラザ若手映像クリエイター支援プログラムD-MAP第4弾作品として製作された2013年秋公開作品。高齢者の婚活を描いたハートフルな作品。(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭HPより)
この作品まだ観ていないので、
機会を見つけて観たいです。
2013年審査員特別賞受賞
SKIPシティDシネマプロジェクト第4弾作品
『神奈川芸術大学映像学科研究室』
監督:坂下雄一郎
この作品も観ようと思っていましたが機会を外してしまいました。
また観られる機会がありそうな作品なので、観てみたいです。
作品説明:
『ニュータウンの青春』などで脚光を浴びる飯田芳を主演に迎え、新鋭の坂下雄一郎が監督と脚本を務めたコメディー。架空の大学を舞台に、普通の社会人として生きる主人公が遭遇する不条理な日常を活写する。『ウチのはらのうち』などの笠原千尋や、『桐島、部活やめるってよ』などの前野朋哉らが共演。新人監督の人物描写の手腕はもとより、体制の理不尽を笑い飛ばす心意気に感無量。(シネマトゥデイより)
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭
2011年審査員特別賞受賞作品
5月3日(土)から、渋谷ユーロスペースで公開
『シンプル・シモン』
この作品は観る予定です。
作品説明:
第84回アカデミー賞外国語映画賞のスウェーデン代表に選出されたラブコメディー。他者とのコミュニケーションがうまく取れないアスペルガー症候群の青年が、自分のせいで恋人に振られた兄に新たなパートナーを見つけようと奮闘する姿を追い掛ける。メガホンを取るのは、本作で長編映画デビューを飾った新鋭アンドレアス・エーマン。主演は、ステラン・スカルスガルドの息子ビル・スカルスガルド。(シネマトゥデイより)
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4月19日(土)~25日(金)
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