『上意討ち 拝領妻始末』
1967年製作 日本映画
東京池袋新文芸坐で鑑賞
永遠の映画スター 三船敏郎 PART1で鑑賞
監督: 小林正樹
製作: 田中友幸
原作: 滝口康彦
脚本: 橋本忍
撮影: 山田一夫
美術: 村木与四郎
編集: 相良久
音楽: 武満徹
出演:
三船敏郎 笹原伊三郎(馬廻り三百石藩士)
加藤剛 笹原与五郎(長男)
江原達怡 笹原文蔵(次男)
大塚道子 笹原すが(伊三郎の妻)
司葉子 笹原いち
仲代達矢 浅野帯刀(国廻り支配)
松村達雄 松平正容(藩主)
三島雅夫 柳瀬三左兵衛(家老)
神山繁 高橋外記(側用人)
山形勲 土屋庄兵衛(馬廻組組長)
浜村純 塩見兵右衛門
山田恵美 塩見兵右衛門の妻
佐々木孝丸 笹原監物(笹原家の最長老)
福原秀雄 佐平(笹原家の老僕)
川尻則子 ぬい(笹原家の下女)
市原悦子 きく
小林哲子 お玉(正容の新しい側室)
山岡久乃 吉野(おいちの方つきの老女)
青木義郎 小宮隆蔵(奏者番)
滝口康彦の『拝領妻始末』をもとに
「白い巨塔」の橋本忍が脚本を書き
「怪談」の小林正樹が監督した時代劇。
撮影は「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」の山田一夫、
美術は「狸の休日」の村木与四郎、
音楽は「伊豆の踊子」の武満徹がそれぞれ担当した。
三船敏郎が武家社会のルールに翻弄され、
ついには怒りを爆発させる武士を好演。
(allcinemaより)
↓予告動画 Samurai Rebellion (1967) trailer
「侍リべリオン(反乱)」ってことで英語字幕入っています。
これは、2月25日に東京池袋新文芸坐で観てきました。
東京で映画を観るのに、何を観ようか本当に悩みました。
浜松で観られない作品たくさんあるし、
私が浜松から引っ越した後にシネマイーラで上映される作品が、
丁度東京で上映されていたりして、
選ぶのに困ってしまいました。
『東京難民』にしようか、
シネマイーラでも上映しないウルリッヒ・ザイドル監督の
『パラダイス3部作 愛/神/希望』をユーロスペースで見ようか?
あ、でもこれは後で横浜のシネマ・ジャック&ベティも観られる。
『エヴァの告白』『オンリー・ゴッド』『新しき世界』も観たいけど、
これも後で上映するところがありそう。
色々悩んだ結果、池袋に泊まっていたし、
日替わりメニューの新文芸坐三船敏郎特集で、
『上意討ち 拝領妻始末』と『侍』(岡本喜八監督)2本立てにしました。
名画だしまたいつか観る機会があるかもしれないけど、
この2本立てはこの日限りだったので、決めました。
大きなスクリーンでこの迫力の2本を観られて、
2本立て1300円!大満足でした!!
昨年2月にテレビ朝日で田村正和主演でドラマの放送があったんですね。
御覧になった方もいらっしゃるかと思います。
私はこのドラマは見てないです。
映画のあらすじは...
会津松平藩馬廻り三百石藩士の笹原伊三郎(三船:ちょっと老け役で渋い!)は、
藩主松平正容(松村達雄:若い娘が好きなエロ殿)の男子を産みながら、
若くて気取った新しい側室お玉(小林哲子:生意気な娘っ子)と殿に乱暴を働いて、
暇を出されたおいち(司葉子:19歳で50過ぎの殿に見初められ嫌々大奥へ)を、
長男与五郎(加藤剛:イケメン!木下惠介監督も重用)の嫁にしろと、
側用人の高橋外記(神山繁:スゲー嫌な奴感がシビレマス)にしつこく命令されます。
伊三郎は婿養子でコワーイ妻すが(大塚道子:キツすぎ!コワすぎ!)の
しりにひかれっぱなしの人生を悔やんでいるため、
息子には気立てのよい娘を嫁にと考えているので、
断り続けますが、上意だとごり押しされている所、
与五郎がいちを嫁にすると申し出ます。
どんなキツイ性格の女が来るのかと思いきや、
いちは気立てのよいできた女で、
与五郎と仲睦まじく暮らし、娘も生まれました。
(なぜ乱暴を働いてしまったのかもちゃんと理由が...)
ところが藩主の跡取りが病死したため、
次の世継を産んでいるいちを、
大奥に返上しろとの命令が下ります。
返上せねば家はとりつぶし、
親戚も咎められると言われて...
与五郎といちは絶対に別れたくありません。
それまで武家社会のおきてに従い、
女房にも頭が上がらなかった伊三郎も、
ついに「いちは人形ではない!」と怒りを爆発させます。
命令に従わない父子に上意討ちの命が下ります。
クライマックスは伊三郎と旧知の間柄、
お互いの腕を知り尽くした、
浅野帯刀(仲代達矢)との斬り合いです。
その後もスゴイのですが...
この作品では封建社会での上意下達も、
女性の扱いも、
極めて現代性を帯びています。
いくら上意とはいえ、伊三郎は、
人間としてのプライドを踏みにじられ続け、
ついには爆発します。
一人の人間としても女性としてのプライドも捨てないいちは、
フェミニズム的な描かれ方。
舞台は江戸時代ですが今でも通じるメッセージ性が込められています。
この映画を観たかったのは、
1月に観た『蠢動-しゅんどう-』←クリック
三上康雄監督が‘走る'‘斬る'を加えた『切腹』(1962年小林正樹監督仲代達矢主演)
のような作品にしたかった、と言われていて、
小林正樹監督の時代劇が好きとのことだったので、
『切腹』も観ていないのですが、(リメイクの『一命』は見ました)
今回この『上意討ち 拝領妻始末』を観たくなりました。
社会派の小林監督らしいメッセージ性も強いですが、
アクション時代劇としても手に汗握る迫力がありました。
こんな面白い映画には滅多に出会えません。
『蠢動』に本作へのオマージュシーンがあったのにも気付きました。
クライマックスまでは、
普通はここはもう少しひっぱるんじゃないかというシーンも、
引っ張りません。
さっと場面が切り換わり、どんどん話が進みます。
そしてクライマックスの三船と仲代の斬り合いは、
じっくりと見せます。
なんだか前のめりになって見ていたんじゃないかという気がしますョ。
そして、壮絶なラストも見応えあり、
これが本当に壮絶なラストってやつだと思いました。
『侍』はまたこれに輪をかけて
ショッキングで壮絶なラストでありましたが。
キャストがそれぞれにとても濃くて、
画面がギシギシいってました(笑)
作り手、キャストの気迫がビンビン伝わってきましたョ!
武満徹の和太鼓フィーチャーした音楽もカッコ良かった。
『蠢動』の和太鼓音楽もこれがやりたかったのだと。
もう、今回の2本の選択は正解~!!でした。
次に観たのは岡本喜八監督の『侍』です。
今回、男性トイレに長蛇の列というのも初めて見ましたよ。
女性トイレは空いてるの(笑)こんなの初めての体験でした。
いつもは大概どこでも男性トイレの方が空いてマスからね。
加藤剛が伊三郎役のテレビドラマが1992年にテレビ東京で
放送されていて、
同じく舞台もあったんですね。
杉良太郎主演などで舞台で何度も上演されているそうです。
『上意討ち 拝領妻始末』DVDも出ているので、
機会があったらご覧になってみて下さい。
上意討ち -拝領妻始末- 【期間限定プライス版】 [DVD]/
三船敏郎,加藤 剛,司 葉子
今回の三船特集はこの2冊の本の
刊行記念でもありました。
サムライ 評伝 三船敏郎/松田 美智子
もう一度 天気待ち/野上 照代
★新潟 シネウィンド
3月8日(土)~14日(金)
★名古屋シネマテーク
4月19日(土)~25日(金)
★高崎映画祭で上映←詳しい上映日・時間はクリックでどうぞ!
読んで下さってありがとうございましたランキングに参加してます←これをクリックしてもらえたらうれしいです
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3月8日(土)~14日(金)
★名古屋シネマテーク
4月19日(土)~25日(金)
★高崎映画祭で上映←詳しい上映日・時間はクリックでどうぞ!
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1967年製作 日本映画
東京池袋新文芸坐で鑑賞
永遠の映画スター 三船敏郎 PART1で鑑賞
監督: 小林正樹
製作: 田中友幸
原作: 滝口康彦
脚本: 橋本忍
撮影: 山田一夫
美術: 村木与四郎
編集: 相良久
音楽: 武満徹
出演:
三船敏郎 笹原伊三郎(馬廻り三百石藩士)
加藤剛 笹原与五郎(長男)
江原達怡 笹原文蔵(次男)
大塚道子 笹原すが(伊三郎の妻)
司葉子 笹原いち
仲代達矢 浅野帯刀(国廻り支配)
松村達雄 松平正容(藩主)
三島雅夫 柳瀬三左兵衛(家老)
神山繁 高橋外記(側用人)
山形勲 土屋庄兵衛(馬廻組組長)
浜村純 塩見兵右衛門
山田恵美 塩見兵右衛門の妻
佐々木孝丸 笹原監物(笹原家の最長老)
福原秀雄 佐平(笹原家の老僕)
川尻則子 ぬい(笹原家の下女)
市原悦子 きく
小林哲子 お玉(正容の新しい側室)
山岡久乃 吉野(おいちの方つきの老女)
青木義郎 小宮隆蔵(奏者番)
滝口康彦の『拝領妻始末』をもとに
「白い巨塔」の橋本忍が脚本を書き
「怪談」の小林正樹が監督した時代劇。
撮影は「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」の山田一夫、
美術は「狸の休日」の村木与四郎、
音楽は「伊豆の踊子」の武満徹がそれぞれ担当した。
三船敏郎が武家社会のルールに翻弄され、
ついには怒りを爆発させる武士を好演。
(allcinemaより)
↓予告動画 Samurai Rebellion (1967) trailer
「侍リべリオン(反乱)」ってことで英語字幕入っています。
これは、2月25日に東京池袋新文芸坐で観てきました。
東京で映画を観るのに、何を観ようか本当に悩みました。
浜松で観られない作品たくさんあるし、
私が浜松から引っ越した後にシネマイーラで上映される作品が、
丁度東京で上映されていたりして、
選ぶのに困ってしまいました。
『東京難民』にしようか、
シネマイーラでも上映しないウルリッヒ・ザイドル監督の
『パラダイス3部作 愛/神/希望』をユーロスペースで見ようか?
あ、でもこれは後で横浜のシネマ・ジャック&ベティも観られる。
『エヴァの告白』『オンリー・ゴッド』『新しき世界』も観たいけど、
これも後で上映するところがありそう。
色々悩んだ結果、池袋に泊まっていたし、
日替わりメニューの新文芸坐三船敏郎特集で、
『上意討ち 拝領妻始末』と『侍』(岡本喜八監督)2本立てにしました。
名画だしまたいつか観る機会があるかもしれないけど、
この2本立てはこの日限りだったので、決めました。
大きなスクリーンでこの迫力の2本を観られて、
2本立て1300円!大満足でした!!
昨年2月にテレビ朝日で田村正和主演でドラマの放送があったんですね。
御覧になった方もいらっしゃるかと思います。
私はこのドラマは見てないです。
映画のあらすじは...
会津松平藩馬廻り三百石藩士の笹原伊三郎(三船:ちょっと老け役で渋い!)は、
藩主松平正容(松村達雄:若い娘が好きなエロ殿)の男子を産みながら、
若くて気取った新しい側室お玉(小林哲子:生意気な娘っ子)と殿に乱暴を働いて、
暇を出されたおいち(司葉子:19歳で50過ぎの殿に見初められ嫌々大奥へ)を、
長男与五郎(加藤剛:イケメン!木下惠介監督も重用)の嫁にしろと、
側用人の高橋外記(神山繁:スゲー嫌な奴感がシビレマス)にしつこく命令されます。
伊三郎は婿養子でコワーイ妻すが(大塚道子:キツすぎ!コワすぎ!)の
しりにひかれっぱなしの人生を悔やんでいるため、
息子には気立てのよい娘を嫁にと考えているので、
断り続けますが、上意だとごり押しされている所、
与五郎がいちを嫁にすると申し出ます。
どんなキツイ性格の女が来るのかと思いきや、
いちは気立てのよいできた女で、
与五郎と仲睦まじく暮らし、娘も生まれました。
(なぜ乱暴を働いてしまったのかもちゃんと理由が...)
ところが藩主の跡取りが病死したため、
次の世継を産んでいるいちを、
大奥に返上しろとの命令が下ります。
返上せねば家はとりつぶし、
親戚も咎められると言われて...
与五郎といちは絶対に別れたくありません。
それまで武家社会のおきてに従い、
女房にも頭が上がらなかった伊三郎も、
ついに「いちは人形ではない!」と怒りを爆発させます。
命令に従わない父子に上意討ちの命が下ります。
クライマックスは伊三郎と旧知の間柄、
お互いの腕を知り尽くした、
浅野帯刀(仲代達矢)との斬り合いです。
その後もスゴイのですが...
この作品では封建社会での上意下達も、
女性の扱いも、
極めて現代性を帯びています。
いくら上意とはいえ、伊三郎は、
人間としてのプライドを踏みにじられ続け、
ついには爆発します。
一人の人間としても女性としてのプライドも捨てないいちは、
フェミニズム的な描かれ方。
舞台は江戸時代ですが今でも通じるメッセージ性が込められています。
この映画を観たかったのは、
1月に観た『蠢動-しゅんどう-』←クリック
三上康雄監督が‘走る'‘斬る'を加えた『切腹』(1962年小林正樹監督仲代達矢主演)
のような作品にしたかった、と言われていて、
小林正樹監督の時代劇が好きとのことだったので、
『切腹』も観ていないのですが、(リメイクの『一命』は見ました)
今回この『上意討ち 拝領妻始末』を観たくなりました。
社会派の小林監督らしいメッセージ性も強いですが、
アクション時代劇としても手に汗握る迫力がありました。
こんな面白い映画には滅多に出会えません。
『蠢動』に本作へのオマージュシーンがあったのにも気付きました。
クライマックスまでは、
普通はここはもう少しひっぱるんじゃないかというシーンも、
引っ張りません。
さっと場面が切り換わり、どんどん話が進みます。
そしてクライマックスの三船と仲代の斬り合いは、
じっくりと見せます。
なんだか前のめりになって見ていたんじゃないかという気がしますョ。
そして、壮絶なラストも見応えあり、
これが本当に壮絶なラストってやつだと思いました。
『侍』はまたこれに輪をかけて
ショッキングで壮絶なラストでありましたが。
キャストがそれぞれにとても濃くて、
画面がギシギシいってました(笑)
作り手、キャストの気迫がビンビン伝わってきましたョ!
武満徹の和太鼓フィーチャーした音楽もカッコ良かった。
『蠢動』の和太鼓音楽もこれがやりたかったのだと。
もう、今回の2本の選択は正解~!!でした。
次に観たのは岡本喜八監督の『侍』です。
今回、男性トイレに長蛇の列というのも初めて見ましたよ。
女性トイレは空いてるの(笑)こんなの初めての体験でした。
いつもは大概どこでも男性トイレの方が空いてマスからね。
意志をしっかり持ったいち役の司葉子
コワーイ姑、大塚道子
ぎらぎら仲代達矢
斬られっぷりも味があった神山繁
真面目一筋なイケメン、加藤剛
市原悦子は体が丈夫な足軽の妻で乳母きく役
このシーンは息を殺して観てましたョ。
かっこよかった~
かっこよかった~
加藤剛が伊三郎役のテレビドラマが1992年にテレビ東京で
放送されていて、
同じく舞台もあったんですね。
杉良太郎主演などで舞台で何度も上演されているそうです。
『上意討ち 拝領妻始末』DVDも出ているので、
機会があったらご覧になってみて下さい。
上意討ち -拝領妻始末- 【期間限定プライス版】 [DVD]/
三船敏郎,加藤 剛,司 葉子
今回の三船特集はこの2冊の本の
刊行記念でもありました。
サムライ 評伝 三船敏郎/松田 美智子
もう一度 天気待ち/野上 照代
『かしこい狗は、吠えずに笑う』
25歳衝撃の才能
渡部亮平監督応援しています
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渡部亮平監督応援しています
ぜひ、お近くの映画館にリクエストして下さい
★新潟 シネウィンド
3月8日(土)~14日(金)
★名古屋シネマテーク
4月19日(土)~25日(金)
★高崎映画祭で上映←詳しい上映日・時間はクリックでどうぞ!
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『かしこい狗は、吠えずに笑う』
25歳衝撃の才能
渡部亮平監督応援しています
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★新潟 シネウィンド
3月8日(土)~14日(金)
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4月19日(土)~25日(金)
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