幼な子われらに生まれ (幻冬舎文庫) Amazon |
殆ど寝に帰っただけの
弾丸帰宅ツアーで観た映画2本。
『幼な子われらに生まれ』
『トトとふたりの姉』
重松清の原作の出版は1996年。
その当時、荒井晴彦氏が
映画にしたいと重松氏に言ったそう。
いや、大きな声では言えないけど
荒井晴彦大先生の脚本は
どうなのだろうかと正直退いてました(^-^;
三島有紀子監督はキャスティングに拘り、
キャストを信頼して
演出に即興性も取り入れ、
脚本に縛られずに撮りました。
大家の脚本でも気後れせず
自分の映画として勝負に出ました。
本作は今の日本映画には少ない
観る側にズッシリ問いかけてくる
シビアな映画です。
娘が2人いる田中麗奈と結婚して
継父になった浅野忠信が主人公。
彼には別れた妻寺島しのぶとの間にも
娘がいて時々会っている。
田中麗奈が妊娠したら連れ子の長女が反発し、
本当の父親の宮藤官九郎に会いたいと言い出す。
家族の軋みに追い打ちをかけるようなことが
次々と起こり追い詰められる浅野忠信。
子役を含めキャストの演技がとても良いです。
浅野忠信は新境地を開いた演技。
現実はもっと厳しいと言う人もいるだろうけど、
私は他人ごととして
冷静に観ることはできなかったです。
映画の世界に引き込まれました。
身近な問題として相当身につまされたし、
今、精神的に余裕もない私は
少しくらい望みがあったていいじゃない。
と、思う訳です。
「映画芸術」上位は当然だけど(^◇^;)
キネ旬上位も間違いないのでは?
これから、黒沢清『散歩する侵略者』
是枝裕和『三度目の殺人』
阪本順治『エルネスト』
と、好きな監督の新作が
次々公開で楽しみだけど、
『幼な子われらに生まれ』は
今年の日本映画マイベストテンに残ると思う
印象深い映画でした。
原作未読なので注文しました。
ルーマニア出身でドイツに移住した
アレクサンダー・ナナウ監督が
EUの助成を受けた
ルーマニアの制作会社からの依頼で
ルーマニアの都市型ジプシーのリサーチ中に
トトの家族と出会い
時間をかけて信頼関係を築いた後、
14ヶ月かけて撮影し、
編集に1年半かけ
丁寧に制作したドキュメンタリー映画。
トトは10歳。
母親が麻薬取引により7年の禁固刑で服役中のため
17歳のアナ、14歳のアンドレアの
ふたりの姉とボロいアパートで暮らす。
父親の顔も知らない。
トトたちの部屋はヤク中どもの溜まり場と化す。
面倒をみてくれるはずの
母親の弟である叔父2人は
トトたちの部屋で麻薬取引するし、
アナも足を洗うつもりがまた手を出してしまい、
おじとともに麻薬捜査部隊に逮捕されてしまう。
暮らす環境を変えるべきだと
トトと孤児院に入ることを決断したアンドレア。
釈放されたアナは再起を誓うものの
またもや麻薬に手を出す。
しかも彼女はHIVに感染していた。
そして孤児院に入ったアンドレアとトトの元から出奔。
トトは児童クラブのダンスの課外授業で
ヒップホップダンスに出会い、魅了され、
才能を発揮し国際大会に出場。
アンドレアはナナウ監督から預かった
ビデオカメラを使い、
映画にも使われている映像を撮ることで
自分や周囲を客観的な視線で表現するようになる。
麻薬を打っている男連中の隙間で
眠っているトトを見ている時には
やめてくれ〜って叫びたかった。
これは紛れもなく
甘さなど微塵もない過酷な環境。
スラム街に暮らす
ある都市型ジプシー家族の厳し過ぎる現実。
トトのダンスとの出会いと才能の開花は
この映画の唯一の明るい要素。
そしてアンドレアの決断は
家族のかたちを変える
アンドレアとトトの人生の岐路となる。
フィクションなのかドキュメンタリーなのかなんて、
意識しなくなるほどの驚きの展開をして行く
ドラマティックで強度のある作品です。
観察型ドキュメンタリーで
ナレーションや
テロップなどによる説明はありません。
本作はヘッド館のポレポレ東中野で観るつもりで
前売り券を買ったのだけど、
ポレポレでは観そびれ
ジャック&ベティでやっと観ました。
期待を裏切らない素晴らしい映画でした。
『幼な子われらに生まれ』と
『トトとふたりの姉』を
2本続けて観ました。
家族がテーマな2本立てとなりました。
私自身が今現実世界で
強烈に家族の問題に向き合っているため、
偶然時宜にかなった2本立て感。
8月は14日以降川崎の自宅には
殆ど居ませんでした。
8月26日午後に
蒲郡から新宿へ行き、
東京オペラシティアートギャラリーで
『荒木経惟 写狂老人A』を観て川崎に帰り、
翌日27日に横浜ジャック&ベティで
『幼な子われらに生まれ』
『トトとふたりの姉』観ました。
そして新横浜から新幹線に乗りまた蒲郡へ。
毎日忙殺されていてクタクタです。
スマホの1ヶ月データ通信量の7GBを
今まで使い切ったことなど一度もなかったのに、
8月は足りなくなってしまい追加で買いました。
今後のことも考えて9月からギガモンスターにしました。
ネットを使える時間は
相当減っているのだから
アプリのモバイルデータ通信を
殆どオフにすればよかったのに
スマホをいじれる時間も限られていたため
設定の操作をするのが遅れて
損してしまったなあ。
東京オペラシティアートギャラリー
『荒木経惟 写狂老人A』
は、千点以上の新作は
全て印画紙にプリントされたもの。
空間を贅沢に使った展示でした。
でも、アラーキーの写真は
ホワイトキューブの広い空間で見るより、
「アートスペースAM」で
ごっそり?見る方が良い感じ。
東京都写真美術館「センチメンタルな旅 1971-2017-」も行く予定ですが。
ラットホールギャラリー「花幽園」
は見そびれた。
空いてたなぁ。
もちろんアメブロには
貼れない
写真もいっぱいありましたよ。
8月に劇場鑑賞したのは25本。
(正確には24本と短編9本)
今年一番少なかった。
年間累計263本。
9月も
川崎と蒲郡を行ったり来たりで
映画は少な目だろうなぁ。
で、どういう基準?て、
言われそうですが、
マイ基準です。
今日から久々2泊の川崎帰宅ツアー。
やっと『パターソン』観るよ。
「アートスペースAM」
荒木経惟「淫春展」