『風に濡れた女』
2016年製作 日本映画
ジャック&ベティで鑑賞
↓こちらは子どもは見ちゃだめ
見るときは音に注意
監督・脚本:塩田明彦
出演:間宮夕貴
長岡佑
テイ龍進
鈴木美智子
中谷仁美
加藤貴宏
赤木悠真
谷戸亮太
池村匡紀
前田峻輔
大西輝卓
あらすじ
かつて劇作家として知られた柏木高介(永岡佑)は、
今では世捨て人のような暮らしを送っている。
ある日の昼下がり、港でたたずむ高介の目の前を、
自転車に乗った女が通りすぎ海に突っ込んだ。
全身を濡らして陸にはい上がって来た女は、おもむろに上着を脱ぎ
「今晩泊めてもらえない?」と話しかけてくる。
その不思議な女は、汐里(間宮夕貴)。
高介は何も見なかったふうを装い、
拾ったアンティークの椅子を乗せたリアカーを引いてその場を去ろうとするが、
汐里は野良犬のようにまとわりつき追いかけてくる。
高介に泊める気がない ことを理解した汐里は、
「アンタは私にロックオンされたんだ。逃げられると思うなよ」
と捨てゼリフを残し去っ ていった。
翌日、高介がコーヒー豆を買いに寄ったいきつけのカフェで、
ウェイトレスとして働く汐里と出くわす。
奇妙な出会いをしたばかりにも関わらず、
懐かしそうに近寄ってきた汐里は、
カフェの店長(テイ龍進)を 体でてなずけ、
店長の別居している妻の洋服を着て平然と働いていた...。
そんな中、かつての劇団仲間で高介の女だった演出家・響子(鈴木美智子)が、
巡業の途中、劇作家としての 高介の熱烈なファンだという新人助手・夕子(中谷仁美)と、
新しい劇団員たちを引き連れてやってきた。
高介 が、自分の書いた戯曲を目の前で披露され興味なさげに眺める傍ら、
響子は、汐里に芝居に参加しないかと持ちかける。
ヒートアップした汐里が、響子を押し倒したことから、
まるで堰を切ったように、この大地に集まった
男と女たちの欲望の渦が広がり始める―
(フィルマークスより)
『風に濡れた女』←クリック
掴みは神代辰巳『恋人たちは濡れた』の
ラストシーンを想起させられる
間宮夕貴が自転車で勢い良く海に突っ込むシーンから。
ここからもう可笑しいです。
アクションや動きで見せる作品です。
身体性の回復がどうとか、
映画史的に観てどうなのか
とか、分析的に見なくても
ただ観ているだけで笑えて面白い作りです。
だってロマンポルノなんだから理屈抜きで面白きゃいいじゃん
と、私なんぞは思ってしまうけど
それじゃブロガー失格かな
滑稽に見える行動や動作、
小劇場の小ネタなど笑える要素が一杯でした。
(でも荒井晴彦さんは笑えなかったそうですよ(苦笑))
間宮夕貴さんが体当たりの演技で
アクションも濡れ場も弾けて輝いています。
熟女好みのお色気担当は鈴木美智子さん。
可憐な中谷仁美さん好みの方もみえるでしょう。
男性陣はちょと情けないけど
女性を魅力的に見せているのだからこれでいいのです。
フェミニスト(自称)の私が観ても面白い作品でした。
カラッとしていているし
濡れ場も笑えてしまうので
正直抜ける映画かどうか私にはわからないけど(笑)
レディースデイに観たので
私以外の女性は1人は確認できたけど
あとは年配の男性が多かったです。
女性客がもっといるかと思いましたが。
「蘇る!日活ロマンポルノ」特集は浜松シネマイーラで観ました。
その時ブロガーさんからアウェイの劇場だったら
見れなかったのでは?とコメントされましたが
そんなことないで〜す。と答えた記憶が(笑)
あれからまた時を経てのロマンポルノ。
ますます面の皮も厚くなり声出して笑って観てました。
ミニシアターで上映されているから
女性も安心して観られますよ。
上映時間も78分と短くて観やすい長さ。
私はレディースデイに観ておいてなんなんですが、
このリブートシリーズは普通に一般料金なんです。
2本立てか1本千円だったらもっといいと思う次第です。
ロカルノ映画祭の上映では笑いが起こり
ハワード・ホークスのスクリューボール・コメディ
『赤ちゃん教育』みたいと言われたそうです。
10分1回は濡れ場が入るというルールを守れば
好きなように撮れるというロマンポルノのルールを
45周年のリブート・プロジェクトでも踏襲しています。
塩田監督にオファーした日活のプロデューサーは
「今はミニシアターの市場が失われ、監督がオリジナル企画で
撮る場が無くなっている。
この企画は予算は潤沢にないけれど、
ロマンポルノという枠組みを作ることで
オリジナル作品を発表できる場を継続的に作りたい。」
と話して塩田監督は素直に感動したそうです。
ロカルノ映画祭でヨーロッパの映画を専攻している学生たちが
審査する「若手審査員賞」の第3位に選ばれた本作。
塩田監督はロカルノ映画祭に行って
国際映画祭に関わるジャーナリストや関係者の間で
「日活ロマンポルノ」
「神代(神代辰巳)田中(田中登)
小沼(小沼勝)」の名前が知られていることを感じたそうです。
塩田監督は田中登監督の作品に好きなものが多いとのこと。
(映画芸術457号より)
パンフがなかったので
「ロマンポルノ再起動(リブート)」特集の
映画芸術買いました。
荒井晴彦御大と塩田監督、
『牝猫たち』白石和彌監督
『ホワイトリリー』中田秀夫監督の
インタビューなどが掲載。
ロカルノ映画祭で
今週劇場鑑賞した映画
『アイアン・プッシーの大冒険』
『湯を沸かすほどの熱い愛』
『ブルーに生まれついて』
『アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男』
『こころに剣士を』
『トッド・ソロンズの子犬物語』
イスラーム映画祭2
『敷物と掛布』
画像追加と調整しますがとりあえずUP